東京裁判三部作・第一部『夢の裂け目』

東京裁判三部作・第一部『夢の裂け目』 in 新国立劇場・小劇場(4/12)

作   井上ひさし
演出 栗山民也

終戦後の混乱も落ち着きをみせた頃、紙芝居屋さんの親方・天声さんこと
田中留吉さん(角野卓造さん)
を中心に絵描きの留吉さんの義父・清風さん(木場勝己さん)、高校を卒業した娘・道子さん
(藤谷美紀さん)、妹で元柳橋の売れっ子芸者だった君子さん(熊谷真美さん)の家族や
弟子達に囲まれた日々を送っていましたが、ある日突然GHQからの呼出の手紙が届きます。
天声さんを「東京裁判に検察側の証人に立つように」との命令でした。

『ヘンリー六世・三部作』に続き『東京裁判・三部作』シリーズが開幕されています。
芸術監督で仕掛け人さん(笑)の鵜山仁さんが3という数字が好きで、
よくマジックナンバー例えておっしゃいますが、今回も3つの作品から成り立ってはいますが
『ヘンリー六世』のような一つの大きな物語として3つの作品が繋がっているわけではないので
全く異なる登場人物から、全く違う3つの作品を観終わった時に、どんな「東京裁判」像が
自分の中で浮かんでくるのか?とても期待しています。

実際のところ、再演といえど『夢の疵』しか観てないんですよねf(^_^;)
だって、あの頃は栗山さんが芸術監督時代だったし、演出も栗山さんだし
そんなに心が引っ掛からなかったんです。
「東京裁判」とか、わたしの乏しい日本史の知識の中に近代日本史という言葉は
まったく欠落してまして、どうしましょう・・・。
が、折しも拝見するこの日は、井上さんがお亡くなりになった翌日。
観終わった時に、浮かんだのは、井上さんの言葉でした。
「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことをまじめに」
今後もきっと井上さんの作品は、たくさんの方々の力で様々な劇場で上演され続けることでしょう。
その時は、井上さんも空の彼方から、安らかにご覧になっておられる事だと思います。

さて、お話は全くの庶民代表のような天声さん。
日本の芸能の継承として技能を持つと認められ、徴兵をまぬかれた彼が
なぜか突然GHQからの出頭命令を受けて、びっくり仰天。
よくよく聞いて見ると、検察側の証人として発言をするようにとの事でした。
検察側の証人ということは、被告の罪を肯定する側。
被告は、日本人。
周りの人たちを巻き込んで、裁判の前のデモンストレーションを開始します。
伏線として、天声さんの紙芝居の中の十八番、『満月たぬきばやし』が登場します。
その物語と東京裁判の謎とされる出来事がリンクしている事に気がついた時
天声さんはある決断をされます。
まさに「難しいことをやさしく」天声さんの声は、観ている私達の姿を写す鏡のようでした。

なーんて判ったような書き方をしてますが、どうも栗山さんの作品を拝見すると
観終わった直後は、「すごーい」と思うのですが、三歩(笑)歩くと、どこがすごかったのか?!
どのシーンが好きなのか?!、忘れちゃうんですf(^_^;)困ったもんだ。
って事は、それなりの結末が即行に自分の中で解決してしまって、記憶から消し去ってしまうのかなぁと
なんか・・う~ん、と思うのでした。
でもその謎は、この日の終演後、シアタートークを拝見して納得しました。
そのシアタートークの内容は、また後日・・・(まだ『象』のシアタートークも途中だし・・)

4/8(木)~4/28(水)まで  in 新国立劇場小劇場
by berurinrin | 2010-04-24 22:38 | 観劇感想