まつもと市民芸術館 芸術監督串田和美プロデュース『ピランデッロのヘンリー四世』

まつもと市民芸術館 芸術監督串田和美プロデュース2009
『ピランデッロのヘンリー四世』 in シアタートラム(2/12、2/28)

作   ルイージ・ピランデッロ
訳   トム・ストッパード
演出  白井晃

仮装パーティの日、ドイツの皇帝ヘンリー四世の扮装をしたまま落馬し、頭を強く打ち
目が覚めた時には、自分はそのままヘンリー四世だと思い込んだ男(串田和美さん)。
彼は20年もの間、今は甥のディ・ノッリ(中山夢歩さん)所有の別荘に籠もり、
従者として演じている“ランドルフ”(櫻井章喜さん)を中心に男たちに囲まれて生活しています。
そしてある日、従者を演じる“ベルトルド”として雇われた男性(反田孝幸さん)がやってきます。
同じ日、男の治療の為、医者(千葉哲也さん)を連れてベルクレディ(白井晃さん)が
恋人のマティルダ(秋山奈津子さん)、マティルダの娘でディ・ノッリの婚約者フリーダ(長谷部瞳さん)が
現れます。

「カノッサの屈辱」という事件がありまして
ドイツの王様ヘンリー四世が、勢力を拡大する為に、自分ブレーンになるような司教達を
当時のローマ法皇グレゴリー7世を無視して、勝手に任命しちゃったそうです。
で、ローマ法皇グレゴリー7世は「そんな事しちゃだめだよ」って注意したら
ヘンリー四世は、勝手に「法皇を辞めさえちゃえ」っと廃位を宣言しちゃったそうです。
堪忍袋の緒が切れたローマ法皇グレゴリー7世は、逆に王を「破門&王位剥奪しちゃう」と宣言!
まわりの諸国の王様たちの法皇に味方しちゃったもんだから、
四面楚歌のヘンリー四世は、参ったとばかりに和解を申し入れますが
逆に命の危険を感じた法皇グレゴリー7世はお城に引籠もり・・・
とうとう懺悔服に身を包んだヘンリー四世は、3日間雪の中、裸足で法皇グレゴリー7世の籠もる
お城の前に立ち許しを乞うた・・という国王にあるまじき屈辱を受けたということです。

そんな傲慢さにしっぺ返しをされたヘンリー四世だと思い込んだ男は
癇癪餅かと思えば、卑屈なまでに反省の態度をとってしまう支離滅裂な態度。
それに振り回される周りの人間たち。ところが、それがお芝居で
実際は正気に戻っていたという・・・
どんでんかえしぃ・・・・おもしろぃ~!!
初見では、最後の展開にびっくりしたのですが
それを踏まえて再見すると、狂人と呼ばれた男が、言葉の端々に毒を撒き散らしながら
周りの人間たちをもてあそんでる風景と冒頭の登場シーン男の苦悩の姿が蘇えってきて
面白さの中にも、うら寂しさと切ない気持ちが漂ってきたのでした。

文学座からは櫻井章喜さんと反田孝幸さんがご出演。
お二方とも、いい味出していますね(笑)
てきぱきさんでリーダー格なランドルフの桜井さんと、フランスの王様ヘンリー四世だと
勘違いしてやって来る天然系ボケ要素たっぷりベルトルドの反田さん。
この二人も、このユニークなとっちらかってるドラマの大事なスパイスです。

明日が、千秋楽というこの日は
立見も出ている盛況ぶり・・・先日、同じ作者の新国立劇場『山の巨人たち』が
TV中継されていましたが、ビランデルロさんの作品・・本当に面白いです。
やっぱわたしは台詞劇が大好きなんだなぁ~と思います。
時代に流されない、どちらかというと好き嫌いがはっきりしそうな作品ですが
満席の場内を見るにつけ、単純な会話劇に辟易してる演劇ファンもおられるのかなぁ・・と
こういう作品をあえて上演してくださった方々に感謝しています。
そーいえば、この『ヘンリー四世』高校生だった鵜山仁さん♪うふふっ
が文化祭で上演されたそうです。それもすごいですね!!

初日に拝見した時、長野でお仕事をされてるKさんに偶然ロビーでお会いしました。
Kさんが東京でお仕事されている時、
ブログの事、芝居の事、参考になった本・・・お会いする度に色んな事を教えて下さいました。
Kさんが、居なくなった時はショックでブログが続けられない日々もあったっけ。
数年振りにお会いしたKさんは、やっぱり子供のような笑顔で、一歩先の世界を見据えてる
魅力的で素敵な人でした。

今日は『オイディプスの娘』のお稽古休みの佐藤麻衣子ちゃんにロビーでばったり♪
今回はダブルキャストとはいえ、主役を演じる麻衣子ちゃん。
日々お稽古に励んでるようです。わたしも拝見しますが
ぜひ、やる時はやるぞ女優・麻衣子ちゃんの頑張ってる姿を応援してくださいませ。
同じく同期の西岡野人さんもご出演です!

さて、この日はこの後、新国立劇場へ演劇研修科の卒業公演へGOです!!

2/12(木)~3/1(日) in シアタートラム
3/8(日) in えずこホール
3/13(金)~3/15(日) in まつもと市民芸術館実験劇場
by berurinrin | 2009-03-01 00:45 | 観劇感想
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