木山事務所公演『妖精たちの砦』

木山事務所公演『妖精たちの砦』 in 俳優座劇場(11/12千秋楽)

敗戦直後の東京。
以前は立派なお屋敷が建っていたと思われる小高い廃墟に
一人の復員兵のおっさん(本田次布さん)があわられます。
そこには空襲で孤児となった子供達と身寄りの無い娼婦達が掟を作って
仲間となり助け合って暮らしていました。戦争前は教師をしていたおっさんは、
子供達に頼まれて物語を語り始めます。物語の話は「ピーターパン」。
ピーターパンの世界を自分達に置き換える大人になりきれない子供達と娼婦達。
でも現実は成長する彼らに対して容赦なく過酷なものでした。

子供のリーダーはタロー(坂元健児さん)はピーターパン。
タローを慕う知恵遅れのスズ(池田有希子さん)はティンカーベル。
空襲時に子供とはぐれてしまった娼婦の奥様(飯田千賀さん)はウエンディ。
そしてやくざ達は海賊・・・・。
すみません!!かなり設定に無理があるように感じたのは私だけでしょうか?
そして坂元健児さんがミュージカル俳優だからこそでしょうが、
さすがに歌声も切れのいいダンスも素晴らしいけれども、
ミュージカル色が強くて作品の意図が伝わらず、
曖昧な違和感が最後まで残りました。
「悲劇喜劇」11月号に戯曲が記載されていたので、読み直してはみたものの
改めて読んでみるとかなり強引なストーリー展開になっていて
これはちょっと辛かったです。(戯曲には歌詞は書いてありません)

作家の福田善之さんの作品で以前に「袴垂れはどこだ」を
文学座の研修科生の発表会で拝見しましたが、地味な作品ながら躍動感があって
とても素晴らしかったので、かなりの期待をしていただけに
今回の作品はちょっと残念でした。
でも、戦後の混沌とした中に物語の夢の世界にすがる主人公たちの
姿はとても切ないものでした。

今回はご招待を頂いての拝見でしたが、
私の前に座っていらした女性が
坂元健児さんのファンの方のようでしたが、タローの死の場面で
爆睡されていていました。きっと自分を責めちゃうんだろうなあ・・

in 俳優座劇場
by berurinrin | 2005-11-15 23:57 | 観劇感想