『象』シアター・トーク「日本の不条理劇」その1

『象』のシアタートークに参加してきました。
実は、今回トークのみに参加するのは初めてで
まぁチケットが取れなかったんですけど・・
ということで、小劇場のロビーに早めに到着し、係りの方に案内されて、入り口横へ・・
すでにお一人女性の方が並んでおられました。
その方から「舞台の声が聞こえますね」と、
ホントだぁ舞台の音声が流れています。しっかり聞こえます。
さぁて、本でも読みましょうと、家から持ってきた新刊をぺらぺらしようとしたら
・・・がーん、下巻だった(><)。
ロビーでゲットしてきた鵜山仁さん演出のオペラ『カルメン』や『鹿鳴館』のチラシをしばし熟読したり
ぽーっとしていたら、数名が列に加わり・・あっおやっ頼経明子さん!
昨日に引き続きヨリちゃんとあれやこれやと(笑)別役実さんの作品が好きだというヨリちゃん。
『象』のプロンプのお仕事は、ヨリちゃんにとって本当良い経験なったようです。

そうこうするうち、お芝居は終わったようで拍手の音が流れてきます。
と、おおおっ、なんかロビーから聞き覚えのある声!もしや
と、鵜山さんだぁ!わぁお、うーさま!!はっつけーん★かっこいいですっ
シアタートークに参加される演劇評論家の大笹吉雄さんと真剣そうにお話しながら
目の前を通り過ぎていかれました。
お仕事中の姿もまた素敵です。。。

さて客席に案内されて、ヨリちゃんのお隣でメモメモ書き書き状態です。
どうぞネタバレありで、勝手な解釈もいっぱいありますがお許し下さいね。
もちろん、うーさま中心ですよ!

シアタートークの始まりです
いつものシアタートークは、演出者とご出演された俳優が参加されることが多いのですが
今回は、ちょっと趣が変わっていてサブタイトル「日本の不条理劇」となっています。
そして日本の不条理劇といえば、この方!別役実さんが参加!こりゃ楽しみです。
「こんにちは、当劇場の芸術監督の鵜山です」と、マイクを持って舞台下手から登場されたのは
鵜山さんです★きゃーきゃー素敵♪
颯爽とご登場・・・と、言いたいところですが(笑)
あの舞台をご覧になられた方はお解かりだと思いますが、床にめーいっぱい
敷き詰められたあの洋服たちの山に足を取られないようにと
鵜山さんはじめ、ご出演の皆様はゆっくり歩かれます。
おっと、おっとと、がっしがっしと(笑)歩きにくそうですねぇ・・
毎日その舞台に立っておられる俳優さん達・・大変ですね。

鵜山さんからご出演者の方々のご紹介がありました。
『象』を書かれた作家の別役実さん、同じく演出されたの深津篤史さん。
「今日の司会進行の大笹吉雄さんです。僕は立場があいまいなんですが、
大笹さんにバトンを渡して進行して頂きます。約一時間・・よろしくお付き合い下さい」BY鵜山さん

この『象』は、1962年の作品。
別役作品としては、回数的には多くないそうですが
定期的に上演されてる作品だそうで、最近としては数年前に、燐光群で上演されたそうです。
司会の大笹さんから
「これまで見たことの無い一風変わった『象』」ということで
「これ・・(舞台のセットを眺めて)古着ですよね。いったい何枚あるんですか?(笑)
演出の深津さんから、4tトラック1台分位あるというお答え・・すごいですね。
このセットを、焼け跡のようだし、新陳代謝している皮膚にも見える・・と、おっしゃる大笹さん。
続けて「・・これらがケロイドと結びつく?と、観ていて面白いと思って・・」
う~ん、わたしもわんさかと積もりに積もった古着たちのセットを観て
まるで人の肉体が消えた抜け殻に感じました。
これらの発想は、美術の池田ともゆきさんがアウシュビッツで虐殺されたユダヤ人の方々の
展示の風景をイメージされたそうです。
「外とか通路とか病院とか台本上の指定を無しで・・という感じでやろうと」BY深津さん

「(企画の)プランは鵜山さん?!」と大笹さん
別役さんは、現在134本の戯曲を完成させられていて、その中でなぜにこの『象』を?と
鵜山さんに尋ねられました。
「えっと、困ったなぁ(笑)高校の時に、これを読んだが為に、この世界に入っちゃったという
自覚症状があるんですけれど(笑)」
『象』が鵜山さんの演劇の原点だそうで・・・・そっかぁ深いなぁと感じ入りました。
「戦いの記憶というか傷跡みたいなもの・・戦いというのは、ただ戦争に限ったことでなく
どう語り継いでゆくか、どう表現していくか・・という事を元に
今シーズン、昨年9月からですけれども、そこへ一つフォーカスしてみようと・・
それと共に日本の現代劇ということで、これから上演される『東京裁判・三部作』井上ひさしさん作品で
前芸術監督の栗山(民也)君の時代に上演されているのですが、
一方で前衛劇というか、不条理劇というかそういう括り方・・難しい定義があるんでしょうが、
趣の変わったをずっと書かれている別役さんに登場していただいて、そこでぜひとも『象』を、と」

「この『象』というタイトルは?」と大笹さんから別役さんに質問です。
「これには、なぞというか色々説があって(笑)
象皮病(皮膚が、象のようにざらざらしている病気)と思っているんですけどね」
『エレファントマン』の影響を受けているんじゃないか?と誤解された方もおられたそうで
全体像としては、象は可愛らしいけれども、皮膚感をみると可愛らしさと対極の姿であり
「好きでもあり嫌いでもある、愛情と相反する・・そういう事を利用したのかなぁと、思うんですけど」
ご自身を第三人称的におっしゃる別役さんの飄々としたお話が、面白くって笑いが絶えません。

演出の深津さんは、初めて別役作品を演出されたそうです。
その感想を大笹さんから聞かれて
「いやぁ~、どうしようかなぁ~と、かなり思った・・
話の時系列、場所生を読み解けば、きっとこうなるだろうと思うんですけど
こうだろうなぁ・・とやると、暖簾に腕押しの感じがして、だったらもう役者と一緒に迷ったままいこうと
ゴールは決めなきゃいけないんですけれども、迷ったままいこうと。
ただ初めは、困った・・って感じでした」

次回に続きます。
ちょっと今回も長そうですが(笑)だって、まだノート1枚分ですよ(爆)
鵜山さんのお言葉を借りて・・・どうぞよろしくお付き合いください(*^_^*)

明日が初日の舞台『兵器のある風景』にご出演される浅野雅博さん
「素敵な初日をお迎えくださいね!」と、今日のモジョ、ミキボーは?!
情報ブログはこちら→モジョ/ミキボーのブログ
by berurinrin | 2010-03-13 18:30 | イベント