文化庁・公益社団法人日本劇団協議会主催 『ウェルズロード12番地』

文化庁・公益社団法人日本劇団協議会 主催
『ウェルズロード12番地』 in 青年座劇場(1/25)

作・演出 土田英生

舞台はイギリス・ウェルズロード地区にある日本料理店「有栖川」。
ここ最近の日英間の関係は悪化傾向にあり、日本人に対する嫌がらせ事件が
頻繁に起こっているようです。
そんな状況で、この「有栖川」に集うお客さん達はおのずと日本人ばかり・・・
現地の人にも親しんでもらおうと新しいメニューの件で
女将さん・真理さん(椿真由美さん)と板前の佐竹さん(木津誠之さん)が、もめている中で
近くのパブで絡まれた日本人・三崎さん(坂口修一さん)が
逃げ込んできたのでした

寒中お見舞い申し上げます。
今年初のお芝居でございます。
文化庁の海外研修制度で留学経験のある芸術家の皆様の
研修の成果の発表を中心とした公演だそうです。

日本からこの異国の地に仕事でやってきた人たち。
夢や希望を抱きながらやってきて明日に向かって頑張っている人
残念ながら夢半ばで挫折を味わってしまった人・・
どんな状況で、この地に留まっていても
きっと、がむしゃらな日々の中での苦い経験は日本にいる以上に
体験してしまうんだろうなぁ~と思い巡らすことは、たやすいと思います。
異国の地で、日本食を食べ、日本のビールを飲んで日本語で話す・・
集ってきた気の置けない小さな日本・・そんなサークルの世界で、
彼らはそれぞれ人に言えないものを抱えながら、察しながらっと
一見、ぶっちゃけて気を許せるだろうと思われる同国人たち・・のハズが
どーにもこうにも小さなバレバレの見栄を競って、互いに爪先立ちで接してしまう
その微妙な緊張感が、滑稽でおかしくて思いっきり笑っちゃうんだけど
そんな風に自分を守らざるおえない彼らの姿から、
そこはかとない切なさと異国に暮らすモヤモヤな悲しみが伝わってくる気がしました。

留学生活・・甘くないんだなぁ~
生活自体が、仮の棲家というのも心得ていて、そこんところの自由さも持ち合わせて
一部の人は、え~いとあいまいにしちゃう・・人は流されやすいものだから
しっかりと自分を持っていないと怖いなぁ~
なんかホントすごくおかしくって・・でも、色々考えさせられる秀作だと思います。
舞台は実際に土田さんが留学していた頃に出会った
実在した日本食レストランがモデルだそうです。
へーへーですよね
この舞台のセットがユニークで
私達は、カウンターの内側から店内を覗くような作りになっていて
ちょっと店員さん気分で店内の様子に気を配れるような雰囲気になりました。

さて、文学座からは、ダンサー(笑)タップダンサーで学校に通いつつオーデョンを受けまくりの
留学生・小竹正芳さんを演じられた椎原克知さん。
ちょっと謎めいた人物でしたね
体にフィットしたシャツの下にしなやかな筋肉質の体型が見事!
土田さんのアテガキとのことですが、いやぁ~
なんとなくのダンサーのような立ち姿がめっちゃ綺麗!
その謎が暴かれた時の落ち込み方とほっとした姿・・ねぇって感じです。
椎原さんはアメリカNYに留学されていました。
実はちゃんとお話ししたのは初めてで、木津さんにご紹介して頂きました。
「もう、あるあるよぉ~」と、この登場人物たちに状況や会話についつい
納得してしまうそうです。

京都で5年修行して、この「有栖川」の板前さんをしてるのは、佐竹大輔さん。
演じられたのは、木津誠之さん。
料理人の衣装がこんなに似合うなんて(*^_^*)
日本料理に対するプライドは人一倍・・何かにつけて「京都で5年修行した」がうたい文句。
でも5年って・・(笑)
なんかバックボーンとしては、京都で修業してはいたけど
どうやら日本料理じゃないとか(笑)
海外に行ってより日本人になった人なのかもしれませんねぇ~
それにしても「おちょこ豆腐」食べてみたいかもぉ~
ちと作る勇気はありませんが(笑)
でも、この方も、オーナーのイギリス人に翻弄されちゃう・・なんか切ないです。

おっ、会場で上村聡史氏はけーん(笑)
来年は新国立劇場で初演出されるんですよぉ~なんかいいメンバーが揃ったぞぉ~と
わくわくでイケイケな感じでおっしゃってました。
前回、文学座研修科発表会『セチュアンの善人』を演出されたのですが
これが斬新で面白かったのです。
上村氏もイギリス留学経験者。
去年の文化庁の主催で『ポルノグラフィ』を演出されました。
いまもすでに脂が乗ってきてる上村氏ですが、今後も本当に楽しみな演出家です。
どうぞご期待しちゃって下さい~!

この日は初日★
劇場隣のお稽古場での初日乾杯に誘って頂きました。
もちろん、ビーバーのような笑顔満載のお茶目な製作のSさんや
いつも笑顔で温かいまなざしを持ったプロデューサMさんにもご挨拶できてよかった。
で、毎回思うのですが、Mさんがこの作品に関わったスタッフ、
出演者すべての名前を読み上げられて、その労をねぎらって
明日からの公演に向けてのエールを語るのですが、これが素敵なのです。
あ~この方が、あ~この方も・・と、お顔と名前を確認させて頂いて
皆さん、すごいなぁ~すごいなぁ~と、感動しきりなのです。

その中でも作・演出をされた土田さん。
「なんとか10日前に台本が完成して・・」
会場「え~!?」
「そんな、え~ってみんな(笑)」と土田さん。面白い方なんですねぇ~

色んな場所からこの青年座劇場に集った俳優たちと
色んな職種、出身地からこのウェルズロードにある『有栖川』に集った日本人たち
その異文化の交流の妙技がこの舞台から匂い立つ面白さ
ぜひ劇場で感じて下さいね。きっとプチ留学気分に浸れるかもしれませんよぉ~

1/25(金)~2/3(日)まで in 青年座劇場

さて、来週初日!!待ちに待った『モジョミキボー』あの二人が帰ってきます!
詳しくは→リンクしてるモジョミキボーのブログ
by berurinrin | 2013-01-27 13:06 | 観劇感想
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