ワンツーワークス#12『流れゆく庭ーあるいは方舟ー』

ワンツーワークス#12『流れゆく庭ーあるいは方舟ー』
                         in 赤坂REDTHEATER(3/8)

作・演出 古城十忍
美術   礒田ヒロシ
照明   磯野眞也

異常豪雨が続く某地方都市の市役所内にある市民課。
市民からの不安や問い合わせの電話に追われる職員たち。
不安は、町を流れる三之宮川の河川敷の水位がどんどん上昇傾向にあること。
そうこうするうちに住宅地に水が流れ込み、浸水被害が広がってきます。
なんとか市民の安全を思い避難指示を発令しよう山本課長(佐川和正さん)が
上に掛け合いにいこうとしますが、すでに遅し…

あの3.11が起こってから3年になろうとしています。
あの自然の脅威の中で、人の力がいかに無力であったかを
いやというほど強烈に心に頭に刻みつけたにも関わらず、
月日は残酷で、少しずつ忘れつつある…と思いきや、ふとしたことで
心の頭の深いところから、わぁ~とよみがえってくることを
この作品を観ながら思い出しました。

実はご案内を頂きつつも、日程的に難しい…と、思いでも興味があって
チラシを常に携帯しておりましたら
昨日、こまつ座の『化粧』を拝見した時にイケメンマネージャーのMさんにお目にかかって
最近、面白かった作品はありましたか?なーんてお話ししていたら
この作品の話になって、あれれっ私も気になっていたのですと(笑)
これでしょう!ってチラシをほれほれ。やっぱ観たし!!と
なんとか時間をやりくりして拝見できることになりました。
ミテヨカッタです。
Mさん!あざーす(^^)/

この作品は2008年に前身である劇団一跡二跳で初演が行われたそうです。
元は新聞記者だったという異色の古城さんが書かれたの戯曲ということだけに
災害に対する報道のとらえ方もリアルに引っかかってきます。
そう思うと普段私たちが目にする新聞やメディアの情報の作り手の側の一片を垣間見た気がします。
大きな事件や事故が起こってから私たちは学ぶことが多く
予防や予測に対しては、私たちは無防備であり、起きてしまうことより起こってしまったことに
関心を寄せてしまう。
3.11で大きな代償を払って、不測の事態に備えることの重大さを理解していたのに…
自分、なんでだろう

なかでも、山本課長は苦悩なう。
豪雨は激しさを増し、ますます水位が上がって、最悪の状態が間近に迫ってきます。
が、まさに会社の中間管理職。部下からは突き上げられ、上司からは押さえつけられる。
とはいえ山本課長をはじめ部下達の家族も危険な状態なのです。
そうこうしていくうちに市民に対して避難の指示の有無の判断は遅れていきます。

舞台は、市役所の市民課兼記者クラブと思いきや
市民課と記者クラブは、別の部屋に存在しながらも
私たちの目の前で同時進行していたのでした。
そして不釣り合いな一本の大木、開演前からチカチカと蛍光灯が点滅し、
なんとなく漠然とした不安感に包まれています。
また、この木を中心に取材陣、様子を見に行く市の職員たちが
現状を電話で報告する場面があるのですが
次の場面では、その電話の受け側である本部や記者クラブが、
まさに前の場面の電話の応対中。
舞台が二重三重にも重なった立体的で作りで本当にユニークです。
役者側から見たら台詞がもつれた糸のようで大変そうですが…
そしてラストの衝撃ったるやびっくりの展開でした。
そこんとこはぜひ劇場へ

私たちは風化しても忘れちゃいけない事がある。
改めて考える時なのかもしれません。

文学座からは佐川和正さんがご出演です。
最近の佐川和正さんの演じられる役柄の幅がぐーんと広がってきたように思えます。
以前は本人はうそだぁ~♪と照れていらしてましたが、その端正な姿から王子様的な
品のよさそうな少年や青年キャラなイメージでしたが
今やなんでもおっけー的な幅広さと包容力を感じさせる素敵な俳優さんに成長されたと思います。
次回はどんな役柄を魅せてくれるんだろう(*^^*)
そんな好奇心を満たせてくれる佐川さんなのです。

3/6(木)~12(水) in 赤坂RED/THEATER








by berurinrin | 2014-03-10 22:49 | 観劇感想
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