『ダーヴィンの城』アフタートークその2&バックステージ

後半は質問タイムです。
作品の内容が、かなりショッキングなものだけに、質問もいつも以上に多かった気がします。

「観ていくうちに、だんだん人間関係が浮き彫りになっていった」とおっしゃるお客様から
チハルさんを演じられた藤崎あかねさんへのエールと、代役として入った期間についての質問です。

そうなんですよね。当初は荘田由紀さんがキャスティングされていたのですが
体調不良の為に藤崎さんに変更となりました。
舞台は生のライブですがら、色々あります。
はっきりいって珍しい事じゃないんですよね。
荘田さんも辛い決断をされたと思います。『女の一生』で大型女優の片鱗を魅せてくれた
彼女の180度違う表情を観たかったと思ったのは、
皆さんも私もそれに荘田さんご自身も同じだったと思います。
まぁでも気持ちを切替えて、来年『美しきものの伝説』で、また元気にお目にかかれる日が楽しみですねっ(*^_^*)
さて、荘田さんからバトンを渡されたあかねさんは
お稽古開始から10日程遅れての参加で、本読みは1回のみだったそうです。

「盗撮カメラ、舞台の装置としてモニターを見るシーンは、どういう仕掛けですか?」

劇中、チハルさんへの暴行シーンなど衝撃的なシーンが、モニターから流れますが
それらは舞台稽古の時に、本番さながらの場面をあらかじめ収録して編集したそうです。
生ライブでの映像は、4台のカメラを仕込んでいて舞台監督が、上演中に切替えをしているそうです。
映像中に、インターネットによるつぶやきのような中傷文字が入ったり
細かく作り手のこだわりがちりばめられていました。

今回のゲスト、脚本家・鐘下辰男さんへの質問で
「“住み分け”とか“身分制度”とか発言が出てくるのは?」

スカイタワーに住む住人たちは、いわゆる人生の勝ち組で、ある種のステイタスを持っていましたね。
なので以外の地域の住民たちとの差別的な発言が振りまかれていました。
鐘下さんからは
「犯罪が起こると、環境が悪い。じゃぁ環境を良くすれば犯罪はなくなるのか?
暮らしが良くなっていくはずなのに、わけの解らない犯罪が起きる。
安全性を求めているのに、わけの解らない奴が出てくるのを感じる」
そんなジレンマから、かつての身分制度まで戻ってしまったんじゃないかと・・

今日ご覧になっていたと演出をされた高橋正徳さんのおじさん(笑)が質問されました。
するとすかさず(笑)高橋克明さんと櫻井章喜さんが揃って
「お世話になっています」と深々とお辞儀(爆笑)

「『ダーヴィンの城』のタイトル?の由来は?」

ダーヴィンというと「進化論」からきてるのか?と思われたそうです。
おじさんを前に「いつでもしゃべれるんで(笑)」と、ちょっとテレながらマイクを握るノリ君。
題名は、単語を出し合って出てきたそうで
「人間はだんだん進化していく→ダーヴィン・・・・にしたい」と
その「・・・」の部分が、色々出たそうですが
最終的にカフカ『城』のイメージが繋がって、『ダーヴィンの城』となったそうです。

「いいお芝居」だっと感想をおっしゃったお客様から
「(ショウゴさんのお母さんを演じられた)吉野由志子さんの泣き声が耳に残った。ラストの意義は?」

あの崩れ落ちながら咽び泣く吉野さんの泣き声・・心に浸みました。
もう何も起こらない・・・今までの悪意が消えていくような・・優しい泣き声でした。

鐘下さんから
「僕にとって暗い話だなぁと思って、最後に救いが欲しいと、ピリオドを打てるようにしたかった」
ノリ君からは、特に演出的な指示はなく
彼らの背景について「どういう環境で生きていたのかな」など、と話し合いはあったそうですが
あの吉野さんの素晴らしい演技の背景には
「お子さんを育てられて、俳優というより人間の歴史の成せる技」と、ノリ君。
本当にそう思います。

「『トロイアの女たち』『カラムとセフィーの物語』そして『ダーヴィンの城
と共通して母親は可哀相な存在だと思った」と感想がありました。

町の治安やスカイタワーの住人と近隣の人たちとの共存を
目指すカネコアキオさん(金内喜久夫さん)の着ているTシャツ。
はじめは、ほのぼのした可愛らしいイメージでしたが
エピローグでは、警察と相談して似せた作ったと言うレトロな制服になっていました。
その姿が「怖かった」とおっしゃるお客様。

わたしもかなり怖かったです。
丁度、『縞模様のパジャマの少年』というナチスドイツの映画を観たばかりだったので、
余計あのレトロな制服が、権力とか独裁とかと妙にリアルに結びついちゃって・・ぞぞぞっとしたんですけど
「Tシャツから始まって行き着く先がファシズム」というノリ君の言葉に、なんとも言えません。

初日をご覧になって、その衝撃で「どうしようかと思った」という
女性のお客様からの感想です。
「あそこまでリアルにやらないと作り物だと思った」そして
「人間は限度をしらない、とことんやらないとわからない。」
体を張ったあかねさんの芝居にエールを送られました。

確かに逃げ場のないお芝居で
わたしも最初に拝見した時、バーストしました。
で、近くでご覧になっていたノリ君に「大丈夫?!」と心配されましたf(^_^;)
あかねさんは、登場するたびに表情を変えるそうで
「この人と会ってる時は、こうやって生きる。結構みんなあると思う。親の知らない顔がある
自分もそうだし、人によって違うのがわかる」
本当にそう思います。日常、意識しないでも、人によって表情、言葉の言い方、雰囲気も代わりますよ。
そして、ノリ君から「意識しないで感覚的に変えてくれた」
「(あかねさん)がんばってくれた」

TVで観ると血糊とか気にならないけど、ライブだとリアルという発言にたいして
すると克明さん、あかねさんに
「180度違う、違うよな、優しいよな」と無理やり(爆笑)

「誘拐された子供は?その両親の結末は?」

終盤、ベビーグッズを処分するシーンがありましたよ。
石橋徹郎さんがヘロヘロになって
植田真介さんのちょっと「バラバラに捨てれば」的な発言があったりして
きっとたぶん・・でしょう!?と思っていたのですが
「トモヒロ(赤ちゃんの名前)生きてる説」が、あるそうで
ノリ君が鐘下さんに「トモヒロ死んでんじゃないですかねぇ~」と聞いた所
鐘下さん「いやぁ生きてて欲しい」とビールをぐっとやりながら(笑)おっしゃったそうです。
「最後は赤ちゃんの笑い声とメリーゴーランドが回ってたんだけど」とノリ君。
最初の、場内アナウンスの声は子供の声でしたね。
もしかして。。。もしかして、実はお芝居は過去のもので
少し成長したトモヒロ君が語るお話だとしたら・・・生きていてくれるのは嬉しいけど
これまたぞぞぞぉって感じですね。

以上で、アフタートークのレポは終了です♪

後日、3作品すべての舞台美術を担当された乘峯雅寛さんの御案内で
バックステージを拝見させて頂きました。

通常アトリエのロビーに当たる場所は、今回小道具の保管場所&早替わり場所になっていました。
ひときわ目立つのは、川辺邦弘さんが「メッチャホリデー!」で、かぶった金髪の鬘(笑)
その黒く塗った仕切りは『トロイアの女たち』で使用した板で、ところどころ剥げた場所は
赤いペンキが、こんにちは(笑)状態でした。

本物の金魚は、かなり前に用意されたそうで
えさをあげる時に水槽をコンコンと叩くと反応するように、練習されたです。
乘峯さんが、水槽のサイズに比べて金魚の数が多かったそうで、毎日水槽をきれいに掃除したそうです。
そんな金魚の水槽にショウゴさんが、アカネさんの携帯を落とすシーンは、本物の携帯を水槽に入れちゃうと
金魚が死んじゃうので、中身を抜いた偽物をつかったそうです。
それもとり易いように仕切りが入っていました。
金魚たちを愛おしそうに見る優しい乘峯さん♪ちなみに死んだ金魚は、作り物でした。

ぱーんと金魚のえさをばら撒くシーンがありましたが、中身は色のついた紙を小さく丸めたものでした。
リアルでしたよね。
リアルといえば、歯!
アカネさんが、W不倫相手のタケノリさん(中村彰男さん)に殴られて
口から血がこぼれると共に歯が抜けるシーン。
あれはTVモニターの下に小さな風船状のビニールに血糊とピーナッツが仕込んでありまして
乘峯さんが毎日作っていたそうです。

そしてベランダで妊婦のアカネさんが破水するシーンは
ベランダの手すりに水の入ったスポイトが、仕込んでありました。
ランニングマシーンは本物で、新品を購入したそうです。
櫻井さんが「わわわわっと!!」と、スピードに合わせてダッシュするシーンは
本物だったんですねぇ~
ポテチも本物で、毎回バキバキと割っちゃう携帯も本物を用意されたそうです。
アカネさんとミサトさんの互いの携帯を相手に向けての写メ取りガチバトル(笑)
携帯の画面に互いの写真が張ってあったのですが、客席からわかりましたか?

リアルとフェイクが混ざり合った世界。本当に面白かったです。
最後にひょっこり高橋克明さんが「終わったの?」覗きに来られてました。
ショウゴはどうしようもないひどい人でしたが、高橋克明さんはめっちゃいい人なんですよ。ほんとですよぉ~

さて、これでアトリエ60周年記念3作品連続上演企画は終了しました。
思えば『トロアイの女たち』が始まった頃は、まだまだ9月といえども残暑の暑さが厳しかったですね。
出演者及び関係者の皆様本当にお疲れ様でした!
とってもとっても堪能させて頂きました。

さ、皆様★次は本公演『くにこ』に向かってGO~!!ですよぉ~
演出は鵜山仁さんですよぉ♪きゃぁ~素敵っ!!嬉しい!!って
最後は、ミーハーで締めてしまってすみませんm(_ _)m
by berurinrin | 2010-11-08 23:19 | イベント