Ring-Bong第1回公演いくつもの時間VOL2『櫻の木の上 櫻の木の下』

Ring-Bong第1回公演いくつもの時間VOL2『櫻の木の上 櫻の木の下』
 in サイスタジオ(3/24)
作         山谷典子
演出・音響    湯澤公敏(ここかしこの風)
美術・舞台監督 乘峯雅寛

卒業式を目前にしたある女学校の音楽室。
ここから中庭の桜がよく見えます。見事な桜の木ですが、校舎の建て替えの為に
近い将来に伐られてしまうそうです。
ある日、桜の木の下で何かを探している中島前校長(三木敏彦さん)の姿がありました。
土の下から小さな瓶を見つけ、手にしたとたん。
教室からピアノの音が聞こえてきます。それは「美しき青きドナウ」のピアノの調べ。
弾いているのはモンペ姿の音楽教師・佐々木てるえ先生(山谷典子さん)
聴いている中島前校長に声を掛けたのは、事務員をしている母・よしさん(太刀川亞希さん)。
呼びかけに答えるのは、少年時代の中島前校長の姿でした。

あの震災以降、私にとって初めての夜公演でした。
会場まで遠いし、何かあったら・・
こんな時に無理してお芝居を観に行っていいのか・・・そう思うと不安でしたが
公演決行に至るまでの経緯や上演に対する真摯な思い
「不安であればキャンセルしても大丈夫」という
お気遣いのメールを山谷さんから頂きました。
その気持ちを受け止める為にも初日に拝見させて頂きました。
当日は、湘南新宿ラインは全線休止、副都心線が池袋までで休止となっていたので
いつもより時間がかかりましたが、以前はそうだったなぁ~遠かったもんなぁ~と
思いながら小竹向原の駅に向かいました。

舞台美術担当は乘峯さんです。
ベニヤを組み合わせて桜の木に見せていたのはびっくりですが
そう見えちゃう(笑)とても素敵な世界を作って下さいました。

前作はリーデング形式での上演でしたが
今回はお芝居形式での試みです。
過去の戦争末期、東京大空襲をバックにしたストーリーと
教育問題の矛盾と危うげな教師の立場を取り上げた現代を行きつ戻りつドラマは展開していきます。
お話の中で、いくつか初めて聞いた言葉がありました。
ストーリーの中でいくつかの問題は、安易に解決していかないところに好感が持てます。
解決する前に、まずは知ることが大事・・。
知らないことだらけだぁ・・私ってば(><)
でも今は知っちゃったから、それを自分でちゃんと考えなくては
今なお根本的な問題は、過去からまったく改善されていないのだから。
山谷さんの静かな怒りが伝わってきます。

お稽古中の、2月上旬。
山谷さんとご出演者で研修科を卒業された松垣陽子さんが
横浜演劇鑑賞協会の事務局においで頂きました。
前回に続き「かながわ九条の会」という有志のつどいでの二度目のお招きでした。
もうほとんど仲間(笑)
『櫻の木の上 櫻の木の下』を書き上げるために、
山谷さんは50冊近くのもの本を読まれたそうです。
時にメモを取りながら皆さんの声に耳を傾けられます。
山谷さんは、これからもきっと自分の信念を貫きながら書いていかれると思います。
そんな彼女を今後もみていきたい・・そう思っています。
次回作は2012年1/19~24『名も知らぬ遠き島より』期待しています。

さて、文学座からのご出演者は
校長先生から幼少の自分と幅広く演じられた三木敏彦さん。
拝見していくうちに全く違和感がなくなってしまったのに自分でもびっくりでした。
そんな三木さんは、次回アトリエの会『にもかかわらずドンキホーテ』にご出演です

過去の時代を生きる教師・山本大助さんは加納朋之さん。
どちらかというとほんわかしたムードの加納さんが、
ピリピリした当時の教師像をみせると本当に怖くなりました。
加納さんといえばH.H.G!昨年の夏に上演された『土の中の教師たち ー啓蟄の頃ー』に続き
また今年の夏もサイスタジオで盛り上がれそうですョ

現代の美術の教師・松阪先生は佐川和正さん。
モンスターペアレントや教科書問題、在日関係やほのかに愛情を持つ生徒の事やら
頭の痛い問題が山積する悩める今の教師たち・・大変そうです
そんな佐川さんは『美しきものの伝説』で、のちの久保栄さんとなる
学ランを着ての学生を演じられました

中原少年の母よしさんは、太刀川亞希さん。
??りながらも温かいお母さんでしたね。
おぶっていた赤ちゃんを空襲で失っただけでなく、自身も犠牲者となります。
そんな太刀川さんは『わが町』で、客席の夫人。
客席に座って質問をされていました。

卒業式を前に「美しき青きドナウ」の歌唱指導を行った榎田先生。
表面は、明るくやり過ごすことで周りとの関係を保つ・・
現代の悩める先生を松垣陽子さんが演じられました。
久々のおようちゃんの演じる姿を拝見しました。
なんか大人の女性になったなったなぁ~と、眩しかったです♪
研修科時代『戯曲・赤い月』に出演されていました。

客席案内には、なんと研修科を卒業された滝沢花野さんがお手伝い★
丁度、花野ちゃんに連絡をしたばかりだったので超びっくり!
で、高橋克明さんのお姿も!三木さんが中島少年の第一声を出された時に
笑っておられたのがおかしくて・・実は、読み合せのリーディングで中島さんの台詞を
お手伝いで演じられたそうです(笑)

この日は、初日ということで、初日乾杯に声を掛けて頂いたのですが
帰りの電車が気になって失礼を・・と、出口に向かう途中で照明の賀澤礼子さんにばったり
賀澤さんのご実家は、福島県。
「節電とか言いながら、こうやって照明の仕事して・・」と矛盾に悩まれているお姿に
・・・思わずハグしてしまいました。
みんなそれぞれ悩みながら、この場にいる・・
いつかそんな悩みを抱いていたことが、懐かしい思い出になる日が
一日でも近くなることを祈っています。

3/24(木)~29(火) in サイスタジオ
by berurinrin | 2011-05-04 21:03 | 観劇感想
<< 文学座有志による自主企画公演『... 文学座7月アトリエの会『山羊・... >>