『母・肝っ玉とその子供たち』三十年戦争年代記

『母・肝っ玉とその子供たち』三十年戦争年代記 in 新国立劇場中劇場(12/10)

作   ベルトルト・ブレヒト
翻訳 谷川道子
演出 栗山民也

17世紀。ヨーロッパ中を巻き込んだ30年戦争の真っ只中のドイツを舞台に
『肝っ玉』とあだ名を持つアンナ(大竹しのぶさん)は父親の違う3人の子供たちと
兵隊を相手に商売するしたたかな女性。戦争によって商売は潤うが戦争によって
子供を失っていく彼女の壮絶な人生とは・・

寒々とした戦争の後が痛ましく残る荒野に表れる『肝っ玉』の大竹しのぶさん一家。
彼女の、相手が誰であろうとお構い無しに機関銃のような毒舌が響き渡る舞台です。
手を腰に置き、地に足がどんと着いた彼女の姿は人一倍大きく周りを圧倒させます。
愛する子供たちを守る為に、愛する子供を犠牲にしたり
商売の為に愛する子供を傷つけたり、果たして『肝っ玉』の生き方に
共感できるでしょうか?
でも、子供を失った時のあの地の底から湧き上がってくる慟哭は
最愛のものを失った人にしか表現できない『肝っ玉』の母性でしかありません。
この音楽をふんだんに取り入れたこの作品。。。。
大竹さんの歌声は、刃物のように心をダイレクトに突き刺さります。
そして3人の子供たちの中で、賢い長男アイリフを演じた粟野史浩さん!
すごい見せ場がありました!役柄も粗暴ですが頭の回転の速いアイリフにぴったり!
粟野さんの醒めた目線がアイリフ自身の理不尽な最後に
なんとも表現できない余韻を残しました。
また、渋い演技のたかお鷲さん!やっとこまつ座の『国語元年』の白塗り公家さんの
イメージが取れました(すみません!!)
兵士の役では岸槌隆至さんの人のよさそうな笑顔が光っていました。
わたしの好きな女優さんの秋山奈津子さんは役柄によって秋山奈津子という同じ名前を
持つ違う女優が演じるように変化を見せます。ほんとに素晴らしい女優さんです。
今回も素晴らしい怪演振りでした。

~12/11(日)まで in 新国立劇場中劇場(初台)

さて、終演後は文学座のアトリエに直行。
なぜならアトリエ公演『アルバートを探せ』の交流会に参加するためです!
色々な感想やネタバレを頭にインプットして
明日は『アルバートを探せ』を拝見しにアトリエに行く私です(^_-)-☆
by berurinrin | 2005-12-11 00:00 | 観劇感想