H.H.G公演vol.11『燕のいる駅』

サイスタジオ公演vol.27
Happy Hunting Ground vol.11『燕のいる駅』 in サイスタジオ(7/16)

作   土田英生
演出  古川悦史
美術  乘峯雅寛
照明  賀澤礼子
音響  栗原亜衣
企画/制作  Happy Hunting Ground/サイスタジオ
主催  サイスタジオ/ Happy Hunting Ground

のどかな風景の広がるこの街。
けれども人の姿は見当たりません。この日の前日に地域の人たちはここから去っていました。
現在唯一の交通機関は「日本村四番」駅に停車する電車のみ。
駅には、燕が巣を作り。空にはパンダの形をした雲。
残った幼馴染の駅員・高島さん(加納朋之さん)とローレンコさん(高橋克明さん)、
そして売店で働く戸村さん(山本郁子さん)と友人で弟を待つ下河部友紀さん(山崎美貴さん)ら
乗客たちも、わけのわかない不安な気持ちを抱えつつ電車を待つしか術がないのです。

やっぱし、夏の風物詩といえばH.H.G!ですねっ
今回は、このH.H.Gの生みの親、文学座を退団された古川さんが久々に戻ってこられました。
それも新たな仲間を引き連れて・・・
そしてご本人は、演者としてでなく演出として・・
そして久々に演出を置いたH.H.G
そう・・常に新しさを求める探究心は、H.H.G持ち味ですから

情景は、現実などこかの普通の緑多い田舎の駅のようですが
黒ビニールシートが覆い尽くされた舞台のセットに照明が当たると、
微妙な光の明暗で、なんとなく近未来的な空間が出来上がっていました。
この世のものでいて、この世のものでない
かつてあった場所であり、燃え尽きて焦げ跡のような廃墟のような
不思議な光沢・・・シンプルなのに色んなイメージが浮かぶ不思議なセットです。
先に公演された『tatsuya最愛なる者の側へ』と同じセットだったそうですが
残念ながら『tatsuya』は拝見できなかったので、比べての感想が出来ないのです。残念。
この美術は、現在アトリエで上演中の『山羊・・・それって・・・もしかして・・・シルビア?』の
美術も手掛けられた乘峯さんの作品です。
乘峯さん、ほんとすごい!

「日本村四番」駅は、何かのモデルケース的な場所だったようです。
この日本では、外国人は差別され胸に目立つバッチをすることを義務付けられ
バッチの色で、ランク付けされているようです。
高村さんの幼馴染のローレンコさんは、赤いバッチ。
子供の頃、そのバッチがカッコよく見えて羨ましかったと高村さんは打ち明けます。
けれども、ローレンコさんは、このバッチの色の為に
彼の両親の大変な苦労を覚えています。

友紀さんの弟さんは、電車に乗ってこの駅で友紀さんと待ち合わせをしていました。
弟さんは、外国人のバッチの廃止の為の運動に関わって、
当局に身柄を拘束されていたそうです。

電車は一向に来る気配はなく、アナウンスの声(佐古真弓さん)だけは
時間通りにスピーカーから流れ、かつての日常の電車の往来の多さを物語ります。

そしてパンダの様な狸のような形の雲が少しずつ大きくなり
理由のわからない不安と変調を及ぼす体。
そのおかしくなってる自然を敏感に感じ取ることが出来るのが
駅に巣を作っていた燕。
生まれた雛鳥を順に巣から落として・・・

これらの恐怖は、きっと今だからこそリアルに感じられる現実の怖さです。
見えないものに対抗する術がないことを私たちはもう知ってしまったから
そして理由もないのが現実。
こんなに不条理な世界が現実なんだ。
なんの変哲のない日常の出来事は、過去であり
今はただ未来に向かって、かつてのものへの足跡であり
向かっていく理由は、足跡に残された道しるべから拾われた言葉の集積から
結局は単に、取ってつけた後追いなのかもしれません。
ただただ不安のベールに覆いかぶされ・・私たちはいったいどう生きたらいいんでしょう・・
あ~なんかもう自分で書いていて、わからなくなってしまいました。
それも一つの不安であり、恐怖でもあるんですけど・・・

古川さんの初演出ということで、どうなんでしょう?と思っていましたが
言葉をとても大切にされる感じ・・丁寧に作られておられました。
暗転のB.G.Mは、ちょっとどうかな?と思いましたが
これは古川さんの趣味なのかなぁ(笑)これは好みの問題ですからね。

さて、今回のH.H.Gは外部の方との他流試合でした。
無類のカレー好きで、おっとりした性格の駅員・高島さんを演じられたのは
昨年H.H.Gを復活させて下さった加納朋之さん。
昨年のH.H.G公演『土の中の教師たち ー啓蟄の頃ー』では
俳優だけではなく脚色を担当されておられました。
また外部での演出など幅広くご活躍されておられます。
今年の三月には、山谷典子さん主催のRing-Bong『櫻の木の上 櫻の木の下』で
終戦間近の当時当たり前の軍国主義の厳しい教師・山本大助さんを演じられておられました。
同僚で、ひたすら睡魔の誘惑に襲われるのは幼馴染のローレンコさん。高橋克明さんです。
アトリエの会『ダーヴィンの城』では、恐怖の三人組のリーダー格の
セガワショウゴさんを演じられていました。
高島さんに最後のカレーパンを差し入れするのは戸村さんこと山本郁子さん。
くにこ』では、邦子さん(栗田桃子さん)のお母さんを演じられておられました。
戸村さんの友人で駅で弟を待つ下河部友紀さんは、山崎美貴さん。
美貴さんは、『カラムとセフィーの物語』で、
セフィー(渋谷はるかさん)のアルコール依存症に陥る
母ジャスミンを演じられました。
また、昨年末には同期の征矢かおるさんとのユニット
テアトルサンノーブルの第2回公演を実現されました。
電車を待つ漫才師の一人ボケ役の本多さんは、上川路啓志さん。
『カラムとセフィーの物語』では、自由自在に現れるTVリポーターを演じられていました。

この日は、劇団の関係者がたくさんいらしていまして
サイスタジオの近くのコンビニの前で『カラムとセフィーの物語』では
セフィーのいじめっ子の二人(笑) 鈴木亜希子さんと千田美智子さんと出会いまして、
この日すでにH.H.G観劇後のあっこちゃんと別れて千田さんとサイスタに向かうと
にもかかわらずドンキホーテ』で
きゅうりをばくばく食べていた櫻井章喜さんとばったり
あっ、櫻井さんは今度、東京セレソンの『わらいのまち』にご出演ですョ
で、客席では高瀬哲朗さんご一家
高瀬さんは、『わが町』では、花嫁となるメアリー(栗田桃子さん)のパパ。
地元新聞社に勤めるウェブ氏を演じられていました。
公私共に優しくて素敵なパパな高瀬さんです。
もうお一方は、『美しきものの伝説』で
学生を演じられた佐川和正さん。アーティストでもあるんですよ
来週7/27~中目黒キンケロシアター『ホスピタルビルド』にご出演だそうです。
と、久々にいつもお世話になっている京都からご観劇に来られたYさん♪とも出会えまして
お手製の「ちりめん山椒」頂きました♪すごーーーく美味しい
画像UPする前に、すでに食べちゃった(笑)ありがとうございます。

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で、仲よく並んで観た千田さんは、今度舞台があります
詳しくはリンクしてる千田さんのブログ→千田美智子のブログへどーん★
インドネシアでパフォーマンスしたり、色んなものに挑戦してる千田さんです♪かんばれ~!!

終演後は、サイスタジオの上のカフェで
Yさん、郁子さん、美貴さんと久々の再会で、ちょっとアダルトなガールズ(笑)
トークで盛り上がり、こともあろうに郁子さんにゴチになってしまいましたm(_ _)m
あんま楽しくて時間を忘れーの前日同様に終バスを逃しf(^_^;)
タクシーでの帰路となりました(笑)
でも最高に楽しかったからねっ

次回のH.H.Gは、どんな変化?、どんな遊び心?常に進行形の彼らとの
出会いが楽しみです♪期待しちゃって良いですよね!?
「もちろん」←神の声(笑)


7/15(金)~19(火)まで in サイスタジオ
by berurinrin | 2011-07-20 23:50 | 観劇感想
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