東京裁判三部作・第二部『夢の泪』

東京裁判三部作・第二部『夢の泪』 in 新国立劇場・小劇場(5/9)

作   井上ひさし
演出 栗山民也

敗戦のあくる年の春。
「新橋法律事務所」。腕利き弁護士・秋子さん(三田和代さん)と再婚した伊藤菊治弁護士(辻番長さん)
ですが、どうも女性に弱いのが欠点で、秋子さんとは最悪の状態。
秋子さんの娘・永子さん(大和田美帆さん)は、継父の菊治さんを実父のように慕っているようです。
ある日、神妙なお顔で戻ってきた秋子さん。
彼女は東京裁判においてA級戦犯・松岡洋右さんの弁護人になるよう依頼されたのでした。

『夢の裂け目』に次いで第二部『夢の泪』公演中です。
前回は、紙芝居屋さんが東京裁判の証人として出廷されるお話でしたが
今回は、弁護人を引き受けた秋子さんと一緒にタッグを組んだ菊治さんの
目から見た東京裁判の不思議です。

それにしても、ホントに自分が勉強不足で・・どうしましょう!!
わたしの昭和の戦争知識は、ゴーマニズム宣言シリーズですからっ(ちなみに今は「天皇論」読んでます)
ところが、本棚に「いわゆるA級戦犯」が無い!誰かに貸したままなのかぁ~
本当にどうしましょう・・ふ・復習ができん(><)

わからないのは、戦争が終わって世の中の常識が、ひっくり返ってしまったこと。
結果、負けてしまったけれど、そもそも間違った事かもしれないけど、
それでも日本の為になんとかしようと戦争犯罪者になった彼らの弁護をする為に
その弁護士に対し弁護費用が出なかったとか、その費用を捻出する為の
募金活動中に庶民から石をぶつけられたり、乱暴されたり・・ひどい。
法律事務所にやってくる、その藁をもすがる必死の彼らの訴えについて、
解っていながらも何の手助けが出来ない弁護士のやり場のない苦悩や怒り・・

きっとこんな事、日常茶飯事だったんだろうなぁ~と、思うと本当にたまらない気持ちになります。
戦争に負けるって事は、こんなにも大きな代償を払わなきゃいけないもんなんでしょうか。
戦争に勝った側は、負けた側に対して心の中まで抉るように奪ってしまうもんなんでしょうか。
戦争に負けた側は、負けた仲間同士、互いの傷口を広げあうもんなんでしょうか。
なんかやりきれない気持ちで一杯になりましたけど
エピローグで10年後の彼らの姿が浮かびあがった時
それぞれ沢山の傷を泪で洗い流しながら、這い上がってきた逞しい彼らの姿は
観ている私にも癒しの軟膏を塗ってもらったような気がします。

5/6(木)~5/23(日) in 新国立劇場・小劇場
by berurinrin | 2010-05-15 20:50 | 観劇感想