『ヘンリー六世』事前レクチャー夜の回<その2>

百年戦争の戦利品としてサフォーク伯(村井国夫さん)が
マーガレット(中嶋朋子さん)を口説くシーンが大きな場面になっていて、
かどわかしたマーガレットを、本国に連れてきてヘンリーの奥さんにするそうで、
なんでヘンリー六世(浦井健治さん)が、サフォーク伯からマーガレットという
怪しいプレゼント受け取ったか?(マーガレットと結婚したか?)
それは色々事情があったようで、ヘンリー六世は生後わずか9ヶ月で即位した王様で
周りの大人たちに囲まれて、中でもグロスター(中嶋しゅうさん)とウィンチェスター(勝部演之さん)
後盾の大人たちの意見やアドバイスを聞き入れていかないと国が治まらない状態にあったわけで
それら大人の意見に左右され、時に無理強いされてストレスもあったのではないか?
と、言いつつ「なーんて・・よくわかないけど(笑)」と鵜山仁さん★面白い~

そのストレスの中の一番特徴的な出来事は、
「あなたにこの人を花嫁としてあてがいますから結婚しなさい」とグロスターに言われ
若年の身でイマイチ結婚に対して乗る気ではないのだけど、国の為なら・・・と
不承不承ではありながらも「NO」といえない優柔不断の傾向のある王様のヘンリーは、
一旦はグロスターの勧めに承諾します。が、
一方で、サフォーク伯が勧める花嫁は、サフォーク伯自身が好きな女性なので
「この人はいい人ですよ、素晴らしい人ですよ」と、マーガレットを褒め称る言葉が
ヘンリーにとっては、他人事じゃなくて自分のためサフォーク伯が言ってくれるように聞こえたらしく
「国の為に結婚してください」
「この人は良い人だから、ぜひ一緒になったらどうですか?」
と言われたら、耳に入り易いのは後者の方じゃないかな・・と、
それだけが原因ではないのかもしれませんが・・
今まで大人たちの意見に従わざるおえなかった人が、自分のために話してくれる人の意見に
すっと耳を向けてしまう。。そして結婚することになって
その結婚が、必ずしも上手くいかない・・・それが第二部になるそうです。

第二部の副題は「敗北と混乱」
敗北というのは、百年戦争でフランスに負けたということで
混乱というのは、その負けた戦争に負けたことに対してのリアクションであり
国内に色々起こる騒動や「いったい誰のお陰で負けたんだ」とか・・
国自体が混乱しているので、我こそは!と国の実権を握りたい人が、わんさか出てきちゃうそうで
抗争が後の薔薇戦争に起こってくる火種がどんどん生まれてくる時期のようです。
そこで第二部の終わりの方には、ジャック・ケード(立川三貴さん)が登場されるそうです。
職人や一般市民による暴徒の反乱で(本来は農民の反乱だったらしいのですが)
当時の王権、ヘンリー六世に反旗をひるがえす形で、ちょっと台詞をいじったりしていると・・
「俺が王様になったら1合瓶に酒を一升五合入るようになる」とか
「98円のパンが1円で買えるようになる!」とか、ちょっと●●党みたいな事を言ったりしちゃって
あろう事か立川さんが、稽古場で「政権交代!」とか言っちゃったらしく(笑)
「できれば本番で言って欲しくないなぁ(笑)」と、楽しそうに稽古場のお話を入れながら
鵜山さんの楽しいお話は続きます。

・・そんな国内の混乱によって、今までの秩序や考え方がひっくり返ってしまう状況の中
市民たちの革命や貴族達が結託したりとややこしい事が起こりつつある中に
第一部でネタは振られつつも陰を潜めていた赤い薔薇と白い薔薇の戦いが表に出て来るそうです。
赤い薔薇と白い薔薇は、ヨークとランカスター
ヨークは、ロンドンから3時間ほど北にある町でヨーク公爵領で、ヨーク家が実際に
白薔薇を家紋としていたそうです。そのヨーク公(渡辺徹さん)と
ヘンリー六世、取り巻きのウィンチェスター、グロスターはランカスター家で
赤薔薇を家紋にしているそうです。
このヨーク家もランカスター家も王家の枝分かれした血筋であるそうで
その戦いを薔薇戦争と言われ、シェイクスピアがフィクションとして描いたので
有名になったそうですが、根っこは史実であり、30年に渡るイギリス貴族の戦いの出来事。

第二部の始まりは、サフォーク公に連れられマーガレットがフランスからイギリスから来て
結婚するという儀式から始まって、恋人のサフォーク公以外には孤立無援のマーガレットが
一人イギリスで頑張るという・・強烈な気の強い女性で、反対にヘンリー六世は
ちょっと煮え切らないタイプなので、マーガレット、サフォーク側が実権を奮うようになるそうです。
その上に、戦争の敗北による混乱で、ジャック・ケードが現れ暴徒による反乱やらで
王国がめちゃくちゃになってしまう・・非常に不条理な状況が第二部にあたるそうです。

第三部の副題は「薔薇戦争」。
ヨーク家とランカスター家の血で血を洗う死闘のようなお話だそうで・・
第二部の終わり辺りから今まで主導権を持っていた人たちが、どんどん死んでいき
世代交代みたいな流れがあるようで
白薔薇のヨーク公(渡辺徹さん)の4人の子供たち(史実とは異なるようですが)の息子たち
幼くして戦争によって殺されちゃうのがラットランド(高橋郁哉)で、のちに生き残った3人の内
長男エドワード今井朋彦さん)次男ジョージ(前田一世さん)で、三男リチャード(岡本健一さん)
このリチャードが後のリチャード三世。
シェイクスピアの『リチャード三世』と『ヘンリー六世』三部作と合わせて薔薇戦争四部作として
イギリスでは時々上演されるようです。

と、「ここで改めて復習しますけど・・・(笑)」と、鵜山さん。

つーことで、次回に続きます(笑)
by berurinrin | 2009-10-22 23:16 | イベント
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