2011年 08月 15日
文学座付属演劇研究所研修科発表会『友達』
in 文学座アトリエ(8/14)
作 安部公房
演出 西川信廣
音楽 上田享
協力 文学座演出部
ある男の部屋に突如入り込んだ8人家族。
彼らは、孤独で寂しいであろう男を助けようと、
笑顔で善意と隣人愛を語りながら勝手に男の部屋に居座り
共同生活を始めてしまいます。
男に寄生するかのように我が物の顔で勝手に振る舞い・・
それは彼の婚約者やその兄までも取り込んでしまいます。
ある日突然、8人もの家族に居座られちゃったら・・・
それも「あなたの為に・・」なんて言わちゃったら・・
ひゃ~ぞくぞくするお話ですよね。
まぁ、他人事だから笑えちゃうんですけどぉ~
ああ言えば、こう言う・・押し問答の繰り返し
でも、やっぱりムカムカと不気味な気持ち悪さが残るんですよ。
でもやっぱ面白いんだけど・・
一般的に今の若者というと、マッチョな体系じゃないけれども
キレたら何をするか?!想像できない闇の部分を抱え持ってる・・・
この戯曲は、かなり古い作品ではあるけれど
今の彼らの持ち味、風貌や風潮ををうまく融合して引き出している気がします。
怖いといえば、一番最初の場面。
劇中歌「友達のブルース」を歌いながらずんずん現れて
同じシチュエーションで去っていく姿が、たまらない程怖いんですけどぉ~
不条理っちゃ不条理な感じもしますが、
ホントなんかリアルに感じちゃう
そこんところは、最近の家族の在り方自体が、希薄になりかけているからだと思います。
なんともなく彼らの家族ごっこが、一瞬でも、ほほえましく見えちゃったりもします。
が、本当の家族かどうかも怪しい感じもしますねぇ~
去年、新国立劇場演劇研修所の発表会でこの『友達』を拝見しました。
演出は、栗山民也さん。
新国立の方が、よりモダンな感じがしました。
アトリエのあの空間が作り出す『友達』の世界感&
なかなか個性的な人たちが揃った今年の研修科の座組み(笑)
この作品の不思議な魅力的な怪しい部分と彼らとの相性が合ったと思います
これからまた彼らが、さまざまな作品と出会い、未知の才能と出会っていくか
私たちは客席でその姿を見守っていける貴重な時間を共有できます
次回の発表会は10月の予定だそうです。
ぜひ、ご一緒に応援していきましょう(*^_^*)
そーいえば当日配布されるチラシに研修科生の写真が載らなくなってしまってましたね
私的には、載せた方が良いと思いますが、どうなんでしょう?!
8/12(金)~8/14(日)まで in 文学座アトリエ
by berurinrin
| 2011-08-15 13:26
| 文学座観劇感想