新国立劇場『ヘンリー六世』三部作 第三部<薔薇戦争>

新国立劇場『ヘンリー六世』三部作 第三部<薔薇戦争> in 新国立劇場中劇場(10/31、11/19)

作   ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
演出 鵜山仁

プランタジネット家ヨーク公(渡辺徹さん)とランカスター家ヘンリー六世(浦井健治さん)の
内乱・薔薇戦争の幕開きは、ヨーク公家の勝利となります。
ヨーク公はヘンリー六世に対して、王位を譲るように半ば強引に迫ります。
ヘンリー六世は、自分が死んだらヨーク公に王位継承者にすると約束します。
ヨーク公は納得して、自ら自分の領地に戻りますが、ヘンリー王の臆病さに失望して、
ヘンリー六世は支持者たちからも見放ます。
王妃マーガレット(中嶋朋子さん)は、この約束に同意できないと明言し、
若きクリフォード卿(浅野雅博さん)やノーサンバランド伯(石橋徹郎さん)らの助力を得て、
皇太子エドワード(ソニン)を伴い、ヨーク家に対し宣戦布告します。

舞台の周りには、黄色い花が咲き乱れ、その中に死者の首が転々と置かれています。
戦争に次ぐ戦争・・次から次ぎへと怒涛のような争いの場面、復讐の連鎖・・。
ダイナミックにはためく赤と白の大きな布が、その戦況の優越を表現しています。
私達は、彼らの歴史の傍観者となるには、あまりにも荷が重い・・
彼らの大きなうねりの中に呑み込まれていくような、恐怖を感じながらも
瞬きをする間も惜しい程、美しくて残酷な舞台に引き込まれてしまいました。

地上で繰り広げられる凄惨な数々
父がそうとは知らず息子を殺して、息子がそうとは知らず父を殺す・・
幼い子供が殺され、一族は消滅・・
嘆きの声が響き渡るその先の空の雲は、それでも静かに流れます。

なんかまだ『ヘンリー六世』の余韻に包まれております(笑)
すごかったですね。ほんとすごい作品でした。
ご出演者の方々も、ほんとすごかった(文学座の方々はまた別にUpしますが)
装置も照明も小道具もみーんな、みーんなすごかった。
剣なんて、重そうだったし、剣と剣がぶつかる音もリアルでカーンって火花も散るし
三部通じて使われていた二つの大きな台の装置が、それぞれ向きを変えて様々な場面で使われているし
ミラーボール(笑)
ああ、すごかった。
この一ヶ月間、観ることの楽しさとまた観れる嬉しさを交互に感じながら過した一時でした。
演じる側と観る側の充足感を肌で感じる事の出来た約9時間の通し公演や
アラカルトで一作品ごとに思いを深めた公演もとっても楽しかった。
沢山の感動と素敵な時間をありがとうございました。

内乱が鎮圧され、一時の静寂。
まがいものの青空の背景には、新たな権力闘争の火種を感じさせる予感が・・・

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10/27(火)~11/23(火・祝)まで in 新国立劇場中劇場
by berurinrin | 2009-11-24 22:53 | 観劇感想