文学座・感謝祭2009<その1>

文学座・感謝祭2009 in 文学座アトリエ&モリヤビル1F.2F(pm5:00~7:00)

文学座の忘年会に参加してきました!!
路地を曲がった先には、記帳コーナーがありました。
そこで一際目立つイケメンさん★アトリエ公演『』で、犀に大変身しちゃった城全能成さん
新国立劇場『ヘンリー六世』でも色モン系(笑)から2枚目まで幅広く存在感ある芝居を
魅せてくださいましたね!何でもこなせる城全さん・・あの綺麗な目に吸い込まれそうです(笑)
名前を記入して、コートを預けるクロークコーナーには、
『ヘンリー六世』で大活躍された、第二部の海賊の艦長さんがジョニーデップみたいにかっこよかった
石橋徹郎さん!見た目強面風ですが、にかっと笑って下さる笑顔は、めっちゃ可愛いですね。
と『ゆれる車の音』で、テキ屋に憧れるスーパーの店員・太田川宏君を演じられた松尾勝久さんの姿も!
松尾さん・・いいですよぉユニークで、ちょっと不思議な方ですが妙に味がある個性的な役者さんです。
さて、イケメン軍団の記帳コーナーとクロークを抜けると
美しい女優さん達がお出迎えをして下さる受付コーナーへ、お久しぶりの佐古真弓さんが
対応して下さいました。佐古さんは、『定年ゴジラ』で妻子ある職場の男性と恋に落ちる次女・万里さんを
演じられました。知的だけど、打たれ弱いそんな女性らしい可愛い面が素敵に演じられてました。

今年の1月に行なわれた新モリヤビルのお披露目会同様に、今回もアトリエ、モリヤビルで同時開催
されるイベントを頂いたタイムテーブルを見ながら自らチョイスして選ぶという文化祭方式♪です
つーことで、まずはアトリエに向って、感謝祭スタートを拝見します。
アトリエの入り口には、石井麗子さん!『定年ゴジラ』で長女・千穂さんを演じられていらっしゃいました。
いつもきらきら輝く笑顔をお持ちの素敵な麗子さんです。
アトリエの中は、正面には舞台が作られていて。下手側は飲食コーナー。
今回は、飲食やイベント参加の費用は回数券を使ったチケット制でした(←わかりやすくて良いですね)
飲食コーナーで、チケット3枚をビールにこうかーん(笑)
対応して下さったのは『ゆれる車の音』の真弓さんを演じた栗田桃子さん!
「今日は、来ないみたいですね」と言われ・・そうなんです。
鵜山仁さんは、目下、加藤健一事務所『シャドーランズ』のお稽古中で、今回不参加なんです(><)
「「みなさんによろしくお伝え下さい」と、おっしゃってました(しょぼーん)」とお伝えすると
「何それ~(笑)」わたしは、桃子さんのさっぱりした口調が大好きです(笑)
ビールを片手に上手側に並べてあるイスに向うところで、塾一久さんに!
塾さんは、来年に蜷川幸雄さんの『ヘンリー六世』にご出演です。とても有名な役者さんですが
いつも気さくに声を掛けて下さるんですよ・・ありがたいです。
塾さんの先には、『ゆれる車の音』にご出演された田村勝彦さん。テキ屋から警察官に転進された
世渡り上手な有江さんを演じておられました。あの(笑)舞台の姿が想像できない・・
普段はダンディな田村さん★

さて、感謝祭スタートです。
司会は浅野雅博さん、北村由里さん。そして総合司会は、原康義さんのお三方。
原さんは、蜷川版『ヘンリー六世』で名将トールボットを演じられるそうです。かっこいいでしょうね★
浅野さんは、新国立『ヘンリー六世』で、クリフォードの息子を演じられました。素敵でしたよね★
う~、やっぱ蜷川版観に行きたくなりますよね
北村由里さんは 『長崎ぶらぶら節』の着物姿の華やかで美しかった所作が忘れられないですね
ワンピース姿もすらっとしてお美しい・・
今年から、場所を信濃町のアトリエに移して、忘年会から感謝祭に名前が変わったそうです。
今までの東京會舘も素敵でしたが、アトリエの空間で今年の終わりを締めくくるのは
もっともっと嬉しいイベントですよね。座員の方々は、大変だったと思いますが・・・

まずは、劇団代表の戌井市郎さんのご挨拶が始まりました。
今年からは、名称を「感謝祭」という事で、今後はアトリエを中心に行なわれると発表が改めて
お話がありました。アトリエは来年で創立60年。今年は、モリヤビルが改築されたりと
本当は、モリヤの場所にマンションの計画があったこと、大阪支持会から贈られた
モリヤビルのネームプレートに予算の関係でライトが入れられなかったことなど
こぼれ話を披露して下さいました。
「やっと93才になりました」とおっしゃるその姿。お声・・めちゃめちゃ若い戌井さんです。

次に、支持会担当代表の金内喜久夫さんのご挨拶です。
「今年一年振り返ってみますと、色々厳しくって慌しい世の中ではありましたが
我が文学座は、本当によく乗り切ったなぁと思います。」
金内さんの私見とおっしゃいながら、今年の文学座の作品を振り返って
老いも若きも一緒になって頑張ったなぁという感じがするそうで
そういう意味で皆さんと一緒に芝居を作る、歩んでいく・・
年齢層が3世代にわたって200名近い座員がいて、色んな芝居ができる。と、
それが第一の利点とおっしゃいながらも、反面、人数の多さに困ったりも・・と、やっかいな問題もあると
けれど外の仕事をすると文学座の役者の評判がとても良いそうで、これからも質の高い演技と
面白い芝居を目指して、培われた伝統を守っていきたいと
明るく語る金内さんの口調が面白くて、笑いが絶えないご挨拶でした。
「この後、僕自身の有馬記念競馬コーナーがありまして、わたしの私財を投げ打って
皆さんに“三連単”を買っていただき、先着5名様にわたしの“三連単”をプレゼントしたいと
思っております(笑)」
いやぁ、“三連単”いいですねぇ
金内さんといえば『ヘンリー六世』ですね!思えば金内さんの第一声から芝居がスタートでした。
原さん「馬券の当たった事のない金内さん(笑)今まで何度も騙されました(笑)」

続いては、文学座東京支持会長さまのご挨拶が続きます。
そして乾杯のご挨拶は、着物姿が美しい寺田路恵さんです。
「みなさん、こんばんは
今年一年、どなた様にとっても、困難な年だったのではありませんか?
来年こそ今年より、より良い年になりますように・・」
相変わらずの美しい声にうっとりいたします★
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当日頂いた、パンフです。
このキューピー人形の秘密は、また改めて(笑)
細長い影は、愛猫・次女りんりんのしっぽ(笑)です。

来年2010年度の演目紹介」と、浅野さんに「手短に!お願いします」と原さんが振られると
浅野さん「来年の演目、(パネルを指して)見たとおりです(爆笑)」みじかっ(笑)
北村さんと浅野さんのお二人で演目の紹介して下さいました。
それら演目の中でも60周年のアトリエの会『カラムとセフィーの物語』の演出をされる高瀬久男さんと
鐘下辰男書下ろし作品』を演出される高橋正徳大演出家(笑)の登場です。
高瀬さんが、まずアトリエについてお話をして下さいました。
当初は、今のようなオープンスペースではなくて、舞台があったことや
今から20年前の40周年記念の時には、9時間半という大作『グリークス』を上演されたこと
それまで記念公演がなかったそうです。
そして10年前に、今回と同じ形でアトリエ創立50周年3本連続上演が行なわれたそうですが
レパートリーシステムで3本日替わりでの上演だったそうです。
そして来年が、アトリエが作られて60年、60周年となるということだそうです。
「アトリエという場所は、70年代に別役実さんが色々な作品を発表されたり、新作連続上演や
鵜山さんが『リア』という5時間近く掛かる作品を上演したりと、実験的な普段上演されないような
形態の作品やらを発表したりしていましたが、今回アトリエの上演作品を決めるアトリエ委員会で
色々話し合いして、20世紀から21世紀、21世紀から10年経って、これからどんな風に
進んでいくんだろう?アトリエは、時代とその時々の熱とか色々なものを題材にしながら
作品が生まれてきたということを念頭に、今回はギリシャ悲劇から現代作家まで並べてみた
その中で3本が選ばれ、今回はレパートリーシステムではなく、一本一本大切に観て頂きたい」
と、熱っぽく語られました。
第一作は、ギリシャ悲劇『トロイアの女松本祐子さんが演出ですが、残念ながら欠席で
祐子さんのメッセージを高瀬さんが読み上げられました。
「21世紀になっても戦争は終わらす、愛する人を失って嘆かざるおえない女性がいなくなる事は
ありません。『トロイアの女』のヘカベ、アンドロマケ、カッサンドラ女達一人一人の姿が
愛するものを失いたくない現代の女性の姿に見えるように描いて生きたと思います。
絶望の淵で苦しむ女性の話ではありますが、最後には生きる事への執着と希望を訴えるので
閉塞感に満ちた現代に“生きる”というメッセージを伝えたいと思います」
と、力強いメッセージが届いておりますと、高瀬さんが伝えてくださいました。

今回のテーマ「いさかい」だそうです。ずーと、いつまで経っても戦争、紛争が一向に終わらず、
色んな差別があって・・とそんな状況化、演劇の中でどのような表現が可能かと考えた中で
演目選定に込められたテーマだったそうです。
で、高瀬さんご自身が演出される『カラムとセフィーの物語』は、あの『アラビアンナイト』を書かれた
ドミニク・クックさんの作品。
元々は、英国の40代のベストセラー作家の作品「ノースアンドクロス」が原作です。
黒人と白人社会がひっくり返ったという虚構の世界のお話のようです。
東洋人で、白人と黒人の差別を客観的にみれる人種として
民族の差別、宗教の差別、いろいろな差別に対して「いさかい」
想像力が組み込まれれば、いいなとおっしゃいます。

そしてアトリエ最後は、『鐘下辰男書下ろし』を演出されるノリ君へマイクが渡されました。
もう、ノリ君は高瀬さんがお話して下さる間中、なんか落ち着きな~い(笑)
まぁ、そのゆるさと演出作品のギャップが大きくて、逆に人間的にとても魅力があるんですよ。
鐘下さんは、ザ・ガジラというユニットを持っていらして常に作品を公演されておられますが
エグイとういうか、人間の心の奥底をこれでもかっ!って程に見せつけられちゃって
かなり心がきゅーんと苦しくなる事が多いので、心身ともに健康の時に観ないと本当に
辛くて・・なので最近は、ちょっとご無沙汰ですが、私的には、好きな作家さんなのです。
文学座には『北の阿修羅は生きているか』や『寒花』←ノリ君言えずに、お客さまにツッコミされてました(笑)
「現代の言葉で、現代の日本のある家族とか、ある世界をモチーフにしながら
シビヤな人間関係を扱い、人間のある病巣とか扱っているので、必ずしも明るく楽しい作品
ではないと思いますが、我々、特に僕は表現者が世界とどう向き合うのか?
その時の言葉として、鐘下さんの言葉がモチーフになると思って企画しました」
10年前の本科生時代、アトリエ50周年の時に高瀬さんの演出の
マイ・シスター・イン・ディス・ハウス』で、暗い話でしたが、すごく素敵な作品で、
度肝を抜かれて「しまったぁ」と思ったそうで、研修科に上がった時に
松本祐子さんが、イギリスから戻って演出された『テンペコスト』3時間以上で、20人位出演者がいて
半分位が日本語を話さず外国語を使い、かなり膨大な台詞の量のある大作で、やっぱり「しまった」と(笑)
そして、10年後の今回は高瀬さんと松本さんと並んで演出が出来る事になって
「やるからには負けないように、最後の作品なのでパワフルな作品にしたい」と
大演出家(笑)が、力漲る立派なコメントをされていました。
「10年前の鐘下作品には、内野聖陽が出演されていましたが、
来年はどうなるのでしょうか(笑)それは、秘密です(爆笑)」
思いっきりリップサービスをしてしまって、大拍手を受けてしまい、それに動揺するノリ君(笑)
見た目以上に面白い人ですが、本当に素敵な演出をされます。
ぜひノリ君の応援よろしくお願いいたします!!
by berurinrin | 2009-12-27 22:23 | イベント