こまつ座第105回公演『兄おとうと』

こまつ座第105回公演『兄おとうと』 in  川西町フレンドープラザ(5/11)

作   井上ひさし
演出 鵜山仁
美術 石井強司

生涯のうちで5回しか枕を並べて寝たことがない、兄の吉野作造さん(辻萬長さん)と
おとうとの吉野信次さん(大鷹明良さん)の生涯の物語。

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父が、借金の返済にと貧しい人達から田畑を奪っていく姿を見て育ち、
贖罪の念から彼ら貧しい人達の立場に立って発言する作造さん。
その姿が時に時代を反して過激だと、右翼からは命を狙われ、
社会から反発の矢面になって身の安全も脅かされる兄とその家族。
その後の父の景気が傾いた姿を見て育ち、出世して社会を動かす側に立場に
身を置いて政治の世界に生きる弟・信次さん。
この兄弟を支える妻たちは、仲の良い実の姉妹。
時は大正。お互い気遣いながらも、会えばついつい喧嘩ばかりの二人、兄おとうと。

さてさて山形公演、井上ひさしさんのホームグラウンドでもある
川西町フレンドリープラザでの初日からのスタート
てなわけで行ってまいりました
米沢★
爽やかな5月の日差しの…てか暑っ!!
前日までは風が強かったりと大変なお天気だったそうですが
まさに初日晴れっ!!
いよっ晴れ女のわたし(^^)/


前回公演から早5年。
帰ってきた『兄おとうと』です。
私はこの作品がとても好きなのです。
この作品は、その時代、その年、その時事の世上の流れをしっかり吸い込み呼吸する
わたしたちの心の動きに近く寄り添って生きている作品だと思うのです。
決して難しいことを言ってるわけじゃないのに
なんで魂が揺さぶられるんだろう
こんなに笑えるのになんで悲しくなっちゃうんだろう
悲しい状況なのに楽しくなっちゃう…
矛盾だらけの感情に吸盤のようにぴったり吸い付いてくるストーリーは
まさに今の政治に対する不安な疑問を紐解いていくようにみえるのです。
願わくば、今の政権の目指している方向が
この劇中に出てくる私たちへの答えと同じであって欲しいと
願いのように祈りのように思うのです。
過去を観て今を考える…ラストの強烈なメッセージをしっかり受け止めないと
作造さんにぐぁ~と↑どなられちゃいそうです。

5年後の『兄おとうと』のキャストはそのまま
本当に素敵な座組での再演★とても嬉しいです。
前回は、二人の兄弟を支える妻の懐の深さとか、夫婦の情愛とか、もうちょっと柔らかなイメージが
あったのですが、今回はガチンコ対決(笑)ドキドキはらはらモード
作造さんと信次さんの言葉の凄味を感じました。
二人とも合わせ鏡のように心の底ではしっかり重なっている
そしてやはり支える作造さんの妻・玉乃さん(剣幸さん)と
玉乃さんの実妹で信次さんの妻・君代さん(高橋紀恵さん)の二人の
穏やかでどっしりとした安定感があればこそ
彼らが生き生きと仕事に満身を注いでいられるという姿が
あ~素敵だなぁと思うのです。

日帰りだったので、終演後はそそくさと家路に向かいましたが
いい子にしてると素敵な奇跡が起こるという…
鵜山さんの素敵な笑顔★きゃっ( *´艸`)
次回、『兄おとうと』に再会できるのは夏!
旅を重ね、再びの出会いの時、私たちの胸にまた新たなメッセージが刻まれることだと思います。


5/11 in 川西町フレンドープラザ






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by berurinrin | 2014-05-17 23:55 | 観劇感想
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