桐朋学園芸術短期大学芸術科・ステージクリエイト専攻7期卒業制作朗読劇『幻影図書館』

桐朋学園芸術短期大学芸術科・ステージクリエイト専攻7期卒業制作
朗読劇『幻影図書館』 in 調布市せんがわ劇場(2/11)

企画指導 勝山康晴(客員教授、コンドルズプロデューサー)
企画  桐朋学園芸術短期大学芸術科・ステージクリエイト専攻7期


『鞄』原作:安部公房(新潮文庫「笑う月」所収)
求人広告を出していた店の主人(川辺邦弘さん)のやってきたのは、大きなカバンを抱えた一人の青年(太刀川亞希さん)。
どうやら鞄に導かれて、ここにたどり着いたという。
納得いかない主人は、カバンを預かることにします。
カバンを持った途端、主人はカバンに導かれるように歩く方向を定められていきます。 

 
『月の光』原作:星進一(新潮文庫「ボッコちゃん」所収)
  五十歳近い品の良い男性が、秘密の部屋で人知れず飼うペット。それは十五歳の混血の少女。
赤ん坊の時から大事に育て上げたこのペットには言葉は分からない。
  ある朝、いつものように出勤した男性が交通事故に遭い入院してしまいます。
男性の召使がペットに食事を与えようとしても少女は、食事を取りません。
男性が入院先で息を引き取ったとき、同じようにペットも息絶えたのでした。(太刀川亞希さん)

『瓶の中の鳥』原作:寺山修二+宇野亜喜良(アートン「瓶の中の鳥」)
  ある日、突然人が鳥になるという現象が起こりました。
  世間は大パニック!
  恋人同士、夫婦、親子、先生と生徒・・が、鳥と人間とに切り離される悲劇が起こります。
  現象はどんどんエスカレートしていきます(亀田佳明さん)

いわゆる卒公なのですが、俳優以外のすべてが卒業制作なんだそうです。
なので、企画、構成から舞台セットや美術、照明、音響、演出・・いやぁユニークですね。
そしてびっくりのレベルの高さ。
幻影図書館というだけに、ゆがんだ本棚が並ぶ、摩訶不思議で幻想的なセット。
この本棚がすごい。どうやって作ったんだろう?!ぐにゃってして中には、本物の本が入ってるし
作るの大変だっただろうなぁ~
で、小道具のセットもすごい
朗読の中に登場するものがすべて揃えたのかしら??と思うほど、
溢れるように小物たちがセンス良く飾られています。
時に遊び心を加えられた3つの不思議な作品を、朗読の基本的なスタイルを崩すことなく
シンプルに演出されているのも
とても好感が持てるし、私たち観客の想像力にゆだねてくれる謙虚さも伝わってきて
卒業制作という枠を超えた一つの芸術作品を魅せて頂きました。

改めて唯一卒業制作ではないのは、3人の俳優たち。
文学座から太刀川亞希さん、川辺邦弘さん、亀田佳明さん。
当初unksにオファーがあったそうです。そこんとこ自体、お目が高い生徒さん達♪
まぁ~でもunksのメンバーは超人気俳優陣なので全員揃うにはスケジュールが合わず
最終的に彼ら三人になったそうですが、この方々も人気共に実力派!
卒公のゲストとしては超豪華じゃないですかぁ~!

気軽に語りかけるような親しみやすさのリーディング
自然体に語るのは太刀川さん。
そして温かく包み込むように亀さまの声・・
小さなホールが一つの宇宙のような広がりを持った気がします。
一時間ちょっとの短い時間でしたが、とても貴重な時間を共有できて幸せでした。
ただ、ラストの紙飛行機がわんさかと袖から俳優たちの居る舞台に向かって飛んできて
怪我でもしたらどうしよう!?と、あわあわしちゃいました。
現に当たっていたし(><)
飛行機の先端をちゃんと折って、くれぐれも上から下にお願いしますm(_ _)m

終演後はなんとミニアフタートーク付!
司会はもちろん生徒さんで美術を担当された女性の方でした。
ラストのわんさか飛んできた紙飛行機の中に、質問やアンケートが書き込まれていて
それを出演者の3人が、広げながらの読み上げるという面白い志向でした。
亀様がフォローして、川辺さんがボケ(笑)で、やっぱり自然体の太刀川さん(笑)
彼らもこの見事なセットに感動したようで
川辺さん「びっくりした」
亀さま「完成度が高い」と、べた褒め状態。
タイトル『幻影図書館』通りに、普通じゃない図書館をイメージされたそうです。
ついでに、希望があれば差し上げます(笑)とプレゼント企画?!も

『月の光』で、もし自分だったら登場人物の誰になりたいか?という質問。
亀さま
「書かれ方が耽美で綺麗。現実はかなりエグイ。15歳の少女をおじさんが監禁しちゃう。文体は見事」
太刀川さん「少女は絶対いや」
川辺さん「少年でもいいよ(笑)」
すると太刀川さん「私が主人で、少年?!」
川辺さん「おかしいよ。絶対関わりたくない」
亀さま「やだ。何にも関わりたくない」
川辺さん「俺も全く同じで、主人やりたい(爆笑)」

『瓶の中の鳥』の中で、むぎとさきという恋人同士がいて、突然相手が鳥になってしまいます。
悲観した相手の目の前に、2度だけ願いを叶えてくれるという伝説の神様「二度神さま」が現れます。
ところが、それぞれが人間と鳥と姿を変えて欲しいと願った事から、再び鳥になった相手は人間に
人間は鳥にと姿を変え、2度願いを兼ねた「二度神さま」は姿を消してしまうという悲劇が起こってしまう
エピソードがありました。
そのエピソードが、「はかなくて印象に残ってる」とおっしゃった川辺さん。
太刀川さんも「すごく好き。みんなで合唱して先生が鳥になるのも好き」
劇中、みんなで合唱してる最中に先生が、鳥になってしまうエピソードがありまして
このステージクリエイト科の学生さん達が、登場して歌をご披露して下さいました。
「舞台に立ってやる人たちではなく、舞台を支えてくれる人たちなので恥ずかしかったんでは・・」と
太刀川さん。
「今、二度神さま会って叶えて欲しい事は?」
太刀川さん「人以外の色んなモノと話せるように」
川辺さん「(太刀川さんに)普段からやってない?!(笑)」
亀さま「叶えられる願いを増やしてもらいっていうのはダメ?」そりゃ駄目でしょう(笑)
川辺さん「ドランゴ○ボールみたい(笑)」


『鞄』・・どんな鞄が欲しいですか?

亀さま「永遠にものを入れられるカバン。取り出せない?!(笑)いや、自分の意思があれば大丈夫」
太刀川さん「どこどこに行くとしたら、用意ができてるカバン」
川辺さん「(太刀川さんに)何を言ってるんですか(笑)」
「そもそも『鞄』って面白くって、どういうチョイス?」と聞かれる川辺さんに対し
みんなで出し合って多数決で決められたそうです。

最後に3人の感想
太刀川さんから、4.5回位で一つ一つ話の展開に迷いながら稽古をされたそうで
探り合いながらできて楽しかった。と、おっしゃいました。
そんな太刀川さんも桐朋学園卒だそうで、
「普段見えないところが卒公なので、面白い経験でした。」
亀さま「限られた稽古の中で、どれだけ遊びを探れたのが楽しかった」
川辺さん「やっぱり学生と作るので、最初一回打ち解けたら、わーと(笑)
(学生たちの)意思がいっぱいあったので、しっかりした卒業制作になった」

と、約20分位のアフタートークでした。
終演後は、先日の長野ツアーに同行して下さった文学座ファンの方、
京都のおーらかねーさんことYさんと
再びの再会★わーいわーい状態でした。
それにしても、初めての劇場で相変わらず、うろうろ迷う私と
初めてにもかかわらずに、さくっと登場されたYさん★情けないなぁ~(苦笑)

ふと、ロビーに登場された亀さま、なんかチョコをいっぱい持ってる(笑)
そうそう・・もうバレンタイ近し
「いよぉ!このぉ~モテ男!」と言ったら、「ほれほれっ」とばかりに手を出しての催促(笑)
もう亀さまったらぁ~♪お茶目なんだから(笑)
亀さまのキラキラのおメメには、到底勝てませんから~
持っていたペットボトルのジュースをプレゼントさせて頂きました。
(亀さまファンの皆様ご安心を、もちろん未開封ですからっ!!)

そんな亀さまから、実は初めましての川辺さんをご紹介して下さいました。
なかなかお話する機会がなくて、でも川辺さんの演技はいつもきゅっと印象に残ります。
あの・・きっとした眼差しは、ちょっと怖いイメージがあったのですが
普段の川辺さん、親しみやすくて別人(笑)素敵な方でした。
舞台では、いつも大きく見える川辺さんですが、近くにいらっしゃると意外ときゃしゃな方で
俳優さんって、ほんとすごいなぁ~と感動してしまいました。
川辺さんは、次回アトリエの会『NASZA KLASA(ナシャ・クラサ)私たちは共に学んだ』に
亀さま共にご出演ですが
その次は、『ヘンリー六世・三部作』に続いて・・うふふっ♪鵜山仁さん演出の
新国立劇場『リチャード三世』ご出演です。
切れ味するどい暗殺者!見事に演じられるかと思うと、今からわくわくなので~す
ぐれぐれのお怪我(笑)のないように頑張って下さいねっ

2/11(土)、12(日) in 調布市せんがわ劇場
by berurinrin | 2012-02-26 16:11 | 観劇感想
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