『暴力と演劇サラ・ケインの『ブラスティッド』をめぐって』

『暴力と演劇サラ・ケインの『ブラスティッド』をめぐって』
                              in 東京日仏学院エスパス・イマージュ (6/16)

日仏学院では、フランス演劇特集ということで、現在色んなイベントを提供して下さっています。
やっぱフランス好きなので、時間が許す限り参加したいなぁと
何より無料という講座が多いのも魅力だし♪フランスの香りが漂う構内は、とっても素敵・・
イスの座り心地も良いですよん。

さて今回は、静岡芸術劇場主宰でのダニエル・ジャンヌトーの演出による
サラ・ケインさん作『ブラスティッド』の上演を記念した、講演・朗読会が行われたので参加してきました。
サラ・ケインさんは、4作品の戯曲を残して若くして命を絶ったイギリスの劇作家。
青年団+文学座自主企画公演で上演された『パイドラの恋』もサラ・ケインさんの作品です。

サラ・ケインさんのデビュー作となったこの『ブラスティッド』は、
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を題材に、ジャーナリストとその恋人の居るホテルの一室に
突如爆風が起こり、目の前に兵士が現れ、戦場に巻き込まれていくお話。

初演は、1995年イギリス。その激しい内容で賛否両論が起こったそうです。
演出のジャンヌトーさんは、初演の『ブラスティッド』をご覧になったそうですが、
好きになれなかったそうで、2005年コメディフランセーズでこの演出した時に
改めて、テキストを読み直すことで、彼自身の何か心の変化が起こったそうです。
それまで、演劇のリアリズムをさけていたとおっしゃるジャンヌトーさん。
「時に演劇は、架空の経験をもたらしそれは現実の経験と同じ位影響されやすい」

この作品の構成の中には、暴力が中心にあるそうですが
テーマは「愛」だそうです。
暴力によって、何か明らかになる「愛」の経験とはなんなのか?
神話のようなものを追求するゆえに、悲劇となってしまうそうです。
というのも、兵士は天使のイメージだそうで
天使は破壊もするが愛情も持ち合わせている・・私のイメージの天使には「破壊」という言葉が
ピンとこなかったのですが、西洋では、天使の解釈が違うようです。
1時間程、ジャンヌトーさんのお話があってから
出演者の阿部一徳さん、大高浩一さん、布施安寿香さんが
『ブラスティッド』の第3場をリーディングして下さいました。

この作品は、中年のジャーナリスト、その恋人の女性、そして兵士の3人芝居です。
ホテルの一室に兵士が現れて、女性が逃げ出し、ジャーナリストと兵士が対峙します。
そこからリーディングが始まりました。
兵士は、今までの彼と仲間達で行なった戦争という名の下で行なった蛮行を
ジャーナリストに語り、記事にしろと詰め寄りますが、ジャーナリストは、そんな話は
読者が求めていないと拒絶します。その反対に平和な国の下で行なわれてる犯罪を例えて語ります。
それも読者が求めるような・・ひどい内容の・・
兵士は、彼の恋人だった女性とジャーナリストを重ね合わせ
ジャーナリストを脅し乱暴し、その眼球を食べてしまいます・・・・・。
と、リーディングは15分位でしょうか。
すごい内容です。できるだけ綺麗にまとめたつもりですが・・ふぇ~ん。
何がキツかったって、兵士の語るおぞましい話・・それは、すべてボスニアで起こった真実の出来事。
そしてジャーナリストが語る事件も当時のイギリスで起こった事件だそうです。
どれ一つ聞いてもまともな同じ人間同士が出来る事じゃない・・・武器を持ったものと持たないものの
強者と弱者の立場・・・戦争とは、ここまで人間を狂わせてしまうのでしょうか?!

また、出演者3人がシェイクスピアの『リア王』より
息子エドマンドに裏切られたグロスター卿が、リア王の娘リーガンの夫コーンウォールに
両目を抉り取られるシーンをリーディングして下さいました。
暴力とは、愛を語る芝居と同様にギリシャ悲劇、シェイスクピアなど古典の時代から
あったとおっしゃいました。

この作品を観る機会がないので、作品の感想やジャンヌトーさんの語った暴力の中に愛の片鱗さえも
感じる事はできませんでしたが、演劇を通じて、現実を知る機会があれば
どんな辛い事実でも見据える勇気を持って生きていたいなぁと思ったのでした。
今回は、かなりショッキングの内容で、メモを取ってはいたのですが
なんか全然言葉になってなくて・・内容もちょっと辛かったんで、なんかUPすべきか悩んだんですが
でも・・うん。まぁ、頑張ってます!

2009年6/13、14、20、21 in 舞台芸術公園・稽古場棟「BOXシアター」上演されました。
by berurinrin | 2009-06-21 19:02 | イベント