新国立劇場『鹿鳴館』オペラトーク<その5>

『鹿鳴館』には、追い討ち的な「父親殺し」というテーマが入っていると思いますが・・と
司会進行の新井鷗子さん。

演出の鵜山仁さんからは
「そういうワルツですよね。」
乗り越えて行かないと前に進めないし
乗り越えていく台詞は、ちょっとづつ良い方向に向かっているかもしれないし
それが地獄のスパイラルに入っていくかもしれなし、これが何ともいえない・・
途方も無いエネルギーになるといいなぁ~と、

『鹿鳴館』の今回のキャスト、オーケストラ、指揮者についてと、石井さん。

作曲の池辺晋一郎さんからは
「すばらしいキャスト」とおっしゃいました。あの人が歌ってくれたらいいなぁと思われる方々が
キャスティングされてるそうですよ。
そして、指揮者の沼波竜典さんは最高の人選と絶賛されています。
元々は、沼尻さんは作曲から入られたそうで、池辺さんとは弟・弟子の間柄だそうです。
気持が通じ合う関係だそうです。素敵ですねぇ~
そんな沼尻さんは、歌いながら指揮(笑)ほとんど歌っているそうです。
でも、本来は、故・若杉弘さんが指揮をされるはずであって、池辺さんもそのつもりで
仕事を引き受けられたと、おっしゃっていました。
なので、一番戸惑ったり、困惑したのは、昨年の秋に若杉さんが亡くなられた事だと・・・
で、この作品をこのまま書き上げるべきものなのか?と、まで落ち込まれ、考えられたそうですが
逆に、書き上げる事が、若杉さんへの恩返しだと結論に至ったそうです。

世界初演のオペラを演出する心構えや気持ちは?と聞かれた鵜山さん。
 
「池辺さんが気が重い方だったら、気が重いんですけど(笑)側にいてくれてすごく安心できる
以前のような評価が無いのは、すっごい気楽(笑)」と、お気楽発言をされちゃう鵜山さん(笑)
観て頂いて評価して頂いて、長く長く残るオペラになるといいな・・と、
スタンダードな作品で、「カルメンやマダムバタフライを何十回歌いました」という方々だと
心強く安心は安心だけど、今回はスタートラインは皆んな一緒。
おぼつかないイタリア語やフランス語で、楽譜も歌詞も読めないんじゃ重苦で付き合わなきゃ
いけないんですが日本語だし、気楽だとおっしゃいます。

若杉さんは、元々は文学座にいらしたそうで、以前のゲネプロで、若杉さんが
「こんな風にやってみたら」と、ちょっとしなを作って演技指導されるされた当時の
面白思い出エピソードを鵜山さんが語って下さいました。

オペラ歌手に動きの演技をつける時は?と聞かれた鵜山さん。

「演技をつけるという言い方が、伴奏法みたいで、馴染まない」とおっしゃる鵜山さん。
譜面の事とか、オペラには、芝居と違って色々考えこまなきゃいけないようで
お芝居では、相手の音や声、温度を聞くことがとても大事だと鵜山さんは、おっしゃるんですが
そのコミュニケーションの複雑さ、感覚の違いを可笑しくお話してくださいました。
葛藤が無いと面白くない。今回はダブルキャストですが、
こんなに演出家はいい加減なのか?!と思われる位に違うとおっしゃいます。それは
キャストが変わればもちろん、例えば歌い手さんの調子が悪かったら、演出も変わってくると
おっしゃいます。

さて、最後に

と、池辺さんが「もう言い尽くした」とおっしゃいながら
実は、今は新作のオペラ泉鏡花作品を作曲中なので、そのことで頭が一杯なんだそうです。
今、書きかけのオペラに関心があって、あとは演奏家、演出家がやってくれる
音楽作品というのは、最後の線を引いたら、翌日は演奏家のものになって
演奏されたら聴衆のものになって、翌日は批評家のものになる・・・それは嫌なんですけど(笑)
「お客さまのものまででいいです(笑)」

この日はオケ合わせで、中劇場は仕込み、立ち上がりつつあるそうで
これから音になって絵になってくるのも、これからで鵜山さんご自身が楽しみだと
おっしゃっていました。

以上でレポは終了です♪
駄洒落だらけで、面白い池辺さんのトーク最高でした。
鵜山さんもとってもリラックスされて楽しそうにお話されていました。
鵜山さんてば、リラックスしてる時って姿勢で解るんですよ。そんな会話なので
ついつい長いレポになってしまいました。お付き合いありがとうございます。
そんな『鹿鳴館』、初日に拝見してきましたぁ~また、感想は改めて~!

さてリンクを一つ追加させて頂きました。
主にオペラ音響をされてるcellokiさんのブログ音響屋cellokiのページです。
『鹿鳴館』では音響コーディネーターさん☆
一音作る職人技を、わたしのような素人にわかりやすく教えてくださいました。
鵜山さん演出の初演『カルメン』でも音響をされたcellokiさん
細やかで優しいお人柄がうかがえる・・そんな楽しいブログです♪
ぜひご覧になって下さいね
by berurinrin | 2010-07-01 23:57 | イベント