巣林舎第11回公演『品川出世恋の景清』

巣林舎第11回公演『品川出世恋の景清』 in 北品川スペース楽間(2/3)

原作   近松門左衛門
台本演出 鈴木正光

平家滅亡後、命からがら落ちのびた悪七兵衛景清(細貝光司さん)は、
小野姫(鈴木理佐さん)を妻にしますが、宿敵・源氏に一矢報おうとその時期を狙っていました。
そして五年後、頼朝(佐藤大紀さん)が奈良の大仏再興工事の際に上洛することを
知った景清は、京に向かい愛人の阿古屋(滝沢花野さん)と子供達の住む場所に一旦は身を隠すことにします。
その事を知った阿古屋の兄・十蔵(飯塚弘喜さん)は、覚市(岡本正巳さん)の妻・おこま(小林咲子さん)を得る為
“褒賞金”目当てに景清を訴人するように阿古屋に申し出ますが断られます。
が、そこに景清の妻と名乗る小野姫が北品川から訪ねてきます。
正妻前とした小野姫に嫉妬した阿古屋は、兄に景清の居場所を伝えてしまいます。

第4回公演で『出世景清』についでの2回目の景清です。
当時の感想はコチラ(笑)熱田から舞台は北品川へ。
上演時間もだいぶ短縮されています。
この日は、北品川神社で節分があり出演者の皆さんがお参りに行かれたそうで
開演前にその戦利品(笑)を会場にプレゼントして下さいました。
お菓子に弱い私♪金平糖やらうまか棒やらありがとうございます。
また飴屋に扮した飯塚さんが、飴を配って下さったり・・なんかお祭り気分ですねぇ~
おかげで会場が、なんとなくざっくばらんな気軽な雰囲気でいい感じです。

始まる前に、演出の鈴木正光さんから簡単な解説をして下さいました。
この『出世景清』は、もともとは浄瑠璃としての作品だったそうです。

うっやっぱり、どうしても劇中の北品川という地名がなじまない(苦笑)
まっそれは置いておいて(苦笑)
今回は、圧倒的に景清を中心に、話をコンパクトにまとめていただけにわかりやすかったと思います。
壇ノ浦の合戦に間に合わず、幼い主君を守り切れず、主君の首を大事に復讐の機会を狙うことを
生きがいにしての景清。
でもそこんとこは生身の男性で、京に戻ったついでに、ついつい昔の恋人と子供に会いに行っちゃうから
女同士の嫉妬が炸裂、悲しい悲劇が生まれます。
子供が出来ない正妻と、子供がいても正妻になれない二人の女性の哀しさ・・・

景清演じられたのは、文学座の超二枚目スター細貝光司さん
細貝さんは、持ち前の色気と真面目さで美しい悲劇のヒーロー景清を誕生させられました。
まぁ細貝景清じゃ、二人の女性が嫉妬に身を身をやつしてしまうのもショウガナイ。
正妻・小野姫を守る為に捕まり、その牢獄で自分を裏切った愛人・阿古屋さんには容赦なく罵倒する景清。
絶望の果てに二人の子供と共に自害する阿古屋。
失ったものの大きさに衝撃を受ける景清の叫び声は、だれもの胸を打ったはずです。
観音菩薩の庇護を受けて無事に無罪放免となり、頼朝の前で朗々と語るのは、源平合戦の一コマ
これまた素敵!
恩赦により許された身とはいえ、宿敵・頼朝を見ちゃうとつい殺したくなっちゃうから、
見れないように自分の目を潰しちゃいますからっ!!ぐさっ(><)
自ら傷つける景清・・
こんだけ喜怒哀楽、激しい人生を演じられるのって観ていても楽しいです。
それに動きがしなやかで、人目に付かないように、つけていた頭巾を取るしぐさの美しい指先・・
ちょっと今回は、細貝さんヤバすぎです(笑)
一瞬くらっとしつつも・・私は一途なオンナなのですf(^_^;)

そして目が見えない覚市さんを演じられたのは、岡本正巳さん。
なんか秘め事を隠して人のよさそうな人物を演じられるのは、岡本さんならでは(笑)
目にハンデのある方々は、その中でもピラミッド式の出世街道があって
最高位は、検校という位(こまつ座で有名な『藪原検校』の検校ですねっ)
お金が物をいう世の中、位を買うために、ひたすらこつことお金を貯めていますが
妻の死によって目が見えてしまう・・
視力を失う景清との対比もなんか不思議な縁です。

と・・とっても満足したのですが
でもやっぱどんなに俳優が懸命に演じても、舞台機構に難があるのが切実な問題で
例えばクライマックスシーンの効果音
客席すぐ近くで、高音の鈴の音や金属音がしゃしゃらかんかんと響くと違和感で気になるし
舞台がなぁ・・その狭さ・・・俳優が体を斜めにして袖に入っていくのが気の毒で・・
衣装のセンスも・・
と、いい芝居だっただけに、言いたいことも多々ありまして・・
芝居を上演し続ける難しさをひしひしと感じてしまうのでした。

終演後、座長の細貝さん(笑)と劇中、我が子・自身だけでなく携帯をも水没させたという
罪深い女(笑)花野ちゃんとしばし雑談。
いやぁ~細貝さんって、普段は華奢なイメージがあるんですが、
舞台姿は大きくて貫禄たっぷり魅力的すぎます(笑)ご自身からも色んなアイデアを提案されて
総体的に舞台をみられつつ、主役として引っ張る細貝さんの力はすごいなぁと思います。
花野ちゃんも細貝景清に全身全霊で必死に食らいついている姿は、とても感動的でした。
また新たな人生をスタートさせるそうで・・花ちゃん頑張れ!!

1/26(木)~2/5(日) in 北品川スペース楽間
by berurinrin | 2012-02-04 23:21 | 観劇感想
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