俳優座プロデュース公演『空の定義』

俳優座プロデュース公演NO.79『空の定義』 in 俳優座劇場(12/12)

作   青木豪
演出 黒岩亮

ちょっと寂れた感じの町にある、懐かしい画廊喫茶「オリベコーヒー」
マスターの織部正勝さん(名取幸政さん)が一人切り盛りしておられます。
そこへ娘婿の宏一さん(浅野雅博さん)がやってきます。
宏一さんと妻・暁子さん(松永玲子さん)は、共働きのお医者さま。
ところが暁子さんの妊娠がわかり、嬉しくもこれからの生活の事のを考えての行き違いが
あって、つい喧嘩に。けれど暁子さんの心中には
幼い暁子さんを置いて何処かに行ってしまった母への気持ちがくすぶっています。
そんな時、暁子さんの父である織部さんに結婚の噂が・・

青木豪さんといえば、アトリエ公演の『エスペラント』を思い出します。
高校生の修学旅行先での一こまのお話でしたが、あの9・11の出来事が
台詞の中に入っていたり、世情を含んだ世界を垣間見せて頂いた気がしました。

今回のお話も、ちょっとしなびた良き時代の落ち着いた画廊喫茶を舞台に
気が付くと、学生運動から革命の話に・・この小さな喫茶店の空間から
大きな出来事に発展してしまいそうで、思わず握った手に力が入ってしまいました。
短い上演時間の中に凝縮した深いドラマが、軽い会話に中から渦巻いて出てくる。
そんな温度が急上昇する凄さがありました。

自分にとって革命の話は、当時はあまりにも幼くて
そおいえば、両親に買い物に連れて行ってもらった横浜駅のと、ある書店に
大きな半紙に書かれた文字が何枚も天井から吊り下がられていた記憶があります。
文字も読めない頃でしたが、あれはきっと書店の店員さんたちの叫びと革命運動
だったのかなぁと、ふと思い出しました。

自分を置いて革命に生きた母を恨みながらも、医者として免疫学の勉強の為
海外留学したい気持ちを押える事が出来ない自分と母の姿を重ねて愕然とする暁子さん
に対して、今回は感情を抑えて、一歩引いた姿勢で家族を見守ろうとする宏一さんを
演じられた浅野さん。いやぁ、いい男じゃありませんか(*^_^*)

12/11(木)~12/21(日) in 俳優座劇場
by berurinrin | 2008-12-21 14:17 | 観劇感想
<< 文学座本公演『口紅ーrougeー』2 世界文明センター『芝居の役割 ... >>