フランス文化講演シリーズ(第238回)『コメディ・フランセーズの今昔』その2

フランス文化講演シリーズ(第238回)
『コメディ・フランセーズの今昔』 in 日仏会館(4/20)

鈴木靖司(中央大学名誉教授、同大学元学長、フランス演劇史)
ピエール・ノット(劇作家、コメディ・フランセーズ事務局長)

コメディ・フランセーズに在籍していた俳優で、のちに映画などで日本でもよく知られた俳優と
いうことで、マリー・ベル(『舞踏会の手帖』)アニー・デュコー(『格子なき牢獄』)
ピエール・フレネー(『大いなる幻影』)ジャンヌ・モロー(『恋人たち』『死刑台のエレベーター』)と
紹介されましたが、一番ピンと来たのは、イザベル・アジャーニ!!
イザベル・アジャーニといえば、『王妃マルゴ』も素敵でしたが
『アデルの恋の物語』や『カミーユ・クローデル』。『ポゼッション』は、ちょっとエグかったですがf(^_^;)
緑の瞳で少女のような眼差しを向ける無垢な女性。。
わたしの大好きな女優さんです。気がふれる役が多い気がしますが、繊細そうなイメージゆえ
かもしれませんが、本当に美しい女優です。
コメディ・フランセーズでモリエール作『女房学校』に出演したイザベル・アジャーニは大変な評判だった
そうです。映像の写真が流れましたが、可愛い・・やっぱ昔から可愛かった女性なのですね。納得。

330年もの歴史あるコメディー・フランセーズについて、鈴木靖司さんから
ピエール・ノットさんに質問がいつくかありました。

<一つの芝居をコメディ・フランセーズの舞台で上演するには・・>

と、1866年のサロンのような場所で本読みをされてる風景を描いた絵画の映像が映し出されました。
当時とほとんど変わらず、現在も「本読み委員会」という場で、実際に本(主に作家が)を読んで
コメディ・フランセーズのレパートリーに入るか入らないか判定されるそうです。
現在3,000ものレパートリーがあるそうですが、古典でも現代劇でもOK。
ただし、レパートリーに入らなくては、絶対に上演することは出来ないそうです。
最近、シェイクスピアのある作品がレパートリーに入ったと(笑)ほんと時代を選ばないのですね(笑)

常に劇団員が居て、22種類もの役職がある合計400名近い大所帯。
中でも衣装や靴など、手作業の職人を抱える唯一の劇場だそうです。

<今日の観客に強くアピールする為のコメディー・フランセーズのレパートリーは何でしょう?>

3つの劇場を抱えるコメディ・フランセーズは、総支配人がその年のテーマを決めるそうです。
そして年間22~24作品を上演されるそうです。
なんでこんなに本数が多いか?と、コメディ・フランセーズには
前の晩と同じ作品を上演しない!という、すごい決まりがあるそうなのです。
なので大掛かりなセットも、翌日には違うセットに変わっているそうで、
毎週4作品が公演されるそうです。
ちなみに今年のテーマは「マネー(お金)」だったそうです。
テーマに則ってレパートーリーの中から作品を決めて、演出家が配役を決める。
常に常に上演して、時には外部の演出家を呼んだりもするそうです。
56人の座員がいて、年間862回上演するそうで、その内訳は毎日上演される3つの劇場公演
と地方公演・・それらは総支配人と演出で決められていくそうです。すごいですね。
そおいえば、今年ブルガリア人の演出家がコルネイユ作『舞台は夢』を演出したそうですが
ボイコットされたそうです・・・ボイコットって???

<黒人俳優がコメディ・フランセーズに迎えられたのはいつからでしょうか?>

1980年代の半ばまで、フランスでは黒人俳優がいなかったそうです。
そして1990年代に入ると、コメディ・フランセーズ以外の劇場で、黒人俳優が出演するように
なったそうです。これだけ沢山の黒人俳優がいるのに、なぜコメディ・フランセーズに入らないのか?
と思ったそうです。
今後、他の様々な国の出身者が集まる可能性は?という、突っ込んだ質問に対して
ないとは言えないけれど、コメディ・フランセーズが、十分に今の社会に反映していないと
つらそうにおっしゃるノットさんでした。
レパートリーにしても、新しい作品を入れることの難しさを語っておられました。

<モリエールの家として、出発したコメディ・フランセーズの21世紀のフランス社会における
役割とは?また将来は?>

モリエールの最後の作品『病は気から』で、モリエールが死んだイスの映像が映し出されました。
ノットさんは、コメディ・フランセーズのイメージをもっと大胆なものにしたい、生きた劇場にしたいと
おっしゃっていました。
劇場というのは、必ず世界と社会を反映していかなくてはいけない。
もっと、今の世界を伝えていきたい。
現代の作家をレパートリーに加えて、色んな文化的な試作が必要であり、
劇場、演劇は議論の場であり、レパートリーの博物館であってはいけないとおっしゃいました。
2011年リシュリュー劇場は、改築工事に入るそうです。
閉鎖中、テントや近郊での公演や地方巡演等、また新たなドラマツルギーへの挑戦
コメディ・フランセーズの今後の使命が、アイデンティテイの見直しになると
力強いノットさんのお姿でした。

ノットさんの言い方とは、若干違いがありますが、新国立劇場の芸術監督を務める鵜山仁さんが
常におっしゃってる言葉と同じに感じました。
来日中は、大活躍のノットさん・・真面目かと思えば、お茶目な方だったりと・・作家として演出家として
の一面も魅れたし、歌声も聴けたし(笑)
うふふっ鵜山さんと同じにおいがするのかなぁ・・なんか惹かれます。
あ、でもわたしは一途ですからっ(爆)
次回来日された時もぜひ、イケメン(笑)ノットさんのお話が伺いたいなぁと思いました。
by berurinrin | 2009-05-06 17:33 | イベント