オフィス300『月にぬれた手』

オフィス300『月にぬれた手』in 座・高円寺(5/19、28)

作  渡辺えり
演出 鵜山仁

戦火を逃れるため、東京から岩手県花巻市の郊外に疎開してきた
詩人であり彫刻家の高村光太郎さん(金内喜久夫さん)。
魂を込めながら亡き夫人・智恵子さんの彫刻を作成しています。
農業に接したり、地元の小学校にクリスマスのプレゼントを贈ったりと
地域の人たちとの交流を深める日々。
そんな日々の中、今日も高村さんの元には、さまざまなお客様がいらっしゃいます。

愛する智恵子さんを亡くし
戦争で作品も家も思い出の品も焼失してしまった高村光太郎さん。
そんな光太郎さんの元にやってくる人たちとの交流の中で
今は亡き智恵子さんの姿が、光太郎さんの中ではぐくまれ、
現在と過去と空想が絡み合って翻弄しつつ光太郎さんの精神世界に
私たちがすっぽり包まれていきます。
光太郎さんの包容力の力なんでしょうか?!?
なんて居心地がいいもんなんでしょうかねぇ~(*^_^*)
心の拠り所って、ひとそれぞれだし
心に抱えている問題もまたしかり・・
けれど光太郎さんの心の闇には、彼の言葉によって戦地に追い立てられるように
消えて行った若い人たち。そして見送ることを強いられた残された母たちの哀しみ
光太郎さん優しい口調ながらの
胸の中には、たくさんの人たちの哀しみがいっぱい詰まってる・・だから哀しくなくちゃいけない
諭すように語る光太郎さんの言葉一つ一つが愛おしく感じました。

カーテンコールで渡辺えりさんがおっしゃっていたように
この作品は、2010年3月に東京芸術劇場で舞台芸術学院60周年記念として
上演されていましたが
震災の影響で、初日が遅れ、約半分の公演となってしまいました。
舞台は、岩手県花巻市
そして智恵子さんは、福島生まれだったそうです。
今回は、作者である渡辺えりさんが加わっての再演。
光太郎さん扮する金内さんがタジタジしちゃう(笑)そんな感じもなくのないのですが
えりさんの怪演振りに笑いのメリハリがついてまた楽しくなりました。

そんな文学座からは、高村光太郎を演じられた金内喜久夫さん。
金内さんの独自の雰囲気が、光太郎さんの温かい言葉と相まって魅力的な人物でしたね
丁度、会場ロビーに高村光太郎さんのお写真が飾ってありましたが
金内さんとよく似ておられてびっくりしました。

子供(笑)からおばあさんまで、幅広く演じきられたのは神保共子さん。
生真面目な少年はじめちゃんになっちゃう所がすごいですよね。
光太郎さんとはじめちゃんの二人の会話のシーンが、年齢を越して
爽やかな友情を醸し出していて、とても好きでした。
劇中のコケティシュなしぐさもめっちゃ可愛い神保さんです

今回、パンフレットがすごい!購入されましたか?!
なんと主要キャストの直筆サイン付!
一部が東日本大震災の寄付に当てられるそうです。

そおいえば以前「がんばろう福島」に疲労を感じ始めたということで
「ふくしまからはじめよう」とキャッチフレーズを変えたと新聞に書いてありました。
まだまだ過去の出来事にするには早すぎますね。

ということで、田代島のにゃんこ共和国の国民ですわ(笑)
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こんな感じでいいと思うんですよ。身近なところからえいやっと
自分とリンクするところで、何かお手伝いできれば・・どんな小さなことでも
だって無理して背伸びしたら息切れしちゃうから、続ける事が大事ですね。
わたしの場合は、被災したペットたち。
もしかしたら明日のわたしと愛猫ベルそしてリンリン&茶リン君かもしれない・・
なのでネットや本屋さんに行くとついつい買っちゃうのです。(←これもちょっとした後方支援)
そして夜な夜な泣きながら一気に読みふける・・
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妹に言わせると、「そんな辛い本ばっか買ってどうするの?」う~ん
ほんとうに辛いんです。でも学ばなければいけないことは沢山あるし、まずは真実を知ることが大切です。
何かあった時に後悔しないためにも
結果、どの本にも書いてあるのは、絶対手放してはいけない。
「だめだ」と言われても「わがまま勝手だ」と言われても、手放さない勇気と覚悟を学びました。
手放した次はないのです。
とはいえ今だから言えること。今の状況を飼い主の責任にはできません。
不幸にも飼い主の手から離れてしまった彼ら
彼らは生きている。
もし自分達が、同じ境遇に置かれた場合を考えると・・
ちょっと無理しながらでも、長く続ける後方支援をしていかなくっちゃね。
改めて、わたしもコツコツします!

ってなんの話かっていうと、この作品は2作品同時上演で
もう一作品が、宮崎賢治さんを題材にした『天使猫』
まさに猫好きにとって、彼らは癒しの天使ですねっ

5/7(木)~28(月) in 座・高円寺
by berurinrin | 2012-07-07 23:11 | 観劇感想
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