シェイクスピアカンパニー『お気に召すまま』

シェイクスピアカンパニー『お気に召すまま』 in 紀伊國屋ホール(11/13)

作    W・シェイクスピア
訳    小田島雄志
演出  出口典雄

父の亡き後、貴族・オリヴァー(西岡野人さん)は、
与えられるはずの弟のオーランド(平澤智之さん)の遺産を着服。
当然二人は仲たがいしています。そんな時レスリングの試合で優勝したオーランドは、
そこで出会ったロザリンド(吉野実紗さん)と互いに一目惚れ状態。
ところが、オリヴァーの計画でオーランドを追放され、
自分の身を案じてくれた召使と共にアーデンの森深く入っていきます。
ロザリンドの父・老公爵(瀧本忠生さん)も仲の悪い弟・フレデリック公爵(宇野賢二郎さん)に
追い出されアーデンの森で暮しています。
フレデリック公爵の一人娘・シーリア(住川住寿子さん)とロザリンドは大の仲良し。
しかし、フレデリック公爵がロザリンドを追放しようとしている事を知った二人は、家出をしてしまいます。
そして向った先は、アーデンの森・・・

何にも無いフラットな舞台。
俳優が、落ち葉を四方に撒き散らし「ここがアーデンの森」と一言台詞で語られれば
うっそうとした木々に囲まれた森の風景が現れてきます。
衣装も然り・・・そんなシンプルな舞台です。
最後は、大団円超ハッピーエンド!4組の幸せな恋人達が生まれちゃうんですもの
フレデリック公爵の行く末は、かるーく台詞で流されちゃって可哀相な気もしますが・・
でも、幸せな気分で終わるものいいもんですよねっ
とはいえ、独特な台詞回しで、感情を押し殺して淡々と語る語り口は、
ちょっと説明臭い気もしなくもないのですが、
元々、野外劇を想定しての作られたそうで、情景とか台詞で表現されちゃいますので
仕方ないんですけど・・
これまた一つの様式美のような不思議な色合いが・・・
この日の前日は地元演鑑の例会中で、案の定ちょっと飲みすぎまして
二日酔いの身で、同じトーンで聞く台詞回しが厳しかった。
まっ、悪いのは自分なんですけど

さて、文学座からは
西岡野人さんと吉野実紗さんがご出演でした。
「ボクの演じる悪人好きなんですよね」って、のびくん。
そーそー、なんかねぇ、優しい声だし、二枚目さんなのに
研修科時代から悪役をのびくんにしてもらいたくって、ずっと言っていたんですよ。
でもオリヴァーは、悪役って言っても、器のちっちゃい悪党だし、ケンカ弱いし(笑)
けれども、時折見せる目線の厳しさとか、いいじゃないですかぁ(笑)
また終幕近く心を入れ替えてオーランドと和解して
シーリアと結婚する姿は、素敵な柔らかな雰囲気が伝わってきて、
前半の小悪党さは消え去っちゃってホントいい人(笑)
どーせやるならいつかは、いけ好かない極悪非道の超悪党をお願いします(笑)
とはいえ、今ののびくんは、とってもピュアというかどんな役柄にも染まっていける・・
雰囲気のある俳優さんだと思います。
そんなのびくんは、文学座の公演は『口紅~rouge~』の白塗りのチンドン屋さん以来ですが
去年、劇団影法師『うわさの三国志』で舞台狭しと駆け抜けた
主役のなんちゃって劉備玄徳さんが見事でした。
その時、三国志をちゃんと読み直そうと、古本屋さんで買った漫画『三国志』は、
まだ未読ですがf(^_^;)

シェイクスピア作品の中で、ダントツに台詞の多い女役というのは、このロザリンドだそうで
男装するは後口上まで語っちゃうわ、もう本当に大変な役どころ。
そんなロザリンドは、女優さんならやっぱり演じてみたい遣り甲斐のある役どころだと思います。
そのロザリンドを演じられたのは、吉野実紗さん。
頑張りましたね。もう男装姿がめっちゃ可愛いみしゃ。
こりゃオーランドじゃなくても、惚れちゃいますよ。
で、お話が終わって、一人舞台に立って後口上を語るんですが、
この日はちょっと台詞を噛んじゃったんですが
後口上っていうと、ロザリンドを演じた俳優が語る言葉としてみると
大いにアリで、やっちゃった(噛んじゃった)という表情が、もうチャーミングだったんですよ。
(ちょうどこの日はDVD収録日だったそうです)
そんなマイナスをプラスに変える事の出来る可愛いみしゃは、
トロイアの女たち』で、兵士に襲われ、狂気と正気の間で揺れる
血にまみれたドレス着た王女カッサンドラで、強烈な印象を魅せてくれました。

11/12(金)~11/14(日)まで in 紀伊國屋ホール 
by berurinrin | 2010-11-30 22:59 | 観劇感想