『箱根強羅ホテル』

シリーズ「笑い」③『箱根強羅ホテル』 in 新国立劇場 中劇場

戦争末期、「一億総玉砕」と叫ばれ続ける恐ろしい時期に
ソ連大使館の疎開先として指定された『箱根強羅ホテル』で
繰り広げられる物語です。

ソ連大使官達に気持ち良く過ごして貰うために、
ホテルの管理人のおばちゃん(梅沢昌代さん)と外務省の役人(辻萬長さん)を中心に
植木係(内野聖陽さん)、アイロン係(酒向芳さん、大鷹明良さん)、靴係(段田安則さん
藤木孝さん)、洗濯係(中村美貴、吉田舞、平澤由実)、そして彼らとロシア人達に
コミニュケーションが取れるように、ロシア人学校の教師(麻実れいさん)が教育担当として
「箱根強羅ホテル」に集ってきます。
しかーし、時代が時代。
戦争推進派と和平派との対立が水面下で行われていて
この「箱根強羅ホテル」にもスパイが送り込まれているのです。

前回、台本の事で文句をたーらたらと書いてしまいましたが
やっぱり残念で仕方がないのです。
と、いうのも日本でも指折りの芸達者な俳優達を揃えているにも係らず
そして、本当に素晴らしい作品だけに
即興に近い形で初日を迎え、がっかりされた観客達に
今の状態の姿を初日から観る事ができたら、どんなに素晴らしかったかと
思うと、本当に残念でなりません。
どんなに素晴らしい役者達でも、自分の役をそして台詞を「こなす」時間が
いかに大切かという事を、改めて再認識させられました。

それにしても、麻実れいさんの声はいつ聞いても母性のように
周りを深く包み込む優しさに溢れていて、この芝居のアクセントになっていますね。
その反対におばちゃんこと、梅沢昌代さんのポンポン調子の口調が好対照で素敵ですね。
角刈り内野聖陽さんと愉快なスパイな仲間達も、とても楽しげで
真面目にやればやるほど可笑しい空気が漂ってきて、笑いがこみ上げます。
ドタバタの楽しい雰囲気も、場面転換時の音楽の激しさに当時の時代の現実を
思い出させる効果音としての役割をはたしていました。

文句をやっぱり書いちゃいましたが、わたしは、やっぱり井上さんの作品好きです。
でも次回の新作は、もうちょっと早く書いて下さいね★

~6/8(水)まで 新国立劇場<中劇場>
by berurinrin | 2005-06-04 23:14 | 観劇感想
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