巣林舎第3回公演『曾我会稽山』

巣林舎第3回公演『曾我会稽山』 in 紀伊國屋ホール(9/9)

企画監修 鳥越文藏
台本演出 鈴木正光
美術    石井強司

鎌倉時代、武士が武士らしく生きた時代のお話です。
曽我十郎(若松弘泰さん)、五郎(高山賢吾さん)は17年目前に父を殺害した
工藤祐経(北村和夫さん)への仇討ちの機会を狙っていました。
この兄弟の仇討ち成就に味方もの、策をもって阻もうとするものが居る中
曾我兄弟の仇討ちの前後24時間を描いています。

巣林舎は、近松門左衛門の生誕350年だった2003年に、近松作品を現代劇として上演する集団として誕生されたそうです。
近松作品といえば「心中」もの!ってピンときますが、それはホンの一部分。
約150作ほど書かれているそうです。なかでも「曾我もの」といわれる仇討ちものは
近松作品では10作品以上もあるそうです。

公演が始まる前に、監修の鳥越文藏氏が作品紹介をして下さいました。
「日本三大仇討ち」というのがあるそうで、一つは有名な「忠臣蔵」の
「赤穂浪士の討ち入り」
次に「伊賀の仇討ち」そして「曾我兄弟の仇討ち」。でも、「忠臣蔵」も「伊賀の仇討ち」も江戸時代の作品なので、この「曾我兄弟の仇討ち」が元祖仇討ちになるそうです。
そして今と違って数字の大きい名前の十郎がお兄さん、五郎が弟。
もともと数字の感覚が現在とは違うようです。
 
う~ん「そがかいけいざん?」よ、読めないし、難しそう~(汗)・・・でも
文学座の座員が11名もご出演!わーい!!ってミーハー根性で拝見しましたが
これが又面白い芝居でした。「24」ってTV番組のような、時間の経過が台詞の中に
ちりばめられて興奮しなからの展開で、仇討ちにかける曾我兄弟の痛々しい位の
心情が溢れていて「頑張れ~!!」と応援したくなります。
十郎の若松泰弘さんってば、すんごくかっこよかったですね♪
兄弟の味方した為理不尽にも切腹される蒲入道(菅野菜保之さん)の迫力の場面や
曾我兄弟の二人の妻(金沢映子さん、岡寛恵さん)の女っぷりの凛々しさ。
そして敵の工藤祐経(北村和夫さん)の怪演振り!

言葉も美しく滑らかで日本人として、こういった
いわゆる古典作品はもっと大切に扱うべきで、上演することによって
若手・中堅の俳優の立ち振る舞いやせりふの勉強にもなると思いました。
もちろん観る側には歌舞伎や浄瑠璃は無理でも・・っていう私のようなものでも、
とても新鮮に感じられて最後まで楽しめました。
次回の公演もとても楽しみです。

~9/11(日)まで
by berurinrin | 2005-09-10 11:21 | 観劇感想