文学座アトリエ60周年記念シンポジウム『時代とアトリエ』その1

文学座アトリエ60周年記念シンポジウム『時代とアトリエ』
  ー芝居を通してみえるこの世界ー                 in 文学座アトリエ(7/27)

文学座アトリエ60周年企画3作品連続公演のイベントの一つ、シンポジウムに参加してきました。
入り口では、アトリエの会に出演される俳優の方々が迎えて下さいまして
A4版の7ページにわたる<「アトリエの会」上演歴>の資料を頂きました。
司会は『カラムとセフィーの物語』の演出をされる高瀬久男さん。
そして『トロイアの女たち』を演出される松本祐子さん。
そして『ダーヴィンの城』の演出される高橋正徳さん。
ゲストは、早稲田大学教授・英米翻訳家の小田島恒志さんと朝日新聞論説委員の山口宏子さん。
以上のメンバーで約2時間程のシンポジウムスタートです。
相変わらず、メモメモカキカキ状態でのまとめなので
勝手な解釈だらけですが、そこんとこよろしくお願いいたしますm(_ _)m

最初に高瀬さんから、記念公演については、20年前の1990年のアトリエ創立40周年から
始まったそうで、それ以前は記念公演はされていなかったと、びっくりのお話から
創立40周年の演目は『グリークス』アトリエ前面に砂を敷き詰めた舞台で
吉川徹さん、鵜山仁さん、そして高瀬さんと3人による演出だったそうです。
頂いたリーフレットを見ると、アトリエ136本目」に当ります。
そして、50周年は『マイ・シスター・インディス・ハウス』(高瀬久男・演出)
『エレファントマン』(北則昭・演出)『ザ・ウィアー<堰>』(鵜山仁・演出)
の3本の作品をランダムで上演していくレパートリーシステムでの上演だったそうです。
で、これらが167本。
そして今回で3回目・・意外と記念公演は最近になってからだったんですね。

山口さんとアトリエとの出会いは、1990年代だったそうで
印象的なのは、空間の面白さと温かさとおっしゃっておられました。
アトリエというものを作り出す場所。
出来上がる過程を大切にする温かさがあると・・
そして演劇を勉強できると言われました。それはその時代々の最先端の流れを感じられるそうで
例えば60年代は、フランス演劇。70年代はつかこうへいさんの作品。
そして「なにより演出家が沢山いるという事がわかる・・」

小田島恒志さんは、第一声が「すみません息子の方です(笑)」と、掴みはオッケー!
小田島さんが小学生だった60年代当時のお話。
夏休みになるとお友達は、お父さんの勤める会社の保養所に遊びに行くなか
父親に「文学座海の家」に連れていかれたそうです(笑)
小田島さんご自身はアトリエでのお仕事にまた関わってはおられないんですが
高瀬さんや鵜山さんと外部でご一緒にお仕事されておられました。
アトリエで印象的なのは、ベテランと新人が一緒に芝居を作っているのがすごい!と
そして1997年『寒花』が面白かったそうです。
アトリエで上演されながらも杉村春子さんが、ご出演された『華々しき一族』が
アトリエの会じゃない。と素朴な質問をされていました。
すると高瀬さんから
過去から本公演としてアトリエで上演されることもある。と、おっしゃっていました。
逆に「外部の方から見て、アトリエの建物、空間とかどうだろう?」と尋ねられた高瀬さん。
「自由な感じ」とおっしゃったのは山口さん。
次にアトリエに来た時に、どうなっているんだろう?とわくわくするとおっしゃっていました。
そこで例えて言われたのは『犀』の舞台セット。
『犀』のセットは、アトリエのロビーを抜けたら舞台セットがあって、観客は舞台セットを踏み越えて
客席に向いました。
その『犀』の演出をされた松本祐子さんから、舞台セットについて
「奥行きのある世界を作りたかった」そうで、美術を担当された乘峯雅寛さんと
「お客さまが入ってくるときに、この空間の中に入ってこれる」それを形にされたそうです。

アトリエに入る時、必ず目に入るのは下駄箱ですね(*^_^*)
もちろん今でも現役で使われている下駄箱。
よーく見るとちゃんと名前が入っているんですよ♪
お目当ての方の下駄箱を見つけるのもアトリエの楽しみの一つでもあります。
わたしもいつも鵜山さんの下駄箱を見てはニマニマしています(笑)
見てるだけですよぉ~触ってもいないし、手紙なんかも入れてませんよぉ~!!ぷぷぷっ
その下駄箱について小田島さんが「お風呂屋さんみたい(笑)」
それも玄関のような入り口の佇まいに、初めてアトリエに入ったときに「思わず靴脱ぐんですか?」と
聞いてしまったそうです。

1971年、それまで三越劇場と同じ舞台機構を壊したそうです。
そして翌年シェイクスピアフェスティバルとして『トロイラスとクレシダ』『ハムレット』『ロミオとジュリエット』
80本、81本、82本目の作品となりますが、創立35周年になっていたそうで
舞台は、今と同様のオープンスペースとなったそうです。

「どれだけ面白いものを観たかの記憶が体積されている。」そう、おっしゃる山口さん。
確かにアトリエで拝見した作品は、どの作品も全て鮮明に記憶してる気がします。

そこで、山口さんから他の日本の演劇界の構図というか
流れからアトリエの立場を説明して下さいました。
約25年程前に、鴻上尚史さんや野田秀樹さん達「第三時代」・・身体独自の世界感を
体現した若者演劇という新しい演劇と一方で先輩演劇(観客の年齢層が高い)
いわゆる新劇という普通の日常のリアリティーの中に見出す芝居作りをする劇団として
文学座や青年座の名前を出された山口さん。
中でも、90年代の文学座は、着物を着てきちんと芝居をみせる。。
それが逆に新鮮に受止められたそうです。
60年代は、別役実さんの作品。
乾いた無機質にみえる別役さんの文体といわゆる新劇という両者のバランスの中で
核としてアトリエが息づいていたようです。
90年代の後半は、プロデュース公演が参入した事により
西川信廣さんや鵜山さんらの外部でのご活躍により文学座の芝居が、
じわじわ外の世界に広がってきたそうです。
by berurinrin | 2010-08-08 00:11 | イベント