シェイクスピア大学校開校記念 ジョン・ケアード氏の特別講座<その2>

もう一つ、シェイクスピアが芝居を書く時に使った言葉について
『夏の夜の夢』の舞台上に、一杯に絵を描いて生き生きとさせた・・
それは、当時は今のようなセットや音や照明とかは、あるはずもなく・・
なので、舞台装置を必要としない言葉を使わないといけなかったそうです。
観客に、ここはこうで、どういうところで、何があって、どういう雰囲気なのかを
全部台詞で説明している必要があったということです。

と、いうことで
例えとして、村井国男さん演じる妖精の王・オーベロンが、妻のティターニアの目に花の汁を
入れようとたくらむシーンの長い台詞を、ケアードさんが村井さんに振りました。
突然の事に、「えっ、えっ、もう(公演で)一回言っちゃったからなぁ」(爆)と村井さん
お芝居の時は、すらすら台詞が出てくる役者さんも、とっさに振られると難しそうです。
ともあれ、情感たっぷりに長い台詞をおっしゃいました。
そしてケアードさんが
「今の長い台詞の中には、私たちの心にイメージを呼び起こす
信じられないほどの沢山の言葉が詰まってる」とおっしゃいます。
実際、長い台詞の中で、彼が何を言いたかったか?と言うと
①花を手に入れた
②ティターニアが何処で寝ているかを知っている
③だから、ティターニアの目に、この花の汁を入れてやる
この三つの言葉しか言っていないそうです。
だけど、この三つの言葉に沢山のイメージを刺繍するかのようにちりばめて
どんな花で、ヒターニアが眠っている所がどんなに素晴らしいかを、
観客に想像してもうらう為に必要であったそうです。
野生のじゃこう草、さくら草、じゃこうバラ、野ばら、三色スミレ、スイカズラと
六種類の花の名前がなんで、台詞の中に入って居るかというと
当時、今の時代と違って大都会ではないので、周りに緑が多かったことでしょうね。
観客は、「あ~あの花!」と言うように理解が出来たそうです。
そして当時の観客にわかる花のイメージで、美しい夏の木陰をイメージさせようとしているそうです。
そしてもう一つ、台詞で、蛇の脱皮した皮について
「・・・妖精が身を包むにはうってつけ・・」
そして、妖精パックの台詞「妖精がどんぐりの中に隠れる・・」
と、妖精の存在が小さな小さな存在であると表現しているのです。

と、ケアードさんは、パックを演じられたチョウソンハさんに、その場面の台詞を振ると
しばし立ち止まってチョウさんは、場面を連想させながら思い出して動きながらおっしゃいました。

でも・・・と、ケアードさん。
「妖精がそんなに小さい存在なら、どうしてティターニアはボトムと出会うんでしょうね」
by berurinrin | 2009-06-03 22:10 | イベント
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