文学座6月アトリエの会『結婚』2

言葉を細かく分析するってこういうことなのかなぁと、四隅をつっつくような台詞がいっぱい(笑)
言葉を紡ぐ脚本家のイモリチカさんを演じられたのは、寺田路恵さん。
颯爽と歩く姿、ふと立ち止まったり、椅子にさりげなく腰掛ける仕草が、とっても綺麗!
第一声は、寺田さんの声からでしたが、しーんと静まったアトリエに
響く声の優雅さ・・・。互いに不本意ながらも紙袋を被ってトミオカイチローさん(林田一高さん)に
後ろからぎゅっと(笑)されるシーン。
何度も繰り返す内に、どんどん変貌する女性の姿にドキッとしたりして・・
やっぱり素敵な女性というのは、なんか一本ぴぃ~んとしたもの(なんて言ったらいいんだろう??)を、
心や体に持っている人のことなのかなぁ・・と、寺田さんの舞台のすらっとした後姿を見て思ってた私です。

そんな、キャリアウーマンのような素敵なチカさんの夫・イモリシンスケさんは
関輝雄さんでした。
職業は俳優という設定だけに、ちょっと不思議な雰囲気もあって、なんか面白い
ちょっとぽわんと無邪気に話す姿が私的にはツボで、天然系の突っ込みも可笑しかったですね。
ほのぼのとしたカップル・・・でもご夫婦のいきさつもちょっと複雑な問題があったり・・・
とはいえ、お尻をいっぱい蹴られて可哀相でした・・でも笑っちゃったけど(笑)
そんな関さん、本公演『ぬけがら』では、胃がしくしく痛む50代のお父さん・父3を演じられておられました。

インテリ風なトミオカイチローさんは、林田一高さん。
アトリエの会『数字で書かれた物語』にご出演でしたね。
死のう団の一員で、どちらかというといじられキャラでした。
みんなで輪になってボール遊ぶをしてるシーンの
何それぽっかーん(笑)とした表情忘れられませんもん(笑)
今回のイチローさん。わたしは一番不思議な掴み所のない人に思えました。
全てがスマートすぎて、ちょっと怖い。
でもプロポーズする時のはにかんだ笑顔は、とても素敵でした。
お茶を入れる時の優雅な手つき・・これまたかっこよかったです★

イチローさんにプロポーズされるのは、ワダモモエさんこと藤崎あかねさん。
舞台に登場された時「えっ、あかねちゃん?!」と、思ったほど
あかねちゃんのイメージが変わっていてびっくり、あっいや、すごく綺麗になりましたね。
ワンピースをひるがえして歩く姿、きらきらしてました(*^_^*)
『アラビアンナイト』では、姉を思う優しい妹のイメージが強かったのですが、
今回は、大人の洗練された女性と子悪魔的な魅力を併せ持つモモコさんを
時に色気を魅せながら演じておられました

そんなモモコさんの元・彼コクボケンジさんは、高橋克明さん。
危険な香りぷんぷんの克明さんでしたね。
あの冷たい眼差し・・本当にかっこい~い(笑)
乱暴な言葉を撒き散らしながらも、登場人物の中で誰よりも繊細な人物だったのかもしれません。
口紅』のスキンヘッドに眉なし(笑)のあきらさんとは、180度違うケンジさん。
しっかり髪も眉もありました・・あははっ
ちょいワル系を演じられる機会が多い克明さんですが、どれ一つ同じタイプにならない細やかさ・・
いったい克明さんの引出には、何百人の危険な男性が潜んでいるのか・・
また舞台で出会えることが、めっちゃ楽しみです。

シンプルで濃密な舞台・・・5人で紡ぐこのドラマは、きっと何度観ても、
違う感覚で心を惑わすそんな不思議な魅力に満ちている作品だと思います。
う.うっ、また観たい・・・。そんなたまらない気持ちにさせる芝居なのでした。
まだ、ご覧になられていなければ、ぜひ!!!!
by berurinrin | 2009-06-30 22:25 | 文学座観劇感想