劇団Tokyo Festival! vol.14『幸福な職場』

劇団Tokyo Festival vol.14『幸福な職場』 in 下北沢駅前劇場(2/7)

作・演出 きたむらけんじ

昭和34年。小さな町工場、蒲田理工学工業では
おもに黒板で使うチョークを作っています。
常務(岡田達也さん)を訪ねて、卒業を目前に控えた生徒の就職口を確保する為、
一人の女性教師・ササキ先生(土屋史子さん)が再三にわたって訪問してきます。
人手不足と言いながらも申し出を受けられないのは、その卒業生たちが、知的障害者だったからです。
ところがササキ先生の熱意に負け、
2週間限定の社会体験という名目で一人の女性の受入れを承諾することに…

川崎市にある実在の会社。
黒板に使うチョークではㇳップメーカー・日本理化学工業をモデルにした作品だそうです
現在も全社員のうち7割が知的障害者という、障害者雇用を積極的に進めている企業として
知られているそうです(公演チラシより)
それにしても知的障害者の第一号が、この昭和34年なんて…つい最近のお話なのですね。
それだけ知的障害者に対する偏見や差別が大きかったのでしょう。
ということは、知的障害者を雇用する事のリスクも高かった事だと思います。
今では、知的障害者の未知への能力の高さとかだいぶ知られ始めていると思いますが
自分が果たして職場の仲間として一緒に働けるのか?きれいごとでなく考えてしまいます。
けれど、蒲田理工学工業の壁に「誠実」「丁寧」「感謝の心」と掲げられた額が飾ってありました。
きっと彼らの根本にこの言葉が根付いていたのかもしれません。

はたして彼らの前に現れた二週間限定としてやってきた実習生・さとみちゃん(桑江咲菜さん)。
始めは、従業員たちの言葉に慣れず失敗を重ねながらも、食事の時間さえいとわず
ひたむきに単純作業にうちこむ姿に周りの従業員の姿勢が変わってきます。
そして二週間の実習の後、会社が出した結論は、さとみちゃんを正社員として迎えるということでした。
少し見方を変える、視線を変えることにより
人と付き合う意味を考えさせられた作品でした。

この会社によく出入りするお寺の住職(朝倉伸二さん)の言葉に
人は、褒められる、頼られる、信頼される、任されることに喜びを感じるというような台詞があって
その中でも「褒められる」以外の言葉は、仕事に結びついている
だから仕事をするということは、人間にとって喜びを与えられる…な、ことをおっしゃっていて
あ~いい言葉だなぁ~と感銘を受けました。

劇団Tokyo Festival!は前作『泡』に続いて二回目。
横浜演劇鑑賞協会の事務局に朝倉さんときたむらさんがPRにいらして下さったのを機会に
拝見させていただきました。
『泡』は、震災後の福島の風俗店を舞台にしたお話でしたが、イマイチ心に響かなかったのですが
なんかこの劇団の方向性というか、現代社会の問題提起の仕方というか、導入の仕方が
上手いなぁ~と、今後も気になる劇団です。

2/5(水)~12(水)まで in 下北沢駅前劇場



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by berurinrin | 2014-02-17 01:33 | 観劇感想