東宝ミュージカル『エリザベート』千秋楽

東宝ミュージカル『エリザベート』千秋楽 in 帝国劇場(9/30)

脚本・歌詞 ミヒャエル・クインツェ
音楽    シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞 小池修一郎

「舞台って空間芸術ですよね?
やってる側から消失していっちゃって、衣装替えてる側から
裏方さんが道具バラしていっちゃうんですよ。
千秋楽の舞台の裏表ってこんなもんです。その消失しちゃったものは
どこにいくんだろうって考えてたんですけど、お客様の心の中なんですよね」
カーテンコールの挨拶でフランツ皇帝を演じられた
鈴木綜馬さんがコメントした言葉が心に響きます。

「闇が広がる♪」・・黄泉の帝王トート閣下(内野聖陽)がフランツヨーゼフ皇帝(鈴木綜馬さん)とエリザベート(一路真輝さん)の息子の次期皇帝。
ハプスブルグ家の将来を憂う悩めるルドルフ皇太子(井上芳雄さん)の
反体制派革命運動へと駆り立て、やがてはルドルフの自殺へと導く場面です。

悩めるルドルフの前に、見守るように優しく現れるトート。
ルドルフの心の闇を衝き、力強くこじ開け狂気の光を呼び覚ますトート。
二人の歌声が戦い合い、融合された時にルドルフはすでにトートに
魂を抜かれたのでしょうか?
操り人形のようなうつろな眼差しを浮かべ、流れるまま革命は失敗し
フランツやエリザベートに見捨てられたルドルフ。
再び現れたトートからは逃げるすべも無く、自ら望むようにトートの胸に手を当てて
死への長い接吻を受け入れるルドルフ。
拳銃を持つ手がガクガクと震え一瞬正気に戻ったルドルフが
あらためて自分の宿命を受け入れるように拳銃を頭に向けていました。

ルドルフ役の井上芳雄さんは、ミュージカル界のプリンスだそうですね。
甘いマスクで美しく張りのある声で将来も頼もしい素晴らしい役者さん♪
次回は一路真輝さんと恋人役?だそうですね。
内野聖陽さんは妖艶にして時に力強く、はかなそうで粘着系で・・
めまぐるしく美しく舞うように演じていらっしゃいました。

千秋楽のご挨拶で内野聖陽さんは
「エリザベートは転機になった作品なので、また機会があれば降臨したいです」
とおっしゃっていました。

そんな中、噂では聞いていたのですがルキーニ役の高島政宏さんが
車椅子でカーテンコールに登場されていました。本来なら歩くのも禁止だったそうです。
上演中に何箇所かルキーニの動きに変更がありましたが
微塵も感じさせない素晴らしいルキーニを最後まで魅せてくれた彼の姿・・
本当に役者とは過酷な仕事だなあと、つくづく感じ入りました。

芝居中心でミュージカルはなかなか観ない私ですが
『エリザベート』は美しい音律と共に心の中に残った作品です。
by berurinrin | 2005-10-01 10:07 | 観劇感想
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