文学座1月アトリエの会『リア王』

文学座1月アトリエの会『リア王』 in  文学座アトリエ(1/6)

作 ウィリアム・シェイクスピア
訳 小田島雄志
演出 鵜山仁
美術 島次郎
照明 賀澤礼子

ブリテン王リア(江守徹さん)は、高齢により退位を決意し
国を長女ゴネリル(郡山冬果さん)、次女・リーガン(浅海彩子さん)
末娘・コーディーリア(岡崎加奈さん)とそれぞれ分け与えるために
いかに自分を愛しているか答えさせます。
言葉巧みに愛情を語る姉二人に喜ぶリア王。
「子の務めとしての愛」と率直に答える愛娘・コーディーリアの発言に怒ったリアは
コーディリアを勘当してしまいます。
愛する娘の真実の言葉を理解できなかったリア王の転落が始まります。

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一年という長きに渡ったシェイクピア祭もとうとうラストの演目『リア王』!
絶賛公演中ですね
前売りはすでに完売していて当日のみ。
座員でもなかなか観るのは難しく、パートナーズ倶楽部でも入手できない日もあったりで
本当に大盛況!すごいすごい作品がアトリエに初日に私たちの前に現れました。

公演を前に、朝日カルチャーセンターの「現代に生きる『リア王』」
という講座がありました。
小田島雄志さん、江守徹さん、鵜山仁さんを迎えての『リア王』上演に対しての
作品の解説と稽古現場の取り組みについてのお話でした。
自らをさらけ出してリアに対峙していこうとする江守さんの姿勢に
なんとも言えない感動が沸き起こって
この初日をとても楽しみにしていました。

舞台は、真っ白!
アトリエの黒い壁が白く塗り固められていました。
白くほの暗い、時折チャリ~ンと鈴の音
おもむろに現れたのはグロスター伯爵(坂口芳貞さん)とケント伯爵(外山誠二さん)
距離を置いて控えているグロスター伯爵の私生児エドマント(木場允視さん)
横から当たる照明が、登場人物の影を長く伸ばして、
人の心の表と裏を無言で語っているようです。
陰謀のたくらみは光が苦手のようで、熱を帯びて語っても光が当たらず。
静かにふつふつとドラマが進んでいきました。

役者という仕事がこんなに残酷なものとは…と、思ったのは初めてです。
老いと向かい合うのは、生きて年を重ねて…と、仕方のないことではあるのだけれど
自身の身体をさらけ出していく姿は、できることなら見せたくないと思うのが通常だと思うのです。
気持ちが先行して、言葉が付いていかなかったり、
手足をバタバタさせて感情を爆発させる行為。
うつろに瞼が閉じるその姿。
ここには確かに、老いていくリア。
日本を代表する名俳優・江守徹さんの今の姿が重なってきます。
とはいえ、この作品は、リア王だけにスポットが当たっているわけではなくて
まわりの登場人物たちが、さまざまに行きつ迷いつ自分の信条にそって生きていく
大きなお話だと思うのです。
とはいえ、自分も静かに歩み寄ってきた老いを感じる
今だからそう思うかもしれません。

さて、終演後に初日乾杯がありまして
「真っ向勝負のリアを観たのは、初めて。生きてきてよかった」と
初日の感想を語られた翻訳家の小田島雄志さん。
乾杯のご挨拶は「初日おめでとう!」と、笑顔の江守さん
そして「ひやひやだったけど、役者、スタッフ、お客さんにありがとうございます」と鵜山さん。
そんな鵜山さんに、「小田島先生のご挨拶の言葉、沁みました」と言ったら
「いつも(真っ向勝負)そうしてるつもりなんだけどね」と笑ってました。

2015.1/6(火)~1/22(木)in 文学座アトリエ






by berurinrin | 2015-01-07 21:38 | 文学座観劇感想
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