無名塾公演『炎の人』

無名塾『炎の人』 in 能登演劇堂(10/2)

作   三好十郎
演出 鵜山仁

ベルギーの鉱山で過酷な労働を強いられていた労働者たち献身的に救おうとしていた
宣教師のゴッホ(仲代達矢さん)は、その行動を聖職者として逸脱した行為とされ
教会から解職されてしまいます。
・・そしてフランスへ
兄の才能を信じる弟・テオ(本郷弦さん)の金銭面での助けを受けて画家になるべく
ひたすら絵に没頭する日々を送っていますが、純粋ゆえに逸脱するゴッホの行動は
まわりの人から奇異に映っているようです。
そしてアルルへ・・・
   
初能登、初日本海ですわ・・・・。
小松空港に着陸する時、海からぐっ・・っと滑走路に下りていくので
海に落ちんじゃなかろうか(笑)と、足元のブレーキを探しそうになりました。
新小松駅から電車に乗って「おおそうだ、そうだ。」と
機内で読んでいた雑誌を、荷物になるからとスーツケースに入れようと
膝の上にかばんを乗せて、中を開けようとカチン!ん?ロックが掛かってる?!
ならばと暗証番号を入れてカチン!ん?!開かないっ!!
うそぉ~(泣)
何度やっても開かない・・・リモワ厳しい・・携帯でリモワのHPを探して
「暗証番号の開け方」なんぞ調べると、ロックの部分を壊すしかないとか・・・あうっ
暗証番号は三桁。
こうなったら自力で開けるしかない。
てなわけで車中約1時間半。外の景色も周りの乗客も無視して、ひたすらロックの解除に挑戦。
001~099まで、そして100~3**(ここでため息)そして3*8カチン。開いた!!うそぉ
憧れの人の誕生日を入力したつもりが、元彼の誕生日だった・・・それも一日違い。
指痛い・・・。
睡眠不足と早朝からの行動とスーツケースの一件で、
ホテルに到着した時は、ぐったり~
フロントでチェックインして良いと言われた時は、フロントの女性にハグしたい位でした。
でも、ここは温泉地。観光せにゃいかんとぷらぷら
ホテルの隣の足湯は最高!(それも無料!!)
目の前の海の風景は最高に美しかったです。

で『炎の人』
ゴッホの自画像をみると・・老人に見える。
どうにもこうにも30代の男性の姿に見えないんですけど・・
仲代さんは70代・・ゴッホは37歳で自殺を遂げている・・
わたしの目にするゴッホは、いったいどんな人物なんだろう??
そんな疑問を持ちながら臨んだ観劇です。

無名塾は『いのちぼうにふろう物語』『ドライビングミスデイジー』についでの3度目です。
それも例会でしか観てない
実は、あんまいいイメージを持ってないんですよ。
どうも座長公演つーか、常に同じ方が毎回主役だと、その方の色が強く出ちゃうじゃないですか
下手したら作品より色濃く出ちゃったりして・・まぁでもそれも嗜好の問題ですが・・
なんて
ところが、舞台に現れたのは紛れもないゴッホその人です。
弟テオ始め彼を取り巻く周りの人物達が、弟や友人、恋人よりも息子や娘・・
ひょっとしたら孫に見えちゃう・・そんな年齢差なんて関係ないほどゴッホでした。
一人孤高の戦いをし続けるゴッホ。
まるで一人異次元の世界に浮いてるみえるからこそ、
沢山の言葉を吐き出して、自身の存在感を知らしめる為の行為のような儀式のような
鬼気迫る迫力を見せるかと思うと、保護を求めてすすり泣く子供に変わったりと・・
実際の絵のタッチのように、激しさとそこはかとない切なさと目まぐるしく変わる
仲代さんゴッホに魅了されたのでした。
ラストのまさに作家・三好さんのゴッホを取り巻いた観客・私たちを含めた人々への呼びかけ。
その中心で静かにキャンバスに向かうゴッホは、静寂と平和に包まれて
安らかな佇まいで、そこにいたのでした。

能登演劇堂といったら、ここだけのオリジナルバージョン。
ここでなきゃ観れない生きた森が彩りを加える舞台美術。
まさか背景が全部ひまわりに・・・なんて、ベタな事はされないよねぇ・・と
変に気を廻したんですが、まったくの杞憂でした。
アルルに移り住んだゴッホ。
彼の後ろに開かれた扉の向こうには、さわさわと木々の音、草の匂い、
さわやかに吹く風、秋の虫の音・・・
これらが客席にふありと流れ込んでアルルの森が現れました。
これが不思議なんですよね。まさに日本の秋の森なんですけど、アルルの森なんですよ。
まさに「見立て」の世界。お芝居のマジックです。
来てよかった。
観れてよかった。

が、終演後、人の流れにそのまま出口に出たら、周りには大型バスがずらっと並んでいて
わーっと人々がバスに乗り込み、あっという間に人がいなくなり・・ぽっ~ん一人状態。
そして真っ暗・・・・うそぉ~(泣)
最寄駅までの地図を見てもわからない。
誰か駅まで歩く人がいるんじゃないかと思って周りを見ても誰もいない。甘かった・・・。
やばっ怖くて歩けない。。自分の所為なんですけど
普段は暗い道に慣れつつあるんですけど、まだちょっとメンタル的に弱い部分も出ちゃって
過去のトラウマつーかね。
荷物の片づけをしてる人に聞いてタクシーの送迎をお願いして
できるだけ明るいところで20分程待って無事ホテル到着。
朝からの出来事にすっかり疲れ果てた能登の夜でした。
能登演劇堂においでの時は、行き帰りの車の手配は必須ですよぉ~
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2010.10/2(土)~10/21(木) in 能登演劇堂
2011.3/11(金)〜21(月・祝)  in サンシャイン劇場
by berurinrin | 2010-10-16 09:59 | 観劇感想