文学座12月アトリエの会『 MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]』その3

文学座12月アトリエの会『 MEMORIESテネシー・ウイリアムズ[1幕劇一挙上演]
                                                       in 文学座アトリエ(12/3)

『話してくれ、雨のように…』

作  テネシー・ウィリアムズ
訳  鳴海四郎
演出 靏田俊哉


雨が降り続くニューヨーク・マンハッタン地区。
泥酔し、昨夜の事は殆ど覚えていない男(細貝光司さん)が目を覚まします。
窓辺には、静かに外を眺めている女(松岡依都美さん)。

話終わった男は、今度は女に話すように誘います。
横になったまま聞いているから・・・
すると女は、「ここから出たい」と、ある夢を語り始めます。

『財産没収』から打って変ってここはアパートの一室。
脱ぎっぱなしで散乱している服。そして下着姿で倒れこんだように眠っている男性。
微動だにせずに窓辺に佇む女性。
もうそれだけでこの男女の温度の違いが察せられます。

そういえば昔読んだ漫画だっけか本だったけかなぁ忘れちゃったけど・・
妻を放って置いて家を出て、何年も何年も好き勝手な振る舞いをした夫。
妻はひたすら夫の帰りを待って、家を守って、義理母を守って、近所の人々からの中傷にも耐えて、耐えて・・
そして待ち焦がれた夫が、やっと戻ってきた姿を見て妻は自害。
待って耐えて恨んで、夫の目の前で死ぬことが妻にとっての復讐だったという話。
そんなお話がふと頭をよぎってしまいました。

タイトルでもあり、男性が、女性に「話してくれ、雨のように…」そう何度か話します。
どういう意味なんだろう・・って
外は雨で、それも雨音が聞こえる程の雨で、
けれども二人のいるこの部屋は、とても乾いていて、言葉も重さをなしてない・・
それはお互いすでにわかっていて、
でも何とかしたい、何とかならないのはわかっていて
でもお互いしかいない・・・そんな関係の中、きっと男は、雨のように乾ききった互いの心の中に
沁み入る言葉を期待したのかもしれません。

現実に疲れながら語る夢の話も、夢の話を語れば語るだけ
口にしたとたんに、ぽろぽろこぼれて消えていく・・・そんな儚げな彼らを取り巻く空虚な世界感・・
モノクロの映画のような情景を魅せて下さいました。

約20分程のこの芝居。
戯曲を読むと、ぎっちぎち(苦笑)にト書きあり、それもまぁ難しい表現!
ト書きと台詞に挟まれてひっつきもっつきで、格闘されたお二人。いやぁすごい!
いずちゃんが「もういっぱいいっぱい」って、う~ん納得・・でも、そこんところはいずちゃん
まだ余裕そうでしたがプププッ(笑)
そんな女を演じられたのは松岡依都美さん。
美しきものの伝説』では颯爽とした美しいモナリザこと
平塚らいてう嬢を演じられていました。
そんな美しいいずちゃんですが
東京セレソンデラックス『わらいのまち』では、言葉に出来ない程の
びっくり仰天の女優魂を見せつけられました~

下着姿もちょいエロで、二日酔い状態で目が開けられね~!!ビジュアル的に美しすぎたヤバイぞぉ
そんな男は細貝光司さん。
細貝さんファンの方には、たまらないですね。
もう見ていて悲しいくらいにダメダメさを演じて下さいました。
途中、窓を開けて外の雨に打たれるシーン。いやぁ~綺麗でした。
下手側の席だったので、窓を開けたらザーザー雨が降っていて
その中にがーっと頭を突っ込んで、うわぁ~!!と思いました。
上手側だったら窓の外の雨が見えなかったかもしれませんね(><)
なので、窓から顔を引っ込めた細貝さんの頭がびちょびちょでびっくりされた事だと思います。
でも一瞬息が止まるシーンでしたが、これは細貝さんのアイデアだったそうですョ
「雨に濡らしてくれ~!」って
そんな細貝さんは『思い出のブライトンビーチ』では、ちょっぴりずっこけた愛すべき兄スタンリーを
軽やかにコミカルに演じられていました。

ミシシッピィを舞台にした『財産没収』から電車に乗ってニューヨーク、ブルックリン地区『話してくれ、雨のように・・・』そして
次の地へ・・追憶と思い出をテーマにした四部作の旅はまだまだ続きます

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by berurinrin | 2011-12-08 23:33 | 文学座観劇感想