『くにこ』アフタートーク

くにこ』終演後、アフタートークに参加してきました。
司会は、田村勝彦さん。
田村さんは、作家の中島敦彦さんが、文学座に書き下ろされた第一弾
ゆれる車の音~九州テキ屋旅日記』で
元テキ屋さんで警察官という有江さんを演じられていました。
今回はご出演はされていませんが、向田作品のファンだそうで
こんな形で、向田さんの作品がちりばめられていて素敵だなぁ~と、感想を語られました。

折りしもこの日は2010年11月28日。
向田邦子さんが生まれたのは1929年11月28日。
ご存命であれば81歳のお誕生日。
「これも何かの縁かもしれません」ということで、アフタートークスタートです♪

中島敦彦さんと出演者全員参加です・・・あられれっ椅子が一つ空いてる?!

最初に紹介された作家の中島さんから、
角野卓造さんから「向田邦子さんでどうだ」と言われたそうで
色んなエピソードから、フィクションを入れつつ書かれたそうです。
「いかがでしたか?」と聞かれ、会場からは大きな拍手です。
そして出演者全員の自己紹介。
鬼頭典子さんは、鹿児島時代の「くにこ」の同級生から下町のおばちゃんまで
6役演じられているそうです。
「年寄りを一手に引き受けました(笑)」と、塩田朋子さん。
演じてる姿とリンクできないでしょう(笑)
そのギャップの違いで会場から笑いが・・「笑わないで下さい」と塩田さん。
本当は、めちゃめちゃ綺麗で美しい女優さんなのでした。
角野さんは「着替えが忙しくて“ばか、ばか”言ってるから声かすれちゃって・・」と
本番は全く気にならなかったのですが、ちょっと声が辛そうです。
怒りんぼうお父さんですから・・・ちょっと心配ですね。

田村さんから
「演出の鵜山仁さん、仕事の都合で遅れていましたが到着されました!」
と、「何もやってない鵜山です(笑)遅れちゃってすみません」と鵜山さん。
実は・・後から「あれは遅刻じゃない。言われた時間に着たんだよ」と(笑)

さてパンフには難しいこと書いてますが・・と
田村さんに企画というか思いとかについて聞かれた鵜山さん。
元々は、角野さんの企画で『缶詰』『踏台』『ゆれる車の音ー九州テキ屋旅日記ー』と
10年前から続いてきた企画の中で、参加させて頂いたというのが実感だそうです。
前作『ゆれる車の音』は、200近いステージ数で、地方を巡演されました。
(神奈川地区には来れなかったんですけど・・)
わたしも初演以外に、兵庫、静岡、京都、四国と拝見させて頂いたのでした♪
中島さんは、早々に舞台装置の打ち合わせとか参加されるそうですが
それは、台本があっての事ですが・・と、ネタバラシ?!
今回は台本が一行も無い状態での打ち合わせだったそうで
『ゆれる車の音』と同様に、俳優をイメージして台本を書く“当て書き”の手法を
取られたそうですが、装置も“当て書き”もあったかなぁ~と
シェイクスピアも“当て書き”の手法を使われた事があるそうです。

「迷った。どんな風にしたら良いか?」と中島さん。
ぎりぎりになってえいっ!って書かれたそうです。まさに劇中の邦子さん状態(笑)

企画者でもある角野さんとの打ち合わせは?と聞かれた中島さん。
「主に髪型を念入りに(笑)どの辺で薄まればいいか・・とか(爆)」
いつくかの役のなかで、財政文化社の社長さんの時に、ふさふさぺったり風の鬘を
被られるのですが、その鬘を「すばらしく良かった」と絶賛の中島さん。
やっぱ、髪型大事ですよねっ!!ぷぷっ
で、それについてと田村さんから聞かれた角野さん。
「こんなところで言うの?!(爆笑)」
続けて、角野さんからお話がありました。
「・・10年間、団塊世代の男の人の話を書いてもらってやってきた」と
ちょっとここからシビアなお話なのですが
企画の意図について語って下さいました。
まず一つは、劇団の経済的な理由として、お芝居を上演することの厳しい環境。
それはこの紀伊國屋サザンシアターを連日満員にしても赤字という現実問題。
全国の鑑賞団体に作品を買ってもらって、地方に巡演しないと運営ができない。
よって地方に巡演できる作品もやらなくてはならない。とおっしゃいます。
故・杉村春子さんは、毎年、年2回、約2ヶ月間毎の旅公演されたそうです。
おかげで、20代、30代の頃はアトリエ等で好きな芝居に打ち込めた・・
今度は角野さんたちの世代が、後輩たちにの為にやらなきゃいけないと
50代になって感じたそうです。
と、同様に、自分たちの世代で共感を持って観ていただける作品。
明日から頑張れる!そんな芝居をやりたい・・それが10年で一区切り。
もう一つは、女優達が活躍できる芝居をやりたい。
で、ふと思ったのが“向田邦子”さんだったそうです。
それは中島さんの『びっくり箱』の記憶があったそうです。
中島さんお願いした事は、人数が10人以内、上演時間が2時間以内で休憩なし。
角野さんご自身が、観客となって芝居をご覧になる際に、好きな時間構成だそうです。
人数は予算的な問題らしいですが・・
内容については、なんでも好きに書いてください・・と、お願いされたそうです。
で、鬘を被られた感想(笑)は・・・
久しぶりに被られたと角野さんの感想は「熱い(笑)」とおっしゃっていました。
普段は地毛だそうですよ(笑)

ここから質疑応答です。

塩田朋子さん扮するきんさんが、亡くなって棺おけに入られますが、
棺おけに入った感想について

あの棺おけは本物だそうで、お布団も枕も付いていて非常に寝心地が良いそうです。
だた死装束の合わせが違うので普通の所作が出来ない。
棺おけの中は、とても暑いそうですが、「棺おけに入ると長生きできる」と言われ
「良い経験をさせてもらっています。(笑)」

他に質問から出たエピソードなど・・

小中学校の頃から、向田さんのドラマシリーズをご覧になっていたとおっしゃったのは上田桃子さん。
本もほとんど読まれていたそうで『くにこ』に出演できて嬉しかったそうです。

マージャン初挑戦なのは太田志津子さん。パイを触ったのも、お稽古場でお初
だったそうです。このシーンは毎日どきどきしてるそうです。

約2時間で6役をこなす鬼頭典子さん。稽古場の時から混乱しないように
いんちき衣装(笑)で着替えをされていたそうです。

向田ファンにとってカメラマンは、伝説的な男性だそうで
そのカメラマンを演じられた亀田佳明さん。お知り合いの方から
「ちゃんと演らないと(向田ファンを)敵に回すよ」と言われたそうです。
結果、かっこよかったですよね~

そのカメラマンについて中島さん。
「カメラマンの男性は、向田ファンは誰でも知ってるけれど実像はしらないという」
う~ん、ミステリアスですねっまぁ、でも・・ですよね。

山本郁子さんのお母さんが素敵だったと感想をおっしゃった
お客様に対して
「昭和のお母さんをイメージして、お父さんを立てつつ、実は握りつつ角野さんにお仕えしています」
そのお父さんの角野さんから
「あの頃の昭和のお父さんは、あんなもんだったんじゃないか?!」
ちゃんと家族の中心として立っていて、家族のピラミッドが出来上がっている。
昭和の時代。お父さんがあんなに強かったら、家族が弱ることは無い。
家族の絆がなくなったらつまらない。どんな形であれ繋がっていないといけない。
とはいえ実際の角野さんは、ご自宅でめちゃめちゃ動くそうです(笑)

ヒロインのタイトルロール邦子さんを演じられた栗田桃子さん。
役作りについて、向田さんの本やインタビューの映像とかご覧になったそうですが
何より大事にされたのは、中島さんが書かれている本の中で、
どうやったら生きていけるか?!
小さな女の子が、色んな人たちと出会って積み重なっていく大人になっていく姿。
共演者の人たちから沢山積み重ねていけたら良いなぁと
思って演じられているそうです。

最後に、学校の演劇部に所属されいる方からの質問で、
心掛けていることは何ですか?と聞かれ
関輝雄さんから
「役と真摯に向き合う事が大事」と
今回、鹿児島弁で大変苦労されたそうですが、
最後には方言指導の方からお墨付きを頂いたそうです。
「あんまり考えてやってない(笑)」そう言いつつも
「真摯に向き合うことは大切」と上田桃子さん。
「人によって色んなやり方があると思うんですけど・・」と塩田さん。
「今回おばあちゃん役をやらされて、さっぱりわかりませんでした(笑)」
杉村春子さんが『女の一生』を82歳位まで演じられたそうです。
最初のシーンは16歳で、幕ごとに年を取っていく構成で
「自分の年齢を経てこそ、若い年齢がわかる」とおっしゃったそうで
今回は、自分の行った事のない年齢を演じられている塩田さん。
人によっては、時代背景の本を読んだりされるそうですが
何かという正解は無い。ぴーんときた直感を大事にしたらいいんじゃないか?!と
それが結果、真摯に向き合うことなんじゃないか・・と、おっしゃいます。

で、関さん
「私もそうだと思います。お芝居は難しいです」
最後に、栗田桃子さんの締めのご挨拶があって、
約一時間ほどのアフタートークは以上で終了です。
ニュアンスの違いとか、いっぱいお話が前後したりしてますが、お許しくださいませ。

さてこの日は、今度は池袋に移動して舞台芸術学院の発表会♪
鵜山さん演出『ルーベンスタインキス』を拝見です。
感想は、また次の機会に
ともあれこの日は、鵜山さんづくしの一日なのでした。
やっほぉ~!!
by berurinrin | 2010-12-03 21:20 | イベント