『モジョミキボー』アフタートーク第二回目<その1>

モジョミキボー』アフタートーク第二回目(5/18)

ゲスト 斉藤栄作 
司会  平川大作
出演  鵜山仁
     浅野雅博/石橋徹郎
  
「今日はありがとうございます」と鵜山さんから、平川さんを舞台にご案内する形で始まりました。
第二回の司会は、平川大作さん。『モジョミキボー』の翻訳をされた方です。
来られるまで司会進行になるとは思っておられなかったようで(笑)
特別な司会のミキボーパパの小さくてちょっと高い椅子によいしょっと♪座られた平川さん。
まずはご自身の自己紹介から
平川さんは、新国立劇場で鵜山さんが立ち上げられた「現代戯曲研究会」のメンバーの
お一人であり、鵜山さんが演出された『コペンハーゲン』の翻訳をされた方でもあります。
本職は大学の教員だそうです。お住まいの兵庫からおいで頂きました。

次にゲストの斉藤栄作さん。
斉藤さんは、今回演出助手をされておられました。
栄作さんのブログ・・鵜山さんを沢山いじって(笑)下さったので、
実は毎回更新されるのが楽しみでした。えへへっ
プロデュースユニット「LEMON LIVE」を立上げ、 作・演出をされておられます。
浅野さんも2回ほどご出演されていましたね。
このアフタートークのある二日前にご覧になって「あさって空いてない?」と言われ
今日のゲストの運びになったそうです(笑)
今回、浅野さんから声を掛けられ演出が鵜山さんということで
「鵜山さんから盗めるものは、すべて盗む」という意気込みだったそうです。

そして鵜山さん★
「2人(浅野さん、石橋さん)とは、同じ劇団(文学座)なんですけど、
年齢は一回り以上離れてるんです。彼らとは研究生の時から知っている。」
この作品は男の子二人のお話だけれど、30代後半から40代の男性が演じるとなっていて
丁度、モジョ、ミキボーの子供たちの両親位の人が1998年に書かれた時点で
当時1970年代を思い出して演じるといい・・という作者の設定があったそうです。
そんな事を踏まえながら、若い頃から知ってる彼らが、その世代になったのかと
稽古場で、たった3人でいる時間も長く、考え深いものがあった・・と、おっしゃいます。
「ずいぶんおじさんになったなぁ~」(笑)
続けて鵜山さんが
当初、OFF・OFFで一ヶ月位やる事だけ聞いて、それだけしか決まってない状態だったそうですが
「それは面白そうだから一緒にやりましょう」

その間に浅野さんと石橋さんがご登場されました。

で、平川さんから作家オーウェン・マカファーティー氏についてお話して下さいました。
新国立劇場で鵜山さんが芸術監督として立ち上げられた「現代戯曲研究会」。
そこではまだ翻訳されていない作品をまずは日本語にして読んでみてと、
その中でいくつかは新国立劇場で上演され、他の場所で紹介されたり・・と
3.4年前にマカファーティー氏の作品が検討の対象になったそうです。
結果、新国立劇場の現代戯曲シリーズ海外編『シュートザクロウ』が上演されましたが
それ以前、残念ながら日本では、マカファーティー氏は評価されなかったそうで・・
その背景としては、北アイルランドという地域性の高さ。宗教色の違い等、
外の人間からするとわかりずらい・・と平川さん。
鵜山さんに「そうですよね」と確認すると「うん」と(笑)えへへっお茶目さんです。
ちなみに『シュートザクロウ』は、4人のタイル職人がタイルを張りながら、二手に別れ
そのタイルを盗む盗まないという攻防戦が繰り広げられるお話でした。
この作品は1997年マカファーティー氏36歳の作品。
『モジョミキボー』は1998年。
30代後半で花開いたという遅咲きの作家だそうです。
2003年『シーンフロムビックピクチャー』が今秋劇団円で上演されるそうです。
この作品は、北アイルランド版『わが町』で、登場人物も多く長い作品でマカファーティー氏の
代表作と言われ、平川さんもやってみたかったとおっしゃいました。
形は違えど、拝見できる機会があるのは嬉しいですね。

『モジョミキボー』の映画からご覧になったという鵜山さん。
英語の台本は暗号みたいだったとおっしゃいます。
平川さん曰く、方言が強いのと綴りが個性的だったと・・
例えば「A」が“&”や「I(私)」になったり、兎に角も方言がきついそうで
どうあっても絶対解らない隠語や翻訳不能な言葉もあったりしたそうです。
そおいえば『シュート・ザ・クロウ』の“シュート・ザ・クロウ”も「とっとと仕事を終えて飲みに行こう」
なんて意味が込められていたそうですもんね。
そんなこんなで『シュート・ザ・クロウ』では「苦労(クロウ)した」とおっしゃった平川さんに
「それ洒落?」と得意気に突っ込む鵜山さん(笑)
翻訳する時に駄洒落が苦手と真顔でおっしゃる平川さん。面白いお二人です(笑)
監修は鵜山さんだったそうで、台詞で「導火線に火が・・」で「どうかせんと」と
このゆるーい駄洒落は、絶対鵜山さんだと思いましたもん。うふふっ
鵜山さんは、彼の作風が北アイルランドの演劇で代表する作家サミュエル・ベケット氏の
『ゴトーを待ちながら』と似てるなと思ったそうで・・
ごっこ遊びをしながらゴトーを待ってる・・
それを マカファーティー氏に聞いたら「それだけは聞くなよ」(笑)と言われたそうです。
そおいえば、以前ベケット氏にお会いされたお話を披露して下さいましたね★

とはいえ、アイルランドの芝居は、壁があるのに人がすり抜けたりと、大人が子供を演じたり
と意外と何でもありの芝居が多いとおっしゃる鵜山さん・・そういう伝統なのかもしれない・・
例えばベイビーはギャングだけれども、あんなに小さな姿を想像すると妖精かもしれない。。
ここがアイルランドといえば、下北沢でもアイルランドになっちゃうし
そんな自由な発想があるのかな・・と、鵜山さんは続けられました。

平川さんより『モジョミキボー』の台本の構成はそのままだそうです。
モジョとミキボーの配役は、なかなか決まらなかったそうで・・
とはいえ台本は大分以前に出来ていたそうです。
思えば『ヘンリー六世・三部作』にご出演された時に、
すでに台本が上がってるって伺った気が・・
「稽古始めまで教えてくれなかった」と浅野さん
「どっちがどっちやるか決まらなかった。読み合わせしながら決めていくから待ってくれって」と
石橋さん。
何役もあるから、できれば早めに・・と、思っては居たんだけれども
稽古をしながら決めていくという、鵜山さんの意見も面白いな・・と思っていた所。
で、稽古始めに「じゃぁ浅野君、モジョね」って鵜山さんに言われたそうで
「おーーーーい!!!」
「え~って、本読みしながら決めるんじゃ・・・」と、
鵜山さんから
「2人下手したら赤字しょってる公演でしょう(爆)
気に入らない役を振っちゃったらもうどうしようって、心配で心配で・・」
その割には、ごり押しだったとお二人(笑)
しらっと鵜山さん「決めるときは決めないと(笑)」

第二回のアフタートークも面白いかったです。
今更ながらレポと言いながら、勝手な意見をめちゃめちゃ散りばめていますので
そこんところはアナログな筆記という手段なので許してくださいね!
また後半に続きます
by berurinrin | 2010-06-09 22:50 | イベント