新国立劇場『ヘンリー六世』第一部<百年戦争>その二

新国立劇場『ヘンリー六世』三部作 第一部<百年戦争> in 新国立劇場中劇場(10/27、31)

作   ウィリアム・シェイクスピア
翻訳 小田島雄志
演出 鵜山仁

薔薇戦争というのは、ヨーク家のランカスター家の両家の紋章がそれぞれ白と赤の薔薇をモチーフ
にしていたので、そう呼ばれるようになったそうですが、それも後世の呼び名といわれているそうです。
第一部では、のちの薔薇戦争に至る原因となったある事件が描かれています
登場人物は総勢38名(すげー)
その彼らが、三部作合わせて計200名近い登場人物を演じられ、
三部作全てにご出演されています。(すげー、すげー)
ということで、文学座からご出演されてる方々も色んな場面に登場されています。

中劇場のホワイエに配役表のコピーが置かれていて、一部、二部、三部と分れて
一目でわかるようになっています。お目当ての役者さんの登場シーンを
前もってチェックできますよ。また裏面には、わかりやすいストーリーが紹介されていました。
これはかなり嬉しい心遣いですね。予習する時間がないけど・・ちょっと知りたい・・
パンフも読み応えありますが、ぜひゲットして客席に着いて下さいね。

その配役表を見ながら、文学座からのご出演者を第一部でチェック(*^_^*)
第一部では、血気盛んなベットフォード公を演じられたのは金内喜久夫さん。
満身創痍の姿でイスに乗って運ばれながらも、その身をフランスとの戦いの最前線にその身を置き
ルーアンの奪回を目に焼き付けて死んでしまう勇士を演じられました。

全三作を通じてヨーク公を演じられるのは、渡辺徹さん。
第一部では、まだ若きプランタジネットと呼ばれ、王位を主張しているエドモンド・モーティマー
(鈴木瑞穂さん)の相続人となり、名誉を回復してヨーク公と名乗り、フランスの摂政となります。
心の中では王冠への野心を持ちつつ、でも、なんか憎めない青年らしい真っ直ぐな
感情を魅せて下さいました。

第一部では、フランス側で乙女ジャンヌ(ソニンさん)をシャルルに引き合わせる
オルレアンの私生児は城全能成さん。
白塗りピンクのホッペで、なんかポップな感じ(笑)
まっ、ヨッシーは、かっこいいから何しても似合っちゃいますね。
真面目なイングラント派と色物系(笑)のフランス派の対比が面白かったですね。
でもトールボットの遺体に対しての言動は、すごい迫力があって怖かったです。

対立する貴族達の中でも、一際目立つのは、露骨ないがみ合いを魅せちゃう
摂政グロスター公(中嶋しゅうさん)Vsウィンチェスター司教(勝部演之さん)
さてこの2人とそれぞれの乱闘シーン。ロンドン市長(篠原正志さん)が止めに入りますが
言う事を聞いてくれません(><)そこで、布告を出す事にします。
大きな黒いメガホンを出して大きな声で布告を出すのが役人役の浅野雅博さん
このメガホン・・笑えます。
戦闘シーンでは、兵士や従者を演じ
名将トールボット卿(木場勝己さん)と息子ジョン(篠原正志さん)の壮絶な最後の場面では、
騎士ウィリアム・ルーシー。
対立するフランスの摂政ヨーク公とサマセット公の間を行き来し、
トールボットへの援軍を依頼するも適わず、父子の死をフランス側から引き取る辛い役目
を演じられていました。ヨーク公たちを非難し真っ直ぐな気質を持った紳士でした。
めっちゃかっこよかったですね(*^_^*) 他にも兵士や従者を演じられています。

薔薇戦争の対立する両家が赤バラと白バラを身に付けるきっかけとなったエピソードがありました。
そんな中で最後に白バラを手に取る弁護士を演じられたのは、今井朋彦さん。
また、百年戦争終結に向けて従者。肩から長いマントに身を包んだ姿のしなやかな動きが美しいす。
他にも冒頭のヘンリー五世の葬儀の最中、フランスの戦場を伝える従者を演じられています。

捕虜となっていたトールボットと再会した途端、砲撃にあって命を落とす騎士トマスカレーヴ。
そしてサマセット公の家来で、ヘンリー王(浦井健治さん)に決闘を願い出る
バセットを演じられたのは石橋徹郎さん。
精悍な面差しの石橋さんの表情がりりしくって素敵です。
他にも従者や兵士を演じられています。

トールボットを捕まえちゃおうとする貴婦人オーヴェルニュー伯爵夫人(久野綾希子さん)の
門番さん(笑)鍵をちゃらちゃら振っての悪巧みをしようとしたのは、松角洋平さん。
またトールボットに呼ばれて強気な暴言を吐いちゃう(笑)髪を束ねた指揮官が目立ってましたね。
他にも従者や隊長を演じられています。

従者、兵士・・そしてフランス側の兵隊で、シャルルに戦況を報告する斥侯は川辺邦弘さん。
この後、乙女ジャンヌが捕らわれてしまいます。
川辺さんは、要所要所と確実にその存在を隠しながらもしっかりと根付く・・そんな周りを支える
大事な役割を見事に魅せてくださいます。

と、そんな彼らがまた第二部、第三部と違う人物を演じる姿を追っていくのも
『ヘンリー六世』のアナザーストーリー的な楽しみであります(*^_^*)
by berurinrin | 2009-11-02 22:21 | 観劇感想