文学座1月アトリエの会『リア王』その3

文学座1月アトリエの会『リア王』 in  文学座アトリエ(1/10、16)

作 ウィリアム・シェイクスピア
訳 小田島雄志
演出 鵜山仁
美術 島次郎
照明 賀澤礼子

ブリテン王リア(江守徹さん)に付き添い、歌やトンチを聞かせては王を楽しませる道化を
金内喜久夫さんが演じられました。
道化(阿呆)というだけで、名前のない存在。
これは『マクベス』に登場するマクベス夫人と同じに、
リアと道化が、マクベスとマクベス夫人らが一心同体の様相になっているから名前がないと
言われているそうです。
そんな道化の登場シーンは、インパクトありましたよね。
お衣装も皆さんがグレーや黒を基調としてるのに、道化は、華やかで可愛らしかったですね
クラフト紙の後ろから、バリバリと紙を破いて、踏み敷きながらの勇ましい登場シーン。
びっくりしたぁ~
タンバリンを持って、よっはっ♪て、とっても素敵(#^.^#)
リアを「おじさん」って、辛辣な言葉を投げかけても、その声音は、とても優しかったです。
嵐の中、リアと二人、縄で結び合って、いたわり合って、
眠るリアの足元に身体を預けて休む姿は、悲しくなる位に弱い存在に見えました。
気が付くと静かに消えている道化。
彼は、リアと離れて何処に行ってしまったのでしょうね…
金内さんが演じられると軽やかで切なくてとても印象的に伝わってきました。
そーいえば♪ヘイ・ホー風吹き、雨が降る♪のフレーズでピンときませんでしたか?
そう『十二夜』の終幕に唄われてるフレーズと一緒なのです。
当時の流行とか何かあるのですかね…シェイクスピア深し
そんな金内さんは、8月のアトリエの会『終の楽園』では、
高級老人ホームに住み、衝撃的な最後を遂げる北澤武生さんを演じらていました。

リアの家族と同時進行で進むのは、グロスター伯爵(坂口芳貞さん)には息子が二人。
嫡男・エドガー(浅野雅博さん)と愛人との間に生まれた
一つ違いの弟エドモンド(木場允視さん)。
「おいおいおいおい陰謀かぁ」←この言い回し好きです。
半信半疑のまま、それやほれやと
エドマンドに乗せられて、エドガーを反逆者として追い込んでしまします。
その後は、リア王を守るためにした行為により
反逆者とされコーンウォール公爵(鍛冶直人さん)に両目をえぐられ、領地を追われ…
かなり壮絶な人生を送ることになります。
本来なら、穏やかで善良なグロスター伯爵なら平和で穏やかな余生を送ることができたのに
そう思うと切なくなります。
目を失って、エドマンドの裏切りに絶望して
(そうとは知らずにエドガーに道案内をしてもらって)
ドーバーの岸壁(実は平地)から身を投げようとするシーン。
グロスター伯爵の魂の再生と見守るエドガーの表情が重なって、
毎回うるうるしておりました。
そんな坂口さんは、『天鼓』では、息子ヒカリさん(南拓哉さん)の
死の原因を探ろうとする父・ハクさんを演じられておられました。
息子との再会と別離のラストのシーン「生きろ!」という言葉は今でも耳に残っています。

グロスター伯爵の嫡男・エドガー、浅野雅博さんが演じられました。
なかなか衝撃的でしたね。エドマンドの策略にはまり、追ってから逃れるために
着ていた服を脱ぎ「あわれなトム」に身を隠しての逃亡。
「トムは寒いよ」と体を縮ませた時の指先の震え、
目を失った父親に寄り添いながら「あわれなトム」とエドガーが交差して変化していく過程が
泥で汚れた顔のその涙交じりの目がものをいう…まなざしが美しいと思いました。
そーいえば、泥は小麦粉だったそうですょ
老人(高瀬哲郎さん)に、ぐーで頭ゴン♪は、毎回鈍い音がしてましたが(苦笑)
そんな浅野さんは、シェイクスピア・リーディング『マクベス』と同時連続上演された
『マクベスの妻とよばれた女2014』にご出演、
マクベスから犬(笑)までこれまた身体を張っておられました。
で、で、浅野さんといえは石橋徹郎さん!そして鵜山仁さん!!
モジョミキボー』!!!
そう!また新たな挑戦が決まりましたね!
全貌が明らかになる日を首を長くして待ってましょうね。

さて、このドラマの超悪役エドマンド!
エドガーを追い出し、コーンウォール公爵がグロスター伯爵の目をえぐる原因を作って
リアの二人の娘・長女ゴネリル(郡山冬果さん)と次女リーガン(浅海彩子さん)を惑わして
とらわれたリア王とコーディーリア(岡崎加奈さん)の殺害を企てたりっと
でも悪役って色気がないとできないもんですよね。
ということで、この大役を演じきったのは、
去年、準座員に昇格した木場允視(こばまさみ)さんです。
アトリエデビューおめでとうございます
自ら「容姿端麗!」って台詞がある位だから、イケメンじゃないとちょっとね~
というエドモンド。
まぁ、悪役なのだけれど、彼の出生とか取り巻く環境とか考えたら
なかなか複雑な気もしてきます。
グロスター伯爵もいい人なのだけれど、エドマンドの母親の事をケント伯爵(外山誠二さん)に
あんな風に言うなんて、ちょっとなぁ~と思うし、海外から来たエドマンドに
また海外に行くことになるって、軽くいうグロスター伯爵に
「えっ?!」って顔する時の表情の悲しそうなこと。
きっとコンプレックスの塊だったんでしょうね。
ゴネリルとリーガンが、エドマンドを競い合って結果二人が死んでしまった時に
「自分は愛されていた」…そう愛に飢えていた人だったと思うと
何ともやりきれない気もするのです。
そんな木場さんは、シェイクスピア・リーディング『タイタス・アンドロニカス』にご出演。
タイタス(高橋克明さん)の弟マーカスとタモーラ(奥山美代子さん)の息子・カイロンを
演じ分けておられました。
相変わらず、だらだら続いておりますが、次回で完結のつもりです(^^ゞ
どうぞお付き合いよろしくお願いいたします

2015.1/6(火)~1/22(木)in 文学座アトリエ










by berurinrin | 2015-01-19 22:06 | 文学座観劇感想
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