新国立劇場『昔の女』

シリーズ・同世代[海外編]vol.1
『昔の女』 in 新国立劇場小劇場(3/14)

作   ローラント・シンメルプフェニヒ
翻訳 大塚直
演出 倉持裕

すでに引越しの準備も最終段階。この住み慣れた家から明日は出て行く
フランク(松重豊さん)とクラウディア(七瀬なつみさん)夫妻。
二人の間には一人息子アンディ(日下部そうさん)。
アンディは、恋人ティーナ(ちすん)との最後のデート中。
そんな彼らの前に突然現れる一人の女性。
名前はロミー・フォークトレンダー(西田尚美さん)。
フランクの24年前に別れた恋人であり、今も恋人同士であると名乗ります。

今年初の新国立劇場主催の新シリーズ「シリーズ・同世代[海外編]」開幕しました♪
いやぁ、怖かったですね。
結婚生活20年を積み重ねた夫婦、平凡な家族の悲劇。
これが上演時間約1時間半の間にどどどっと完結してしまいます。

私は結婚をしていないので、年月を重ねた夫婦間の愛情についてはわかりません。
けれどロミーを前にすると、そんな積み重ねは不毛のような気さえしてきます。
ロミーは、フランクを手に入れるために、恐ろしい犯罪をおかします。
彼女にとって忘れられない思い出だけど、彼にとって24年前に愛していた頃が蘇えっても
その月日はフランクにとって過去であり、今ではないはずなのに、
なぜロミーの伸ばした手を取ろうとしたんでしょうか??
そんなロミーは彼を置いて出て行くと、またフランクは、クリアにして今の世界に身を置くことができる?!
えー男の人って??そうなんですか?
また来週の会社の飲み会で、これをテーマにコイバナしなきゃだわっ
ま、実際はもっとびっくり仰天な展開でしたが・・・
大人の三角関係ともう一方では、一組のカップルの存在があります。
「愛してる」と言いながらも、別れは簡単なアンディと割り切れないティーナ。
若い恋人達の男女の愛情の温度差も引っかかります。
確かな愛情って、愛は積み重ねる事が出来るんでしょうか?
もし出来るのならば積み重ねる度に、小さなひびが刻まれそうです。
ホワイトデーだからかな?なんか愛というキーワードにハマってしまいました。

平面だけど、立体的な舞台装置がとても素敵★
最前列で拝見しましたが、最後は押し潰されそうな恐怖を感じてしまいました。
心臓どきどき・・もし再見できるとしたらC列以降の方が観やすいかもしれません。
中央の扉が開くたびに、なんか起こりそうで(笑)ゾクゾクしちゃいました。

作家のシンメルプフェニヒさんの戯曲を公演するのは、日本初!
という事で、昨日はドイツ文化センターにおいて、ビデオ上映会とトークセッションがありました。
そして、この日の終演後は特別シアタートークもありました。
それらの様子については、また後日UPさせて頂きますね。

それにしてもシンメルプフェニヒさんは、何度もリフレインを使われるかたで
場面を前と後の時間を自在に入れ替えたり、巻き戻したり自由自在に操ります。
独自の時間軸で、うごめく登場人物達。
それらは傍目に観てると笑っちゃう程おかしいものですが
たった数分の出来事で、友好だった関係性が崩壊していくさま。
無駄なものがない分、滑稽で心に深い恐怖を与える気がします。
笑いながら味わう恐怖・・新鮮な驚きがあります。

3/12(木)~22(日)まで in 新国立劇場・小劇場
by berurinrin | 2009-03-14 23:27 | 観劇感想
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