『ハイキング』

『ハイキング』 in 代々木パオ(10/30)

作   別役実
演出  西本由香

深夜、目と足が不自由の娘(上田桃子さん)の車椅子を押す父(高瀬哲郎さん)。
娘は、父に目の前の電信柱に上って蝉の真似をするように父に頼みます。
当初は渋る父でしたが、娘の言うままポリバケツを足場にして電信柱に登る父。
そこへ公園でハイキングをするために、お弁当を持ってきた母(永川友里さん)が現れます。
娘は、ここでハイキングをすると言い出します。道路の真ん中で電信柱の前でシートを広げ
サンドイッチを食べ始める家族達。そこへ会社員(西岡野人さん)が訝しげな顔で通り過ぎて行きます。
そしてアコーディオンを背負った傷痍軍人(近藤隼さん)が現れます。

代々木パオ・・・。
代々木駅から毎度の事ながら・・迷いながら到着すると、中庭があって客席に壁はブロック塀?!
なかなか面白い会場です。
夜の中庭は、なんとなく怪しい感じが・・・f(^_^;)これから拝見するお芝居には
ロケーション的に相性がよさそうです。

いわゆる不条理物というのは、実は、全く得意ではなのです。
ついつい色んな事を、突き詰めて考えてしまいたがり屋さん(自分で言うなって(笑))なもんで
どうも・・なので、別役さんの作品も数える程度しか拝見していませんが、
今回も・・え~!!なんで?!なんでこうなっちゃうんだろう?
そう思うと、ぞくっ!ぶるぶる~(><)と、怖い怖い・・。
なんで?どの時点で普通の生活を正気が狂気に移り変わってしまうのか?
正気と狂気の境目ってなんだろう?
善意と悪意の受けとめ方って・・・
夜中にハイキングをしている家族を、ほんのちょっとした好奇心から殺されてしまう
会社員や強迫観念ともいえない、ほんのちょっとした心の隙間に入った声の力で殺してしまう父親。
まるで日常の会話のように死体を川に捨てると言い放つ母親。
どっかで何かが崩れる瞬間。
その瞬間さえも気がつかない言葉の力にビビッてしまったのでした。。。。

優しい眼差しで気の弱そうな・・どこにでも居るお父さんは、高瀬哲郎さん。
さすが高瀬さん身が軽い!!するするっと電信柱に登っていく姿・・(笑)
降りる時の素足の動きが、多くを語っていました(笑)
後半、会社員を放すまいと、会社員のシャツを掴む力の入った手・・その手が
喉にかかるまでの数分・・・リアルに怖い・・思い出してもゾクゾクです。

お母さん役は、永川友里さん。準座のまだまだ若手の女優さんです。
が、お母さん?!って感じですが、
元々落ち着いた雰囲気をお持ちの方なので違和感がなかったです。
淡々とした母親でしたが、終演後の笑顔をみちゃうと可愛さ満点の友里ちゃんなのです♪

さて、わがままで、ヒステリックな面を持つ娘は上田桃子さん。
黒いめがねに車イスで、微動だにせず周りの大人たちを変えていく・・・。
桃子さんの可愛い声から発せられる恐ろしい思いつき、まさに小悪魔でしたね。

さて、かわいそうな会社員を演じたのは、西岡野人さん。
きっと「えっ、えっ、なんで?」と、ワケがわからないまま殺されてしまった気の毒な方です。
その時の表情が、たまらなかったですね。
そんな自然体の表情が今の、のびくんの魅力なのだと、つくづく思ってしまいます。

小さな会場に文学座の関係者が沢山(*^_^*)
色んな場所で挨拶を交わされる光景が、アットホームな劇団の雰囲気を伝えてくれます。
ほ~んと、ほのぼの~してるんですよ♪
終演後、のびくんから今回演出の西本由香さんをご紹介して頂きました。
俳優達のキャラクターを生かしながら淡々とシンプルに演出されていて、わたし好きです。
甘さを感じないシャープな面もお持ちだし・・
これからもきっと素敵な作品を続けて発表して下さる事を期待しています。

自主企画や若手の演出の作品や研修科生の勉強会や発表会・・とても新鮮です。
自分自身、刺激を受けることが多いです。そして知らなかった作品との出会いも・・
ぜひぜひ興味を持って一緒に楽しんで欲しいなぁと思います。

翌日から『ゆれる車の音』のファイナルツアー先発出発という鈴木亜希子さんみっけです。
で、山本郁子さんにもばったり★声を掛けて下さって、ありがとうございますm(_ _)m
最後ツアーは、岡山の鑑賞会でお世話になって拝見しようかなぁ~と目論んでいたのですが
同じ演出の鵜山仁さんのオペラ『不思議な国のアリス』と被ってましたぁぁ~がーん(><)
つーことで、飛行機に乗って最終日狙いであっこちゃんの涙で客席からもらい泣きしようかなぁ
ふふふっ(笑)不敵な笑みでした。。。。

10/30(金)~10/31(土)まで in 代々木パオ
by berurinrin | 2009-10-30 23:23 | 観劇感想
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