加藤健一事務所Vol.78『出発の詩集ーモスクワからの退却ー』

加藤健一事務所Vol.78『出発の詩集ーモスクワからの退却ー』 
                            in 亀戸カメリアホール(4/10)

作   ウイリアム・ニコルソン
訳   小田島恒志
演出   鵜山仁

33回目の結構記念日を前にしたエドワード(加藤健一さん)とアリス(久野綾希子さん)夫婦。
二人の間にはロンドンに住む自慢の一人息子ジェイミー(山本芳樹さん)。
銀婚式を前に食い違う夫婦の会話。それはすでに何年も前からのようです。




学校教師であり穏やかな性格のエドワードに対し、激しい感情で苛立ちをぶつけるアリス・・
ついにはエドワードに手を挙げてしまうアリス。
ジェイミーが訪ねてきたこの日、エドワードはアリスにとうとう離婚を切り出します。

4年振りの再演。タイトルも前作の『モスクワからの退却』から一新しました。
初日は、亀戸にあるカメリアホール。
駅から近くてこじんまりした綺麗な劇場です。
電車の窓から建物が見えたので迷わなかったも~ん。出口はしっかり間違えましたが・・

「あ~こう言ってくれたらいいのに」とか「こうして欲しかった」とか
「なんでやってくれないの」
誰もが何度も経験するシチュエーションですよね
アリスの場合もそう・・
エドワードを深く愛するから、より相手から多くのものを得ようとしてしまいます。
それも自分が望むことばかり・・
長年連れ添った仲なら、相手に対する諦めの気持ちもままあると思うんですが
アリスは、自分の気持ちをひたすらぶつけてきます。
とまどうエドワードの瞳の中の怯えをキャッチすることもなく・・
そんな状況を文章に書いていると、どんなにシリアスなお話かと思うんですが
これが笑っちゃうんですよ。
客席からも笑い声が絶えない(男性の笑い声が響いていたような・・)
きっと誰もが、心にちくん(笑)しちゃうんでしょうね

ある日、エドワードの職場である学校にやって来たアリスが、
彼の仲間の居る前で「わたしを見て」と叫びなから
服を脱ぎつつ彼を追いかけたエピソードをジェイミーに語るシーン。
当のエドワードにしてみたらアリスの狂気を感じたかもしれませんが
なんかねぇ~でも・・可愛いんですよアリスという女性。
同姓だからなかなぁ~すごく素直じゃないですか
もしかしたらエドワードの心が他の女性に移ってしまったことをキャッチしたかもしれません。
エドワードが、結婚したさえ後悔していることさえも
そう思うと、痛々しい程に愛しく思えてしまうのです。
妻はいつまでも女性なんだなぁ・・と
だとしたら夫は、妻をずっと女性として見ているんでしょうか?

これが二人芝居で、夫婦の崩壊の話であれば後半は惨憺たる有様になりそうですが
息子のジェイミーの存在がとても大きくて
エドワードそっくりの行動やアリスに似た繊細さで、愛するがゆえに二人の間で苦悩する姿・・
彼ら夫婦の歩みが、彼の存在を通して決して間違っていなかったと感じられます。

そしてもう一つアリスが愛する詩の世界。
深く歌うように語る美しい声、その言葉は、清らかで浄化する力を放ちます。
エドワードの選択は、家族の崩壊という悲しいものでしたが
葛藤の末に受け入れたアリスの姿は、とても美しく輝いていたと思います。

それにしてもアリス役の久野さんのパワフル度がパワーupされてましたねぇ~惚れました(笑)
この日の翌日からは、北海道に旅をされる『出発の詩集』の皆様。
「あ~っと観たかったぁぁぁぁ~!!!(泣)」と、思われた皆様
まだまだ公演ありますからっね!ご安心くださいまし

4/27(水)~5/1(日) in 本多劇場
5/3(火・祝) in 京都府立府民ホール
5/5(木・祝) in 兵庫県立芸術文化センター
5/7(土) in 所沢市民文化センター

ずっと感想をお休みしていてすみませんでした。
前後するかもしれませんが、少しずつUPできるように頑張ります!
ご心配メールありがとうございます。
わたしは元気です(*^_^*)
by berurinrin | 2011-04-13 21:24 | 観劇感想