新国立劇場『夏の夜の夢』

新国立劇場『夏の夜の夢』 in 新国立劇場中劇場(6/3)

作   ウイリアム・シェイクスピア
翻訳 松岡和子
演出 ジョン・ケアード

アテネの公爵シーシアス(村井国夫さん)とアマゾンの女王ヒポリタ(麻実れいさん)の結婚が
間近にせまったある日、イジーアス(大島宇三郎さん)が、娘ハーミヤ(宮菜穂子さん)が
父の決めた婚約者・ディミートリアス(石母田史朗さん)を拒絶し、ライサンダー(細見大輔さん)と
相思の間柄だと訴えます。父の命令に従わなければ「死刑」も辞さない・・・
シーシアスの厳しい言葉に二人は・・・
妖精たちの住む森の中へ、駆け落ちしていきます。
二人を追うディミートリアスと、彼を慕うヘレナ(小山萌子さん)。
その森では、妖精の王・オーベロン(村井国夫さん)と女王・ティターニア(麻実れいさん)の
大喧嘩の真っ最中。オーベロンは、いたずら好きの妖精ペック(チョウソンハさん)を使い
ティターニアに「惚れ薬」となる花の汁を使い、いたずらを仕掛けます。
が、その薬によって大変な騒動が起こってしまいます。

「シェイクスピア大学校開校記念ジョン・ケアード氏の特別講座」を拝見して
この作品を観ると、本当に色んな側面が見えてきます。
シェイクスピアの作品の中でも『夏の夜の夢』とか『十二夜』とか、好きなんですよ。どちらかというと
ちょっと勘違いして、どたばたする彼らが・・なので、より深く広く拝見出来かなぁ(*^_^*)えへへ
とはいえ、2年前の初演時は、チケットを入手しながらも拝見出来なかったので
今回が初回でした。

どのシーンもどの場面も美しい・・・
でも美しいというのは色彩だけでなく、さまざまな形で美しさって伝わってくるもんですね。
例えば、パックの柔軟な動きやロバに熱烈に恋したティターニアの頭から湯気のように浮かんで
見えるハートマークの輝きとか妖精たちの振る舞い・・2組のカップルの時に滑稽な、きらめく言葉たち・・
あ~また観たい(笑)

文学座からは大滝寛さんがご出演です。
アテネの公爵の結婚式に披露するお芝居の稽古をする心優しい職人さんたちのお一人、
鋳掛け屋さんのスナウト。
ちょいワル・ロッカー風のいでたち・・かなりイケてます。
劇中劇『ピラマスとシズビー』では、二人の恋人達を隔てる石塀さん(笑)を演じられました。
見た目のちょいワル風な扮装の割には、仲間達の言葉に素直に従ちゃう、もう可笑しくて
ちょっと頬をふくらまして口を尖らせながら頷く姿、とってもチャーミングで素敵です♪

とても楽しくて好きな作品なんですが、実は、ちょっと・・う~ん。
ただ・・・・。音楽やダンスを取り入れた場面。
なんか観た事あるぞ・・・と、東宝ミュージカル『ベガーズ・オペラ』を浮かべてしまいました。
『ベガーズ・オペラ』に関わっておられた方が、多かったからかもしれませんが・・
えー!っと思って、目をこすりたくなくった場面もありました。
すごく面白いんだけど、楽しいんだけど、また観たいんだけど・・お芝居のシーンが素晴らしいだけに
心に残るもやもやって何だろう?

ご心配をお掛けしてすみません。
相変わらず、微熱が続いてます・・・低気圧に弱いからかなぁ・・元気なんですけどね。
声が出ないだけでぷぷぷっ。単なる風邪みたいです。
週末には治ってるはずなので、ご安心を~(*^_^*)

5/29(金)~6/14(日)まで in 新国立劇場中劇場
by berurinrin | 2009-06-10 21:56 | 観劇感想