『トロイアの女たち』解説講座<その2>

智将オデュッセウスの考えた木馬作戦によって、たった一日で陥落したトロイア。
トロイアの男達は皆殺しにされ、女たちは奴隷としてギリシヤの各地に分散されることに
なりますが、そのトロイアの残された女たちの行く末はどうなったんでしょうか・・・

トロイアの王・プリアモスと王妃ヘカベの間に沢山の子供がいますが、挙げてみると

 王子パリス(ヘレネと恋に落ちます)
 総大将ヘクトル(妻・アンドロマケ)
 カッサンドラ(巫女)
 ポリュクセネ

王子パリスは、アキレウスを得意の弓で殺しますが、(自身もピロクテーテスに殺されます)
後にアキレウスの慰霊の為に、ポリュクセネが、生贄となって殺されてしまいます。
総大将・ヘクトルの妻・アンドロマケは、夫を殺したアキレウスの息子である
ネオプトレモスの愛妾と決められます。
カッサンドラは、神に仕える巫女であり、彼女を愛したアポロンから予言の能力を贈られたものの
アポロンの愛を拒絶した為に、「予言は正しくても誰も信じない」という罰も与えられてしまいました。
巫女でありながらも、ギリシャ側の総大将・アガメムノンの愛妾に決められます。
そしてヘカベは、トロイアを破滅に追い込んだ木馬作戦を考案したオデュッセウスの奴隷と決まります。
これらは、くじで決められたそうです。

ここの人間関係を踏まえておくと、トロイアの女性達のより悲劇性が伝わって来るのではと
山形さんは、図式で教えて下さいました。
中でも、アンドロマケはひどいですよね。よりにもよって夫を殺した相手の息子の奴隷になんて
ヘカベも、王妃の立場で、自国を破滅させた宿敵・デュッセウスの奴隷ですから・・・
でも、悲劇はまだまだ続きます。
その先は、お芝居を観た方が良いですね(*^_^*)

で、必ずギリシャ悲劇に登場するのはコロスという集団。
コロスは英語で書くとchoros=合唱舞踊団と表現するらしいのですが、主に群集を演じられるそうです。
コーラス(合唱)=chorusと、一文字しか違わない。
で、このコロスは、登場したら最後まで舞台に居続けるそうです。
ここで、ギリシャの屋外で演じられた『トロイアの女たち』の映像を見せて頂きました。
「ティポタ~♪ティポタ~」と歌うコロスたち。ティポタというのは「何も無くなった」という意味だそうです。

もう一つのギリシャ悲劇の特徴は、agon(アゴーン)といわれるトークバトル(笑)
ギリシャ人は、議論好きだそうです(笑)
要は、対立する二人の役者が、論理的に会話する。
『トロイアの女たち』では、トロイアの王妃ヘカベVSヘレネとなります。
ヘレネは、夫・メラネオスに対して、戦争責任は自分には無いと正当性を訴えます。
ヘカベは、(息子・パリスと)姦通をしたヘレネに対しの処刑を、ギリシア人で行なうようにと
訴えます。それはヘカベにしてみたら諸悪の根源はヘレネですから・・

トロイ戦争は、一人の女・・些細な事で戦争が起こりました。
残された対蹠的な二人の女、ヘカベとヘレネのアゴーンの決着はどうなるのでしょうか?
それは、それはまた観劇後にお話できるといいなぁ~と思っています。

この日は、丁度この講座の前に『トロイアの女たち』の稽古場を見学させて頂きまして
それも丁度ヘカベVSヘレネのアゴーン対決のシーンだったんですよ。
ホントすごい迫力でした。

さて、今回イベントを逃してしまったというお方。
大丈夫まだまだイベントは目白押しですよぉ~
第3弾は、『カラムとセフィーの物語』の脚色をされた
英ロイヤル・コート劇場芸術監督ドミニク・クックさん来日シンポジウム
が行なわれます!!

日時      10/6(水)『カラムとセフィーの物語』公演終演後
パネリスト   ドミニク・クック、中山夏織(通訳)、高瀬久男(演出)
会場      文学座アトリエ
定員      150名(先着順)
参加費     1,000円
予約開始   9/4~
お問い合わせ 文学座03-3351-7265

そして、各公演には、演出家、出演者を交えてのアフタートーク(交流会)がありますよぉ
トロイアの女たち』9/12(日)公演終了後
カラムとセフィーの物語』10/10(日)公演終了後
ダーヴィンの城』10/28(木)公演終了後
これからチケットを・・・と、考えておられる方は、ぜひカレンダーをにらめっこしてみて下さいね。
あと3本通し券というお得なチケットもありますので
詳しくは、専用ページ文学座アトリエ60文学座NEWS BLOG

今日は、初日!おめでとうございます!!
わたしは週末までお預けですが、明日からは文学座公演『殿様と私』(9/8~11)がやってきます。
例会公演中には、交流会やアフタートーク、バックステージなど盛りだくさんな企画もあります。
もしお近くにお住まいもしくは職場など・・・よかったらこれを機会にご入会のご検討は如何でしょうか?
詳しい情報は→横浜演劇鑑賞協会へよろしくお願いいたします
by berurinrin | 2010-09-08 00:14 | イベント