<文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)の成果>『男は男だ』

<文化庁芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)の成果>
新進芸術家育成公演等事業『男は男だ』 in 恵比寿エコー劇場(12/25)

作   ベルトルト・ブレヒト
翻訳 三輪玲子
演出 中野志朗

ある日、アイルランド人ガリガイ(笠井誠さん)は、妻(森尾舞さん)に
鍋にお湯を沸かすことを頼み、鍋に入れる魚を買いに市場に向います。
すると出会ったのは3人のインド駐在の英軍兵士たち。
本来4人でのチームを組むはずが、彼らはワン氏(木津誠之さん)の寺院に忍び込み
略奪を働いている時に仲間のジェライア・ジップ(椎原克知さん)が
罠に掛かり捕らわれてしまったのでした。
そろそろ点呼の時間、鬼軍曹・チャールズ・フェアチャイルド(中山一朗さん)にばれたら
大変なことになる。彼らはカリガイにジェライアの身代わりを頼みます。

このお話は、まだインドがイギリスの植民地であった頃を舞台にしています。
ちょっと英軍駐軍兵士たち、かなりたちが悪そうで、狼藉の数々はワン氏の寺院だけでなく
彼らの行く手にあるそこかしこで、乱暴を働いているようです。
「ノー」と言えないガリガイは、つまるところ彼らに騙され、ジェライアの一時の身代わりのはずが
気が付くと自分がジェライアに成り代わり、自ら選んで兵士として
彼らと共に最前線のチベットへと向かう事になります。

マニアック中野氏(笑)の事だから、
ちょっと心して喰らいついて観てやろうと挑戦的な気持ちで劇場へ
ところがところが・・客席に着くと舞台には大きなスクリーンが、ロビーから客席に入る
観客の姿を映し出しています。つーことは私の姿も映ったって事ですよねf(^_^;)恥かしい・・・
もう負けてます(笑)
という事で、しょっぱなから異質な感じを受けました。
前半は、遊びを入れた雰囲気満載、映像や人形、複雑な寺院の内部を舞台やロビー、
楽屋、奈落や劇場外など全てをスクリーンで映し出して、ちょっびりベタなマンガチックな遊びも
取り入れたかと思うと・・
後半は、ストレートにカリガイが追い込まれていく過程を舞台上でみることとなります。
どうなんだろう・・と思ったのが、素直な感想で、遊んで楽しく作っている割には、
演出がちょっと真面目すぎて、実際上手く噛合って運んでいるような気がしない・・・
後半の寺院に捕らわれてそのまま偽神にされた哀れなジェライア・ジップとガルガイの比較が
自然に滑稽で面白かったと思いました。
でも、毎回中野氏の演出は、殆ど腐りかけているような眠っている自分の脳にめちゃめちゃ
刺激を受けるんですよ。
なので中野氏の演出は、嫌いじゃないんですねアハハっ

さて文学座からは、お坊さんのワン氏を演じられた木津誠之さん。
くるくる坊主の鬘を被り、鬘をとってもスポーツ刈りって(爆笑)クリスマスバージョンで
サンタの帽子を被り、ジングルベルを歌いながら、ジェライアを捕まえた事が
嬉しくてたまらない様子を表現されてましたね。よっぽど以前から彼らに
ひどい目に合わされて復讐の機会を狙っていた事がわかります。
その結果、偽神さまって・・ひどい(笑)
でも木津さんの嬉しそうな笑顔をみちゃったらヤバイ(笑)ですねぇ
そんな木津さん『わが町』では、グローバーズ・コナーズの町の
歴史を説明して下さったウィラード教授を演じられていました。

寺院に忍び込み、捕まってしまうジェライアは椎原克知さん。
身から出た事とはいえ、きっと今後一生・・・食っちゃ寝だけど飼い殺しの様な
悲惨な人生が待っているような気がするんですが、なんか知ってかどうだか?
なんか嬉しそうにステーキを食べて幸せそうでしたねぇ~
崩れたバランス』では、年頃の娘と恋人の間で困ってしまう父や患者に追い込まれそうになる
精神科の先生などを演じられていました。

4人の英軍兵士の一人ワイルドな容貌のユリア・シェリィを演じられたのは清水圭吾さん。
トロイアの女たち』では、ギリシャ側の兵士を演じられていました。

さて、この作品が私の芝居納めでした。
今年も色んな作品と巡り合えた一年でした。

12/22(水)~12/26(日) in 恵比寿エコー劇場
by berurinrin | 2010-12-31 18:19 | 観劇感想