燐光群『だるまさんがころんだ』

燐光群『だるまさんがころんだ』 in 下北沢ザ・スズナリ(8/20)

作・演出 坂手洋二

やくざの組長さん(川中健次郎さん)が子分達を前に突如
「静かな余生を送りたい。その為には、家の周りに地雷を埋めて守りを固めろ」
組長さんの命令は絶対です。そして子分のタカさん(大西孝洋さん)は地雷を
手に入れるため行動を起します。地雷を作る人、売る人、買う人、駆除する人
怪我をする人、死にいたる人・・・タカさんは地雷を探す旅に出掛けます。

激しい爆音に面食らったとたん、舞台は暗転。
暗転の度に、時限爆弾のカウントのようなカチンカチンというカウントが入ります。
そして地雷に関する、ショートストーリで物語が繋がっています。
「怖い!怖い!怖い!」怖いんです。
どの話も見えない恐怖に飲み込まれそうになりました。
そしてこのドラマの事実背景の約5パーセントがフィクション!!
って事は95パーセントが事実となります。
あんな事やこんな事が本当にあった事実とすれば・・・。
地雷は過去の戦争の遺物ではなく、現存する人や自然の動物たち
を破壊するもっともちっちゃくて簡単で安価な恐ろしい兵器です。
だからこそ色んな種類いろんな国で大量生産されまくっていたとい事実。
そして日本も例外ではなかったのです。

文学座からのご出演は佐古真弓さん。
決まっていた方が降板の為、佐古さんが急遽ご出演でした
名前の無い女でしたが、佐古さんにぴったりの役どころで
出番の度に降りかかった身の不幸を淡々と話す女の姿が
美しいだけに凄まじさを感じて、狂気の光を放っていました。

~31(日) 下北沢・ザ・スズナリ
9/14(水) 神奈川県立青少年センター
by berurinrin | 2005-08-20 23:02 | 観劇感想