まつもと市民芸術館『エドワードボンドのリア』

まつもと市民芸術館 芸術監督串田和美プロデュース2009『エドワードボンドのリア』
                                       in シアタートラム(11/20)
作   エドワード・ボンド
翻訳 小宮山智津子
演出 白井晃

リア(串田和美さん)は、敵からこの国を守るために城壁を作り続けています。
ずっと前から・・。ある日、二人の娘ボディス(久世星佳さん)とフォンタル(村岡希美さん)を伴って
城壁の工事現場に現れます。折も折、事故が起こり労働者が亡くなりました。
城壁はまだ未完成。。。。
リアは、娘たちが止めるのも聞かず、事故を起した労働者を射殺してしまいます。
反発した娘達は、リアが敵視している隣国のノース公(内田紳一郎さん)、コーンウォール公(三松明人さん)
と結婚する為に家を出てしまいます。
父と娘達の争いの結果は、リアの敗北で集結し、逃げ惑うリアは、ある墓堀り職人の息子(水橋研二さん)
と出会い、墓堀の息子は、善意から妻・コーディリア(緒川たまきさん)の元にリアを連れていきます。
ところがリアを捕まえるべく、荒くれた兵士がすぐそこまできていました。

シェイクスピアの『リア王』が原作です。
ところが話は、かなりハードでびっくり・・。
親切な墓堀り役人の息子は、兵士にあっけなく殺されて幽霊になってリアにまとわり付きます。
妻で身重のコーディリアは、兵士達に乱暴され、復讐を誓い反乱軍の主導者となります。
兵士に捕まり、リアは目をくりぬかれ、反乱軍に負けた娘ボディスとフォンタル達も
悲劇的な末路を迎え、混沌とした狂気に彩られた世界感の中でドラマは
いったいどこへ突き進んでいくんだろう??

凄惨な場面が渦巻きながらも、なせが滑稽さがあって面白い・・
リアが目をくりぬかれるシーンは、キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』を彷彿とさせ
フォンタルの死体を解剖するシーンは、えぐいけど怖さを通り越してユニークな感じ。
リアに付き添う墓堀り息子の幽霊は、一見天使のようにリアを無償の愛情のような包む。。。と、
思いきや、ちと違う気が・・・。
リアを含めて一癖も二癖もある登場人物たちが描く世界は、次から次ぎへと連鎖のように城壁を
形にあるいは心に作り続け、最後に城壁を壊そうとしたリアが殺されるという
なんとも救いようのないお話ではありますが
『ピランデッロのヘンリー四世』の狂気の世界に生きたヘンリー四世に続き、狂気の王リアを
演じられた串田さん・・・すごかったぁぁぁ

冒頭から終幕まで、がんがんと五感に伝わる打ち付ける鉄筋の金属音の激しさに
びっくりしながらも、刺激的で挑発的な作品に心が始終揺さぶられました。

ちなみに、この作品は1986年文学座・アトリエで公演されています。演出は、鵜山仁さん★いえぃ♪

11/20(金)~12/6(日) in シアタートラム
12/17(木)~12/20(日)  in まつもと市民劇場館 実験劇場
12/23(木・祝) in 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
by berurinrin | 2009-12-01 22:14 | 観劇感想
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